【11日目・クリスマス企画・小説ビンゴゲーム】


クリスマス企画の第11日目です。
ルール等、詳しくは http://q.hatena.ne.jp/1197051779 を参照ください。
2位のビンゴはkumaimizuki様です。おめでとうございます。

企画に応募された9名は、全員、参加者Aとして参加いただけます。

また応募しなかった方々も参加者Bとしてなら、だれでも、いつでも参加できます。

参加者Aには、ビンゴカードを1枚ずつWeb上に配ります。
http://www.nurs.or.jp/~lionfan/kikaku_2007_christmas/index.html
(現在、サーバに不具合があったため1回古いデータが表示されています)
今回のキーワードは「プレゼント」です。

それでは「キーワード+あなたの好きな言葉1つ」で
短い小説をつくり、この質問に答える形で応募してください。
締め切りは1/5(土) 23:59までです。

キーワードを明示することも忘れずに。
あと簡単に言及できるよう、小説にタイトルも付けてください。

あと1~2回で終了すると思います。それではよろしくお願いいたします。

回答の条件
  • 1人2回まで
  • 登録:
  • 終了:2008/01/06 00:04:39
※ 有料アンケート・ポイント付き質問機能は2023年2月28日に終了しました。

ベストアンサー

id:kumaimizuki No.1

回答回数614ベストアンサー獲得回数31

ポイント150pt

タイトル:アロマキャンドル。(キーワード:プレゼント/キャンドル)




ここは富士山への一本道。

灯はなく、人通りもない。

そのような場所で、車を止めた。


事の発端は、数日前に遡る。

彼女が仕事によるストレスから、自殺すると言い出した。

もちろん、すぐに自殺なんてするな。と、言い聞かせた。

しかし、次の日。

「わたし……自殺しようと思うの」

同じことをまた言った。

「昨日も言っただろ? 自殺なんてバカげたことをするなって。大体、自殺したら俺の立場は……」

「そうね。あなたは淋しい思いをするわよね……」

「何だ、分かってるんだったら……」

「でもね。あなたを殺してしまえば、あなたは淋しい思いをしなくて済むわ」

「おいおい。何を……」

俺は、そう言い掛けて、彼女が本気だということに気付いた。

「ねぇ。あなたは、わたしに殺されるのと、一緒に自殺するの、どっちがいいのかしら?」

「どっちって……どっちも嫌に決まってるだろ!?」

「じゃあ、決まりね。わたしに殺されるということに……」

「ま、待てよ。何でそうなるんだよ」

「どちらか一方よ。さぁ、どっちにするのかしら?」

俺は悩んだ。もし、彼女に殺されると願ったのなら、今すぐにでも殺しにかかるだろう。

だったら……

「分かった。一緒に自殺しよう」

俺は、彼女にそう告げた。

時間稼ぎと察しられたのか、彼女はすぐに言った。

「じゃあ、今すぐ自殺しましょ」

そう言って、彼女は俺を車へと乗せた。


途中のホームセンターで、ガムテープと練炭を買った。

もちろん、それだけでは怪しまれるので、様々なものを買った。

ロープや芳香剤、スナック菓子などなど。

そして、車を走らせて……現代に至る、というわけだ。

「さぁ、燃やしましょう」

彼女はそう言って、マッチを手に取った。

俺はすぐにマッチを奪った。

「あら、まさかこの期に及んで『自殺しない』なんて言わないわよね? それとも、わたしを殺す気?」

「まさか……。ただ、せっかくなら俺に火を付けさせてくれないか?」

「別に良いわよ。そのくらいは許してあげる」

「ありがと」

俺はそう言って、マッチで火を付けた。


しばらくすると、車内に心地よい香りが漂ってきた。

「ちょっとこれ……もしかして……」

「そう。その『もしかして』だよ。君は気付かなかっただろうけどね」

俺が火を付けたのは練炭ではない。

俺が火を付けたのは……

「わたしがプレゼントした……アロマキャンドル……?」

「正解。君が『良い香りよ』と言ってくれたものだよ。この香りをかぐと、あのときのことが思い返されるだろ?」

「あのときのこと……?」

彼女がそう言うと、しばらく考え込んだ。

彼女が、アロマキャンドルをプレゼントしてくれた日の事。

この日は、アロマキャンドルと共に、今の仕事に決まったという知らせも持ってきてくれた。

その時の彼女は、非常に生き生きとしていた顔をしていた。

「これから、一生懸命頑張る!」

彼女の笑顔は、最高のものだった……。

「辛いのは分かる。けれど、あの時は『それを乗り越えてこそ、わたしの夢が叶う』って言ってたよね。覚えてる?」

「覚えてる……わ……」

「その時、俺が言ったことも覚えてるか?」

「『どんなことがあっても、俺が救ってやる』」

「そう。俺が救ってやる。どんな時も、どんなことがあっても。もし、今ここで、自殺をしなかったら、ご褒美をあげる」

「ご褒美……?」

「これだよ」

俺は、隠し持っていた、ダイヤの指輪を見せた。

「結婚しよう」

彼女は、信じられないといった表情をしている。

「どうする? それでも自殺するって言うかい?」

「……わたしの負けね。ありがと、わたしを負かせてくれて」

「帰ろ。家へ」

アロマキャンドル……癒しと安らぎの効果がある、アロマキャンドルの香りに包まれながら、来た道を戻っていった。

来る時には、気が狂ったような彼女の表情も。

安らかな寝顔へと変わっていた。



====

お正月明けです。あけましておめでとうございます。

しばらく休んでましたが、その間にビンゴしてしまうとは(^-^;


今回のキーワードは、単純にゲームを面白くするために選んでみました。

『キャンドル』が選ばれると、現在リーチの掛かっていない2名がリーチになります。

同時に、ビンゴになる人が誰も出ないのです。

つまり、全員リーチという状況になります。

まぁ、腕が悪いので選ばれるかが非常に難しい問題だったりしますが。

id:lionfan

kumaimizuki様、面白い小説で、すごく引き込まれました。

そして、なかなか明るいラストで良かったのでした。

2008/01/04 23:00:01
  • id:lionfan
    第11回目はkumaimizuki 様「アロマキャンドル」が1位でした。
    ので、キーワードは「プレゼント」「キャンドル」になりました。

    さて、12回目のキーワードは「雪」ですが・・・
    この「雪」でビンゴが出てしまいました。
    3位はhimeichigo様です。おめでとうございます。

    > 言葉<-c("もみの木","イルミネーション","サンタ","そり","賛美歌","マリア","ケーキ","七面鳥","パーティー","恋人","雪","ベル","リボン","グレープフルーツ","りんご","お米","幽霊","ライオン","温泉","湖","紙袋","新曲","布わらじ","ひとまわり","もしかして","帰省","おにぎり","株","早起き")
    > sample(言葉,1)
    [1] "雪"

    それでは、記念パーティを行いますので、
     1位 hosigaokakirari様
     2位 kumaimizuki様
     3位 himeichigo様
    は、のちに立てる質問に感想等を回答ください。
    その回答のポイントとして、賞ポイントを差し上げます。
    また他の方も感想とうございましたらどうぞ。
    ことに今回の企画に寄せられた、自分のお気に入りの小説を教えていただければ。

    今回は企画に長々とおつきあいいただき、ありがとうございました。
  • id:lionfan
    みなさま、お疲れ様でした。
    現在、表彰式をやっております。
    http://q.hatena.ne.jp/1199546837

この質問への反応(ブックマークコメント)

「あの人に答えてほしい」「この質問はあの人が答えられそう」というときに、回答リクエストを送ってみてましょう。

これ以上回答リクエストを送信することはできません。制限について

回答リクエストを送信したユーザーはいません