glycogen phosphorylaseはグリコーゲンをグルコース1燐酸にする酵素として生体内では機能しているのに、試験管内で活性を測定する場合には酵素抽出液とグリコーゲン、それにC14ラベルのグルコース1燐酸を添加し、グリコーゲン中に取り込まれたグルコース残基の放射活性をカウントするやり方が一般的です。
つまり生体内で起こるはずの反応の逆反応を試験管でみているわけです。
なぜこのような反応が起こるのか、そしてなぜこれをglycogen phosphorylaseの活性とするのかを教えて下さい。
ぜひよろしくお願いいたします!
酵素ハンドブックなどお近くにありますか。
2.4.1.1のphosphorylase(glycogen phosphorylaseも含む)は、分解反応・合成反応両方を行ないます。
両方向の反応を行ないますので、当然、その活性測定法は、2種類あります。
オルトリン酸を加えて、生成したグルコース1燐酸遊離したを測定する方法。
グルコース1燐酸を加えて、オルトリン酸を測定する方法(C14ラベルのグルコース1燐酸を添加し、グリコーゲン中に取り込まれたグルコース残基の放射活性をカウントするやり方は、こちらの向きの反応に属します。)
どちらの方法を用いても活性は測定できますし、どちらで測定しても良いことになっています。
一般的には、感度・精度・簡単かどうか・低価格かどうか、などから一般的な方法が決まっていきます。
glycogen phosphorylaseでは、酵素抽出液とグリコーゲン、それにC14ラベルのグルコース1燐酸を添加し、グリコーゲン中に取り込まれたグルコース残基の放射活性をカウントするやり方が簡単で感度もよく測定できるので一般的なものとして使われているものと思われます。
現在研究分野でも、ラベル体の使用を少しでも減らす方向の動きがありますので、今後は、ラベル体を使用しない方法が一般的に成っていく可能性もあります。
一般的な平易な答え方をすると:
1) 生体内で起る化学反応の多くは可逆反応である。
2) グリコーゲン分解酵素もその一つである。
(加水分解(=)脱水反応は全て可逆反応です)
3) 可逆反応の場合、重要なのは平衡定数(K)である。
(加水分解の平衡定数がKならば、その逆反応である脱水反応の定数は1/Kとなる。)
>>以上の点から、やり易い逆反応を試験管内でやっているのです。
http://www2.yamamura.ac.jp/chemistry/chapter3/lecture4/lect3041....
ご回答ありがとうございます。
回答者1の方と同じ質問になってしまうのですが、
やり易い逆反応でもglycogen phosphorylaseの活性として良いのはなぜなのでしょうか。
両方向の反応とは「分解」と「合成」という全く正反対の意味であるはずなのに、いずれの活性測定でも
よいというところがなかなか理解できません。
酵素反応論等に関して疎いので大変お手数なのですが、その辺りをご教授頂ければ幸いです。
回答が遅くなりましてすみません。
中々難しいですが、例え話で説明してみます。
「酵素」を「チェーンに輪をつけることもはずすことも出来る機械」、「分解」と「合成」を「チェーンから輪を一つはずす作業」と「チェーンに輪を一つずつつける作業」、と考えてください。
「反応条件の変更」は、「スイッチの切り替え」です。
「チェーンから輪を一つはずす作業」と「チェーンに輪を一つずつつける作業」の能力は、同じ工程を逆に行なうだけなので基本的に同じです。
このような機械であれば、能力の比較は、「チェーンから輪を一つはずす作業」で比べても、「チェーンに輪を一つずつつける作業」で比べてもOKですよね。
(酵素活性の測定とは、基準となる活性を決めておいて、その活性の何倍になるか比較することですので、機械の能力の測定ではなく、比較を例えにしました。)
このような説明で御理解いただけますでしょうか?
ご回答ありがとうございます。
>どちらの方法を用いても活性は測定できますし、どちらで測定しても良いことになっています。
に関していずれの方法でもglycogen phosphorylaseの活性として良いのはなぜなのでしょうか。
両方向の反応とは「分解」と「合成」という全く正反対の意味であるはずなのに、いずれの活性測定でも
よいというところがなかなか理解できません。
酵素反応論等に関して疎いので大変お手数なのですが、その辺りをご教授頂ければ幸いです。