また移行した場合、ドル円はいくらくらいの円高になりますか?
人民元の変動相場制への移行の時期
まず、人民元の変動相場制への移行の時期ですが、2010年の上海万博開催以降になるというのが大方の見方だと思います。
理由は、資本市場の開放がまだ十分でないこと、人民元の兌換性が完全に実現していないこと、現在も拡大しつづける最大のリスク要因である不良債権の処理という3つの難題があるからで、この条件をクリアーしなければ、拙速な変動相場制への移行は極めて危険であるためです。
しかし、周小川中国人民銀行総裁の発言(A B)にあるとおり「漸進的」に人民元改革を慎重に進めていくとのことなので、段階的な変動為替相場制への移行は、近い将来あると考えていいと思います。今年の11月にアメリカの大統領選がありますので(民主党も共和党も人民元切り上げプレッシャーをより強めている)、来年はその可能性が高いでしょう。
<ドル円はいくらくらいの円高になるか>
中国政府は、周小川中国人民銀行総裁の発言にあるとおり、あくまで自国の経済成長に悪影響を与えず「漸進的」に為替相場改革を進めていく原則を堅持しているので、人民元改革そのものによるドル円レートへの影響は短期的には大きくないと考えます。むしろサブプライムによるグローバル投資家のレバレッジ低下で中国経済のハードランディングのほうが為替、株式市場への影響は大きいと考えます。
いずれにしても、ドル安 ⇔ 円・人民元高のトレンド基調になるでしょう。
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