理屈パズルのルールは http://d.hatena.ne.jp/lionfan/20060715 を参照。
F吉「短編小説を書いたんだ。読んでくれる?」
B美「喜んで」
B美は原稿を読み終えるとにっこり笑った。
B美「予想をはるかに超えてたわ!」
F吉はうれしそうに尋ねた。
F吉「B美は読書家だし、良い小説を書くコツを教えてくれないか?」
B美はすこし考えた。
B美「一般的に小説は導入が大事なの。『始め良ければ終わり良し』って言うでしょ?」
F吉「うん」
B美「結末も重要よ。『終わり良ければすべて良し』ってことわざもあるしね」
F吉は相づちをうった。
F吉「なるほどー」
F吉は興味津々で尋ねた。
F吉「で、僕の小説はどうだった?」
B美は小声で答えた。
B美「ちょっと中だるみしてたけど、でも全体として、F吉の個性がにじみ出てたと思う」
F吉は満足気に頷いた。
そのとき後ろから楽しそうな声がした。
「へーB美、そういうこと言っちゃうんだー」
B美はビクッとして振り返った。
B美「I穂!」
(この続きを書くことで回答することを歓迎。締め切りは2/13 00:00以降)
「理屈パズル」大変面白いですね。
しかし、30分考えてみましたが、どうも部分的にしかわかりませんでした。
わかったところを書いてみます。
「なにが『そういうこと』なんだい?」
F吉は訝しげにI穂に尋ねる。
「B美が言ったことよ。F吉、あなた別に褒められてないじゃない」
「どうしてだよ」
「まずね、B美が言った『良い小説の条件』を覚えてる?」
「えっと…
『始め良ければ終わり良し』
と、
『終わり良ければすべて良し』
だろ?」
「そう。じゃあ、ここでもし『すべてが良いわけじゃない小説』ってのはどうなると思う?」
「『すべてが良いわけじゃない小説』? うーん、『終わり』が良かったら『すべて』がよくなるんだろ? ってことは、『すべてが良いわけじゃない』ってことは、『終わり』が良くないんだろ」
「ご名答。じゃあ、『終わりが良くない小説』ってのは?」
「それは、最初のB美が言った『始め良ければ終わり良し』に当てはめると、『始め』が良くなかったってことになるな」
「その通り。じゃあ、ここでB美はあなたの短編になんて評価を下した?」
「F吉の個性がよく出てた、って」
「違う、その前」
「ちょっと中だるみしてた?」
「そう、つまり…『すべてが良いわけじゃない』」
「え…? じゃ、じゃあまさか…」
「そう。F吉の短編は、『始め』も『終わり』も『すべて』良くないのよ!!」
「う、嘘だ!! じゃあ、僕の個性が良く出てたってのはどう説明する気だ!」
「さぁ…F吉の個性はすべて駄目ってことじゃないの?」
「…うぐぅ…、い、いや、でも、B美は最初『予想をはるかに超えてた』って言ったぞ!」
「でも、それも褒めたわけじゃないわよね。さすがにそこまで言いたくなかったけど、『予想をはるかに超えるつまらなさ』ってことだったんじゃないの? ねぇ、B美? あら? B美? どこいったの?」
そこには顔中に笑みを浮かべたI穂が立っていた。
I穂「面白いのなら私もF吉さんの小説読んでみたいなー。ねえB美」
F吉「あ、それならぜひ読んでみてください」
I穂はなおも微笑みを絶やさないまま言った。
I穂「ええ、いつかたっぷり時間がとれるときに読ませてもらいますねー」
さらに言葉を続けようとするI穂をB美が遮った。
B美「I穂!ちょっと向こうで話ましょう」
I穂「えーいいじゃない。私ここでもっとお話したいな」
始業のベルがなって、F吉は思い出したかのように時計に目をやると慌てて言った。
F吉「いけない!僕次も授業なんだった。I穂さん、読んだらちゃんと感想下さいね。じゃあまた」
F吉の姿が見えなくなってから、I穂は喜々として言った。
I穂「B美、ちょっと聞きたいことがあるんだけど良いかしら」
B美は諦めたような顔で黙っていた。
I穂「『始め良ければ終わり良し』と『終わり良ければすべて良し』そしてこの2つから導ける『始め良ければすべて良し』
あと、後半二つの対偶『全てが良いのでなければ終わりもよくない』『全てが良いのでなければ始めも良くない』は一般に成り立つのよね。B美が言ったんですもの。
ところでB美『中だるみ』という言葉を使ったわよね。つまりは少なくとも彼の小説の中盤は良く無かった。
あれ?ということは始めも終わりも良くなかったのね。彼の小説は全然良くなかったんだ。
たしかに『F吉の個性がにじみ出て』るわね。
それにしてもそんな小説が『予想をはるかに超えて』るなんてB美のF吉に対する評価はよっぽど低かったのね。
私もF吉さんの小説を読んで『ちゃんと』正直に感想を言うべきかしら?」
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お久しぶりです。一番かな。
なるべく文体を真似ようと思ったのですがぐだぐだになってしまったのでボロがこれ以上でないうちに投稿させていただきます。
wens31様、おみごと、正解です。小説書きお疲れ様ですー。
I穂の嫌らしい感じが出ていて良かったです!!
「理屈パズル」大変面白いですね。
しかし、30分考えてみましたが、どうも部分的にしかわかりませんでした。
わかったところを書いてみます。
「なにが『そういうこと』なんだい?」
F吉は訝しげにI穂に尋ねる。
「B美が言ったことよ。F吉、あなた別に褒められてないじゃない」
「どうしてだよ」
「まずね、B美が言った『良い小説の条件』を覚えてる?」
「えっと…
『始め良ければ終わり良し』
と、
『終わり良ければすべて良し』
だろ?」
「そう。じゃあ、ここでもし『すべてが良いわけじゃない小説』ってのはどうなると思う?」
「『すべてが良いわけじゃない小説』? うーん、『終わり』が良かったら『すべて』がよくなるんだろ? ってことは、『すべてが良いわけじゃない』ってことは、『終わり』が良くないんだろ」
「ご名答。じゃあ、『終わりが良くない小説』ってのは?」
「それは、最初のB美が言った『始め良ければ終わり良し』に当てはめると、『始め』が良くなかったってことになるな」
「その通り。じゃあ、ここでB美はあなたの短編になんて評価を下した?」
「F吉の個性がよく出てた、って」
「違う、その前」
「ちょっと中だるみしてた?」
「そう、つまり…『すべてが良いわけじゃない』」
「え…? じゃ、じゃあまさか…」
「そう。F吉の短編は、『始め』も『終わり』も『すべて』良くないのよ!!」
「う、嘘だ!! じゃあ、僕の個性が良く出てたってのはどう説明する気だ!」
「さぁ…F吉の個性はすべて駄目ってことじゃないの?」
「…うぐぅ…、い、いや、でも、B美は最初『予想をはるかに超えてた』って言ったぞ!」
「でも、それも褒めたわけじゃないわよね。さすがにそこまで言いたくなかったけど、『予想をはるかに超えるつまらなさ』ってことだったんじゃないの? ねぇ、B美? あら? B美? どこいったの?」
honzuki様、部分的どころか完全な正解です。おめでとうございます。
黙って逃げるB美萌えー!!
F吉「やぁ、I穂さん、こんにちはー」
能天気にF吉の頬が緩む。
I穂「こんにちは。B美は今日もF吉さんと一緒なのね。D菜さん、この前すっごく怒ってたわよ。」
さっと不安そうな顔になったF吉の横でB美の頬がぴくっとひきつった。
I穂「そんなことより、F吉さん小説を書いたんですって?なにやらすごいユニークなお話だって聞きましたよ。」
F吉「え、そ、そう?いや、なんか恥ずかしいなぁ。もうそんなに噂になってるなんて…。」
I穂「ううん、そんなことないと思います。B美があぁ言うんだから間違いないですよ。ね、B美?」
そういうとI穂はにっこりとB美に微笑んだ。
I穂「え、その小説を私にも見せてくれるんですか?
私、小説読むの好きなんです!小説読んでたら、あっという間に時間が経っちゃうくらい。
うーん、でも、やっぱり遠慮しておきます。なんか私、もったいないですから。
あ、そろそろ講義が始まっちゃう!私、次の講義はイタリア語なんです。
お先に失礼しますね。」
去っていくI穂に緩んだ顔で手を振りながら、F吉はつぶやいた。
F吉「いやぁ、I穂さんって可愛いよね~、小悪魔的っていうかさぁ…。」
B美「…そうね、それは間違いないわね。」
参考文献:http://q.hatena.ne.jp/1159722386#c67405
ちなみに、文章中には明示しませんでしたが、
中だるみしている
→すべてがいいわけではない
→→でも「終わり良ければすべて良し」のはず
→→→すべてが良いわけではないので終わりが良いわけではない
→→→→「始め良ければ終わり良し」のはず
→→→→→終わりが良いわけではないので始めも良いわけではない
→→→→→→結局、始めも中も終わりも良くない
ですよね?
hokuraku様、ありがとうございます。
I穂が
「なんか私、F吉の小説を読むなんて時間がもったいないですから。」
って言っているのが小憎らしいですね!!
ところでパズルのほうは、もちろんそれでOKです。
こんにちは。いつも楽しいパズルをありがとうございます。
チャレンジさせて頂きます。
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F吉「I穂さんお久しぶり。『そういうこと』ってどういうこと?」
I穂「聞かない方がいいと思うんだけどなー」
F吉「そんなこと言われるとますます気になるよ。教えて。」
I穂は困り果てて何も言えないB美をちらっと見ていたずらっぽく笑った。
I穂「そんなに聞きたいのなら教えてあげる。」
F吉「うん。教えて。」
I穂「F吉さんは対偶って知ってる?」
F吉「ああ、以前B美から聞いたことがあるよ。」
F吉「『PならばQである』が成り立つとき『QでないならPでない』もつねに成り立つってことだよね。」
I穂「そうそう。知ってるなら話は早いわ。」
I穂「B美は『始め良ければ終わり良し』、『終わり良ければすべて良し』って言ったわよね。」
F吉「うん。それで?」
I穂「それぞれの対偶は何か分かる?」
F吉「えっと『終わりが良くなければ始めは良くない』、『すべてがよくなければ終わりは良くない』かな。」
I穂「そう。ところでB美、F吉さんが『僕の小説どうだった?』て聞いたときあなたは何て言ったかしら、」
B美「・・『ちょっと中だるみしてたけど、でも全体として、F吉の個性がにじみ出てたと思う』って言ったわ。」
I穂「つまり中盤はよくなかったってことよね。」
B美「・・・・・」
I穂「中盤が良くないってことは『すべてがよくなければ終わりは良くない』から終わりもよくない。」
I穂「終わりが良くないってことは『終わりが良くなければ始めは良くない』から始めもよくない。」
I穂「つまり始めも中盤も終わりも良くないってことは、全部が良くなかったってB美は言いたかったのよ。」
F吉「えーそんなー!!『予想をはるかに超えてたわ!』『F吉の個性がにじみ出てたと思う』って誉めてくれたのに。」
B美「・・・・『F吉の個性がにじみ出て』『予想をはるかに超えて』良くなかったの」
B美「嘘はつけないけど、以前『ストレート過ぎる』って言われたから。」
takanoha様、こちらはだいたい正解の小説を書き上げてしまったのですが、
>I穂「聞かない方がいいと思うんだけどなー」
の嫌らしさぶりはすごく気に入りました!!
正解編に組み入れさせていただきます。
I穂「F吉さん、B美は『終わり良ければすべて良し』と言ったわね。 だからその対偶も真だと思っているのよ。つまり、 『すべてが良いわけでない小説は終わりが良くない』わけ。 同じようにして、『始め良ければ終わり良し』と言ったんだから、 『終わりが良くない小説は始めも良くない』とB美は思っているの。 この二つの条件から考えると、 『どこかに少しでも良くない点があれば、終わりと始めも良くない』 ということになるわ」
F吉は、以前にB美がI穂に負かされたというエピソードを思い出しながら、 なんとか納得できたようだった。
F吉「ああ、そういうことになるかな」
I穂「そのあとB美はF吉さんの小説を評価して、 『ちょっと中だるみしてた』と言ってるのだから、 始めと終わりに比べて、中盤が良くないと感じたのね。 ということは、良くないところがあるのだから、 終わりと始めも良くないことになるわ。 中盤はそれよりさらに良くないってことね」
F吉「じゃあ全然だめってことじゃないか」
B美「そうじゃないわ、たしかにF吉のは『良い小説』では なかったけど、『だめ』とは思わない。プロじゃないんだし、 そんなに『良い小説』である必要はないわ」
F吉「う、まあいいか」
I穂「そうね、『個性がにじみ出てた』ということはF吉さん らしさが出てたってことだから、B美はF吉さんのことを 『良くない』と思っていて、それに見合った小説だと言ってるわ。 それどころか、『予想をはるかに超えてた』のだから、 本当はF吉さんのことをもっと低く評価してたのね」
B美「そこは違う。予想を超えていたのは長さのことよ」
おお、ttamo様の性格の良さがにじみ出てますな。
ttamo様のI穂はすごく優しいですー。
honzuki様、部分的どころか完全な正解です。おめでとうございます。
黙って逃げるB美萌えー!!