URLより抜粋
プライベートエクイティとは、未公開株式に対する投資全般を意味する。その意味で、上場企業に対するM&A投資やTOB投資はプライベートエクイティではない。今日話題になっている村上ファンドは、主としてTOB投資を行っており、広義な意味でのプライベートエクイティではなく、むしろ上場企業をターゲットにしたバイアウトファンドである。なお、この違いは投資プロセスの様々な局面において重要であり、詳細については後に解説する。
プライベートエクイティは未公開株式をターゲットにし、企業価値を高めて何らかのかたちでエクジットさせ、キャピタルゲインを獲得する。なお、未公開株式をターゲットとする点においてベンチャーキャピタルはプライベートエクイティの一種であると言える。論理集合的な言い方をすればベンチャーキャピタルはプライベートエクイティという集合に含まれ、ベンチャーキャピタルであればプライベートエクイティであるということになろう(ことさらに言うまでもないが、上の命題の逆は真ではない。プライベートエクイティであればベンチャーキャピタルでは必ずしもない)。
プライベートエクイティの一種であるベンチャーキャピタルは、ベンチャー企業の株式という未公開株式に投資を行い、IPOまたはM&Aというエクジットをさせてキャピタルゲインを獲得する。その意味で、ベンチャーキャピタルを成立させる十分条件は、ベンチャー企業に投資を行うということになろう。
このようなことをあえて言うのは、プライベートエクイティの種類は様々であり、それぞれの手法や運用スキームによって投資対象やエクジット方法が大きく違っているからである。例えば、ベンチャーキャピタルのスキームとその他のプライベートエクイティ投資、例えばバイアウト投資といったものを単純に並列して比較し、同様の運用パターンを応用することが必ずしも出来ない。例を挙げると、プライベートエクイティ投資において案件を発掘することは重要なプロセスの一部であるが、ベンチャーキャピタルの案件発掘方法と、バイアウトファンドの案件発掘方法は、恋愛結婚とお見合い結婚ほどの違いがあるのだ。
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