松下電器がトヨタからカーラジオの20%の値下げ要求を受けたときに、
幸之助が 5%のコストダウンは難しいが、20%のコストダウンを行うほうがゼロベース設計を行えるのでかえってやりやすいというようなことをいって実現させたという、ものづくりの話題でけっこう良く出てくる話があります。
http://bizplus.nikkei.co.jp/colm/nakajimat.cfm?i=20061128ck000ck
ものづくり経営学―製造業を超える生産思想/藤本 隆宏 http://www.amazon.co.jp/gp/product/4334033938 より引用
ホンダの自動車づくりについて
「一般的に無駄の排除としていわれるのは、作りすぎの無駄、在庫の無駄など、工程の流動性のなかに発生する無駄を指すが、ホンダでは「資源のない日本では材料を無駄にするな」「切り粉を出すのは無駄である」「苦労するなら前工程」と、ものづくりを素材までさかのぼって考えて、塑形加工を重視する。プレス加工や、インジェクション、ダイカスト製法、精密鍛造をいち早く生産ラインに導入した。市場の変化、商品の多様化対応から、量のみに依存しない、生産効率の高い生産方式が要請されて生まれたのが、ホンダの生産ラインだ。」
「ホンダが作った最初の本格的な車N360は、屋根に当たるルーフパネルを、フロントウインドウからリヤウインドウまで、一体で成形した。側面部品のサイドパネルも、フロントドアから後方まで、一体成形されている。これは、他社には見られない、極めて独自性の高いものである。部品をできるだけ大きく一体成形して、他社が7~8点にもなる部品点数を削減、ドアオープニング及びウインドウ開口部の精度を維持して、品質の安定性を確保する構造である。これが、最後発メーカーの白由度の高さだ。車作りの原点から構造を見極め、さらに、既存設備に影響されない生産体質があればこそ生まれたといえる。プレス機械は投資削減のために4台構成1ライン、溶接点数削減のためにボデイ一体溶接マシンを開発した。」
会社(トップ)のコストダウン思想と、設計に制限を設けない(制限を設けていられない)環境があいまって、自由な思想でのコストダウンが可能になるのでしょう。
モチベーションについて、他人事のように考えていては正解にはたどり着けません。
なぜならば、会社においてはどうしても上位マネージメントの社員に対する考え方、ひいては人間に対する考え方によるからです。そこから乖離したモチベーション向上の「手段」を講じても成果は出ません。
万能の答えはないと思ったほうが、ないものねだりをしなくて済みます。
手法について、知恵が欲しいのであれば、NHKの「プロジェクトX」を見ればいくらでも得られます。彼らの行動の記録を見れば、がんばるための手法の原型は多数得られます。ほとんどの場合が製作者が意図したかどうかわかりませんが載ってます。そしてモチベーションについての多様性についてもご理解いただけると思います。
モチベーションの高い人々の前では、予算は与えられた環境のひとつにしか過ぎないのです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B8%E3%82%A...
なるほど、他にもありそうですね。