基本的に流れた映像は救急車と警察官を遠巻きに撮影した映像などでした。
状況報告程度で何かを恣意的にセンセーショナルに流したりメディアスクラムを行うような映像ではありませんでした。
質問なのですがこれは法的に何か問題があるのでしょうか?
例えば写った人の報道被害?など。起こる可能性のある問題点を法的な側面から教えてください。
リアルタイムの映像にどのような意味があったのかは、撮っていた本人ではなく、見ていた人たちが感じる部分だと思います。
Ustream中継を行っていた時間帯は、民放は通常の放送を行っていて、NHKはエコ番組の合間に断片的な情報を流しているだけでした。
現場の中心部や事件の詳細を写していたわけではありませんが、"現場周辺"がどのような状況にあったのかを、テレビよりも早く的確に伝えていたのではないかと感じました。
中継を見たおかげで、遠く離れた地で見知らぬ人たちが巻き込まれた事件ではなく、自分の身にも起こりうる事件だと感じるようになり、大きな関心を持つようになりました。
まったく逆で「自分の身にも起こりうる事件」だと思ったから中継にこれほどの注目が集まったのではないかな、と思います。
それはともかく、犯人がどこかに潜伏しているというなら全国民に緊急で警告すべきであり、他の番組を潰してでも報道すべきでしょう。しかし犯人は数分で逮捕されているのです。急ぎの報道をする必要があるでしょうか。
もちろん、犯人の動機や社会的な背景について掘り下げた議論は必要です。これに関してはマスメディアのほうががきちんと情報を集めていたと思います。
「編集されていない」「生の情報」にこだわって野次馬的な映像を有難がるのには賛成できません。
編集を加えずにリアルタイムで秋葉原の映像を流す正当な理由があったかどうかというと、私には疑問です。
「何人も、その承諾なしに、みだりにその容ぼう・姿態を撮影されない自由」があるとされています。
しかし、正当な理由があれば撮影も認められるとされています。
もし映像のなかに一般人が写っており、そのひとがプライバシー侵害で民事訴訟を起こした場合、現場の状況を報告するのに映像は必要だったか、という点が争点となるでしょう。
遠巻きに撮る程度で、たいしたものが写っていないのであれば、逆に、何のために撮ったのかということが問題となるのではないかと思います。