各項が正である数列{an}が、任意の自然数nに対して(Σak)^2=Σak^3(Σはk=1からnです)を満た
すとき、anの一般項はan=nと推定される。この推定が正しいことを数学的帰納法を用いて証明せよ。
<質問>
この問題で、場合分けの「n=kのときOK」が使えない理由がいまひとつわかりません。
教えてください。尚、問題のヒントには以下の説明がありましたが、解答例と同様に
よくわかりませんでした。
普通の帰納法でいう「n=kのときOKならば、n=k+1もOK」の「n=kのときOK」を強化して
おく必要がある。和を計算するには、n=1,2,3,,,kの場合を使うからである。
決まりといってしまえば決まりなのですが・・・・。
1+3+5+・・・ +(2n-1)=n^2 (n=1,2,3 ・・・ )
上記のような、nを含む数式を証明する際には、「P(k) が正しいとすれば,P(k + 1) も正しい」ことを証明します。
(与えられた数式にあるのは、nだけです。)
この場合、kは任意の自然数なのですが、あるkという数に固定しているので、正しいと仮定しているのはkのところだけです。
(Σak)^2=Σak^3(Σはk=1からnです)
→(Σan)^2=Σan^3(n=1,2,3 ・・・ )
書き換えると(a1+a2+・・・ +a(n) )^2=a1^3+a2^3+・・・ +an^3
今回のような、数列a(n)を含む数式を証明する際には、「P(1), ..., P(k) が正しいとすれば,P(k + 1) も正しい」ことを証明します。
(与えられた数式にあるのは、a1~anまでのすべてです。)
この場合、先のものと同じくakについてのみ成り立つと仮定すると、その数式に含まれている1~(k-1)については正しくなくても良いことになってしまいます。
そのため、1~kまですべてで成り立つと仮定しておく必要があるのです。
強化とはこのことを言っているものと思います。
自分で書いていて文章が判り難いように思いましたが、判りますでしょうか?
>場合分けの「n=kのときOK」が使えない理由がいまひとつわかりません。
「使えない」のではなく、「不十分」もしくは「足りない」のほうが表現として適当だと思います。
通常、よく使う帰納法の論理展開は
1)k=1の時に成り立つことを示す。(初期段階)
2)k=nの時に成り立つと仮定したときk=n+1の時にも成り立つことを示す。(帰納段階)
ことを証明します。すると
k=1の時成り立つことは1)の証明で保障されている。
上の行よりk=1の時成り立つことはわかったのでk=2の時成り立つことは2)で保障されている。
上の行よりk=2の時成り立つことはわかったのでk=3の時成り立つことは2)で保障されている。
…
ということになり、全ての1以上の自然数について証明されたことになります。
今回の場合は
1)k=1の時に成り立つことを示す。(初期段階)
2)k=1,2,…,nの時に成り立つと仮定したときk=n+1の時にも成り立つことを示す。(帰納段階)
ことを証明することになります。すると
k=1の時成り立つことは1)の証明で保障されている。
ここまででk=1の時成り立つことはわかったのでk=2の時成り立つことは2)で保障されている。
ここまででk=1,2の時成り立つことはわかったのでk=3の時成り立つことは2)で保障されている。
…
ということになり、全ての1以上の自然数について証明されることになります。
さて、この問題を証明するにあたって帰納段階で
を利用すると思います。
これはまでが全て証明されていることを仮定しています。
つまりがわかっているだけでは不十分です。
従って前者の帰納法の論理展開では不十分で、後者の帰納法の論理展開を用いるのが正しいことになります。
整理して書いていただいて、ありがとうございます。
だんだんとわかってきました。
回答をありがとうございます。
まだ「普通のやつ」との違いが見えない状態です。同じに思えてしまいます。
どうして『先のものと同じくakについてのみ成り立つと仮定すると、その数式に含まれている
1~(k-1)については正しくなくても良いことになってしま』うのですか?