ちょっと変なタイトルですが、今年からわが家の一員になった猫のことを書いてみたいと思います。
その猫は比較的最近、うちの周辺に住み着くようになった野良猫でした。もう大人の猫で、野良猫特有の孤高の存在といった感じが漂う、いかにも人慣れしそうにないタイプでした。
時は真冬。東京にもまとまった雪が降ると予報があり、その猫のことが気になりました。駄目で元々と家族と相談してダンボールで仮設猫小屋を作って屋外に置いて、雪の間そこで暖が取れればと、餌も置いて様子を見ていました。
野良猫だからおそらくそういう人工的な物には警戒して入らないだろうと思っていたのですが、こちらの気持ちが通じたのか、見事その中に入ってくれたのです。それがきっかけで、段々と人に馴らして、ついに家の中に入れられるまでになりました。
前置きが長くなりましたが、そうやってわが家の一員になった猫ですので、屋外生活の方がずっと長かったはずの猫なのです。ところが猫飼いビギナーの私は、春になって陽気が良くなってきたので、いい空気を部屋に入れようと、その猫がいる部屋なのに、間違えていつもの調子で窓を全開にしてしまっていたのでした。休日の朝だったので、寝ぼけていたんです。
顔を洗ってリビングに行ってお茶を飲んで、ふと気が付きました。あれ、いつもここにいる猫がいない。そういえばゆうべは一緒に私の部屋で寝ていて…。しまった!まだ猫は私の部屋だ!窓を全開にしてきてしまった!
慌てて部屋に飛んできました。元々が野良猫ですから、外に出てしまえばもう帰ってこなくなってしまうかもしれない。そんな不安が胸をよぎりました。
部屋までほんの数十秒。でもその間に、その猫と過ごした楽しい時間が、それこそ走馬燈のように思い起こされました。心の中で祈りました。あの子がここの家を捨ててまた野良に戻ってしまいませんようにと。
猫は野生動物ではない、猫にとって屋外は危険な環境だから家に入れて家族にしたんだ、猫にとって外は幸せな場所じゃない、だからうちの子にしようとしたんだ、猫がほしかったからじゃない、自分の欲で家に入れたんじゃない、人間の勝手で閉じこめているんじゃない、だから神様お願い!みたいなことを祈りました。そしておそるおそる扉を開けると…。
いました。全開の窓枠の上に乗って、気持ちのいい外の風に当たりながらぺろぺろと背中を舐めて、そして大きなあくびをしていました。呼ぶと、ぎゅぅぅっと背伸びをするような恰好をしてから、トンと窓枠を降りてやって来てくれました。慌てて窓を閉めて一件落着です。
まだ野良の習慣が残っているはずの猫です。逃げようとすればいくらでも逃げられるチャンスがあったのに、この猫は自分の意志でこの家に住むことを選んでくれていたんだとわかりました。その気持ちを考えると、涙が出ました。
もちろん、だからといって、もう安易に逃げ出す危険があることは絶対にしません。猫の安全を守るのは飼い主の責任です。その後全ての窓に小さな猫のアクセサリーを下げて、猫の脱出を防ぐ心構えを忘れないようにすることにしました。今日も猫は生まれた時から家にいるような大きな顔をして、わが家の主人公の地位におさまってくれています。自分の意志で私たちの家を自分の家にしてくれたこの猫を、これからもずっと大切にしていこうと思っています。
ちょっと変なタイトルですが、今年からわが家の一員になった猫のことを書いてみたいと思います。
その猫は比較的最近、うちの周辺に住み着くようになった野良猫でした。もう大人の猫で、野良猫特有の孤高の存在といった感じが漂う、いかにも人慣れしそうにないタイプでした。
時は真冬。東京にもまとまった雪が降ると予報があり、その猫のことが気になりました。駄目で元々と家族と相談してダンボールで仮設猫小屋を作って屋外に置いて、雪の間そこで暖が取れればと、餌も置いて様子を見ていました。
野良猫だからおそらくそういう人工的な物には警戒して入らないだろうと思っていたのですが、こちらの気持ちが通じたのか、見事その中に入ってくれたのです。それがきっかけで、段々と人に馴らして、ついに家の中に入れられるまでになりました。
前置きが長くなりましたが、そうやってわが家の一員になった猫ですので、屋外生活の方がずっと長かったはずの猫なのです。ところが猫飼いビギナーの私は、春になって陽気が良くなってきたので、いい空気を部屋に入れようと、その猫がいる部屋なのに、間違えていつもの調子で窓を全開にしてしまっていたのでした。休日の朝だったので、寝ぼけていたんです。
顔を洗ってリビングに行ってお茶を飲んで、ふと気が付きました。あれ、いつもここにいる猫がいない。そういえばゆうべは一緒に私の部屋で寝ていて…。しまった!まだ猫は私の部屋だ!窓を全開にしてきてしまった!
慌てて部屋に飛んできました。元々が野良猫ですから、外に出てしまえばもう帰ってこなくなってしまうかもしれない。そんな不安が胸をよぎりました。
部屋までほんの数十秒。でもその間に、その猫と過ごした楽しい時間が、それこそ走馬燈のように思い起こされました。心の中で祈りました。あの子がここの家を捨ててまた野良に戻ってしまいませんようにと。
猫は野生動物ではない、猫にとって屋外は危険な環境だから家に入れて家族にしたんだ、猫にとって外は幸せな場所じゃない、だからうちの子にしようとしたんだ、猫がほしかったからじゃない、自分の欲で家に入れたんじゃない、人間の勝手で閉じこめているんじゃない、だから神様お願い!みたいなことを祈りました。そしておそるおそる扉を開けると…。
いました。全開の窓枠の上に乗って、気持ちのいい外の風に当たりながらぺろぺろと背中を舐めて、そして大きなあくびをしていました。呼ぶと、ぎゅぅぅっと背伸びをするような恰好をしてから、トンと窓枠を降りてやって来てくれました。慌てて窓を閉めて一件落着です。
まだ野良の習慣が残っているはずの猫です。逃げようとすればいくらでも逃げられるチャンスがあったのに、この猫は自分の意志でこの家に住むことを選んでくれていたんだとわかりました。その気持ちを考えると、涙が出ました。
もちろん、だからといって、もう安易に逃げ出す危険があることは絶対にしません。猫の安全を守るのは飼い主の責任です。その後全ての窓に小さな猫のアクセサリーを下げて、猫の脱出を防ぐ心構えを忘れないようにすることにしました。今日も猫は生まれた時から家にいるような大きな顔をして、わが家の主人公の地位におさまってくれています。自分の意志で私たちの家を自分の家にしてくれたこの猫を、これからもずっと大切にしていこうと思っています。