【謎解き・等号小説】

【謎解き・等号小説】
ＸとＹには、同じフレーズが入ります。
それを答えてください。

《ナポリタン・許されるのはただ一人》

私は大勢の兄弟達と一緒に、この世に生を受けた。
私達は普通の子供がみなそうするように、
母親の姿を見つけようと、辺りを見回した。
しかし、母親の姿はどこにもなかった。

しばし、新しい世界の空気を味わったのちに、
私達はその場にかたまっていてはいけないと悟り、
全員が全員、てんでばらばらに、散開した。

　もう二度と、兄弟達に出会う事もないだろう。
　私達は一匹狼で生き抜かなければならない宿命なのだ。

　自らの体内から吐き出されたそれは、美しい〔Ｘ〕となって、
　訪問者達の行く手をさえぎり、その生き血をすする。
　そこに生きる事を許されるのは、
　いつだって自分自身、ただ一人だけなのだ。

あるものは、森の中に、あるものは、墓地に、
あるものは、暗がりに浮かぶまばゆい逆光のなかに、
その姿を現した。
しかし、その多くのものは、その場所ゆえに命を落とす事もあった。

私もその巨大な存在に、一度は死を覚悟した。
しかし、彼らは手の中の玉をはじきながら、縁起が良いなどと言って、
私を大切に守ってくれたのだった。

そして私の母がそうしたであろう通りに、
私もいずれ子供達にするのである…。

《論説文・見えるという事》

百聞は一見に如かずというように、
人間にとって「見る」という行為は、その姿を想像するよりも、
はるかに大きなインパクトを人生に与えるものである。

人類の科学の発展は、ただひたすら「それを見たいから」
という理由で発展したと言っても過言ではないだろう。
そのための数々の発明はそれ自体が見るものを驚かせ、
それによって見いだされるものによってまた驚かされるのである。

その偉大な発明の一つに、レンズがある。
レンズは、人間の想像を絶するはるか宇宙の果てを見通すかと思えば、
針の先よりも小さな世界の秘密の営みを我々の目の前にあばくのである。
レンズの発明によって、我々には見る事のできない世界などないと、
人類に錯覚させるほどの衝撃がある。

しかし、レンズは光の届かない世界を見通す事はできなかったのである。
彼らの目には見えない波でしか、彼ら自身の〔Ｙ〕の姿を捉えられないとは、
なんという皮肉だろう！

あらためて読み返すと、ヒント与え過ぎですね、これ。
そもそも、ナポリタンを選択したのが間違いというか（笑）

lionfan様、のっかりありがとうございます。
有効に活用いたします。

【解答編】

〔Ｘ〕と〔Ｙ〕には、「螺旋の糸」が入ります。

ナポリタンの答は、「蜘蛛」です。

> 私は大勢の兄弟達と一緒に、この世に生を受けた。
> しかし、母親の姿はどこにもなかった。

ここは、実は出題ミスだったかもしれません。
母蜘蛛は、自分自身の身体に卵を産みつけ、子供は母親の身体を栄養源に育つ…
と思っていたのですが、合ってますか？

> 全員が全員、てんでばらばらに、散開した。

「蜘蛛の子を散らすように」と言いますね。

> 自らの体内から吐き出されたそれは、美しい〔Ｘ＝螺旋の糸〕となって、
> 訪問者達の行く手をさえぎり、

蜘蛛の巣の事を表しました。

> しかし、彼らは手の中の玉をはじきながら、縁起が良いなどと言って、
> 私を大切に守ってくれたのだった。

商売をする人（そろばんをはじく人）には、蜘蛛は縁起物です。

□

論説文の方は、ＤＮＡの二重螺旋構造の事です。
最初は野口英世にしようかと思ったんですが（黄熱病ウイルスは光学顕微鏡では見えないが、彼の死後に発明された電子顕微鏡でなら見える）、電子顕微鏡の発明によってＤＮＡが二重螺旋構造している事が発見されましたので、こちらにしました。
電子顕微鏡はド・ブロイ波によって観測します。

□

突っ込みや抗議もなさそうですので、終了します。

ポイント配分は、lionfan様ののっかり100ポイントを配分しましたので、ちょっと高めのポイント配分となってしまいました。
両ジャンルで当てはまる回答には50ポイントを配分、正解に一番近かったyo-kunさんには+20ポイント、逆にyuki333zityoさんは論説文ジャンルで「守護霊」はマッチしませんので（論説文でなければよかったんですけども）-20ポイントです。

今回の問題の出来はいまいちでしたが、お楽しみいただけたのなら何よりです。

…と思ったんですが、五十歩百歩という気もしてきましたので、
yuki333zityoさんには、後ほど20ポイント送信しますm(_ _)m