脊髄小脳変性症という病気は今後治る可能性あるんでしょうか?
もしも、治療法が確立されたと仮定して、
一度進行してしまった体幹の不自由な機能は、
改善することって医学的に可能なのでしょうか?
www.mt-pharma.co.jp/general/pdf/spin.pdf
http://www.geocities.jp/msa2002_1001/msa/scd.htm
http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/059.htm
>脊髄小脳変性症という病気は今後治る可能性あるんでしょうか?
一口に脊髄小脳変性症といっても種類が非常に多い(※現在30種類以上?!)ため、全てが同時に解決されることはないでしょう。つまりそれだけ進行や遺伝子異常の部位に多様性があり、現在の医学技術において汎用性が高く効果的な治療法が即時に提供される可能性は限りなく低いといえます。単純な治療メカニズムとしては病変の元となっている遺伝子変異の発現を抑制したり、一部の病的遺伝子を丸ごと正常なものに置き換える方法しかない訳ですが、実際は口で言うほど簡単ではないですし、現在他の疾患でも同様の治療法で成功させようと研究者が躍起になって頑張っているのが現状です。病気の根本原因とと基本的戦略がある程度分かっている事を考えると、治療法が実現するのは必ずしも永遠の未来では無いと思いますが、何年後か?ということになると誰も答えは出せないと思います。
>もしも、治療法が確立されたと仮定して、
>一度進行してしまった体幹の不自由な機能は改善することって医学的に可能なのでしょうか?
総じて変性疾患の場合、神経細胞そのものが急速に死んでしまう病気なので、それ自体が自然回復する可能性は期待できません。となると、新たに神経細胞の元となる細胞を埋め込むような治療(=再生治療)に期待する事になりますが、実際には単に神経細胞が新しいものに置き換わるだけでなく、神経同士のつながり(=シナプス形成)も元通りにする必要があります。しかし、これを復元するのは現時点ではほぼ不可能です。恐らく何千・何万もあるシナプスが自然経過で復元しようとするとそれだけで相当に長い年月がかかるでしょう。個人的に考える将来の治療方針としては、以下のプロセスになると思われます。
1)遺伝子診断での事前発症予測
2)ウイルス注入等の遺伝子治療による発症初期からの進行抑制
3)サポート装置装着による身体機能の補助
特に3)については現在の技術で何とか開発可能な段階に来ていると思いますが、いかんせん開発コストがバカ高くなる可能性があります。例えば、仮に軽症用サポートスーツが1000万円(※しかも医療保険使用不可!)で発売されるようになった時にどれだけの患者さんが入手できるかということになると、ちょっと実用品とは言いがたいですよね?結局はこれらの治療計画も誰かさんがビジネスとして成立させる為の下準備が整うまで待つ必要があります。その辺の問題がクリアーできれば、こういった難病患者さん達のサポート医療は今すぐにでも飛躍的に発展すると確信していますが。
御粗末さまでした。
詳しいご説明ありがとうございます。