あくびが発生する原因や生物学的意義は、現時点では未解明である。従来、肺での酸素-二酸化炭素交換を高める、顔面のストレッチ、内耳の圧力を外気と調整する、などの仮説が提案されてきた。 より最近の学説としては、あくびは体温の調節に使われるという説もある。オルバニー大学の Gordon G. Gallup らによれば、あくびは脳の温度を調節する働きがあるかもしれないという。
延髄以外の脳がない新生児においてもあくびが起こったという例が報告されていることから、あくびの中枢は延髄に存在すると推測されている。
あくびは、感情の調節などにも関与する神経伝達物質によって引き起こされることもある。例えば、ドパミン、セロトニンやアセチルコリン受容体などの刺激によりあくびが引き起こされる。
セロトニン系の働きを促進する抗うつ薬の一種であるパロキセチンを服用した患者は、異常に多い回数のあくびをする場合がある。 反対に、エンドルフィンのような脳内麻薬(オピオイド)の働きによって、あくびの発生が抑えられるという研究がある。
あくびは「うつる (伝染する)」ことが知られている。英語ではこの特徴は「共鳴的 (sympathetic)」あるいは「伝染性 (contagious)」と呼ばれているが、この原因もよくわかっていない。最近の研究では、これは集団的な直感 (herd instinct) であるという説や、群居性の動物のあいだで眠る時間を互いに知らせるためのシグナルになっているという説がある。また、あくびは違う種のあいだでも伝染する (イヌの前であくびをしてみるとよい)なお、アデリーペンギンやコウテイペンギンは求愛行為としてあくびを利用する。
2007年に行われた研究によれば、自閉的傾向をもつ子供は通常の子供とは違って、他人があくびをするビデオを見せてもあくびをしないという。このことは、あくびが他人に感情移入する能力 (empathy) によって引き起こされるという説を裏付けている。また、顔は見えずとも電話で話している最中のあくびも伝染してしまったという報告もある。
古代ギリシャでは、あくびは人間の魂が天に向かって逃げようとしているときに起こるのだと信じられていた。 あくびをするとき、口に手をあてるのは、『魂を逃がさないようにする為だった』と言われている。
http://anmin-kaimin.net/archives/20/55/001418.html
あまりに頻繁にあくび(生あくび)が出て止まらない場合は、病気であることも疑う必要がありますが、そうでない場合、会議などで話の内容が面白くないときや退屈なときなどにも、あくびが出ます。
これらはどういう状況かといいますと、共通しているのは「脳の活動レベルが低下している」ということです。URLをごらん下さい。
あくびは、ねむくなったとき、つかれがでたとき、たいくつしたとき、それから、部屋(へや)の空気(くうき)が悪(わる)くなったときなどにでることが多(おお)いようです。
これらに共通(きょうつう)しているのは、こういうときの脳(のう)(のう)は働(はたら)きがにぶくなり、通常(つうじょう)の活動(かつどう)をしていないということです。おそらく、これがあくびがでる原因(げんいん)と思(おも)われます。しかし、なぜ、脳(のう)の働(はたら)きがにぶくなると、あくびがよくでるのかについては、いまのところ、まだよくわかっていません。
ここから先(さき)は想像(そうぞう)になるのですが、たぶんあくびをするときの動作(どうさ)と関係(かんけい)があるようです。あくびには、大(おお)きな口(くち)をあけることと、息(いき)をはきだすのではなく強(つよ)くすいこむという、ふたつの大(おお)きな特徴(とくちょう)(とくちょう)があります。
まず、口(くち)を大(おお)きくあけることから考(かんが)えてみましょう。このとき、ふつうでは動(うご)かさないような筋肉(きんにく)(きんにく)を、思(おも)いきり動(うご)かしています。つまり、神経(しんけい)(しんけい)を使(つか)って脳(のう)を強(つよ)く刺激(しげき)(しげき)して、にぶくなっている脳(のう)の活動(かつどう)を活発(かっぱつ)にしようとしているのです。
次(つぎ)に息(いき)を強(つよ)くすいこむことによって、新(あたら)しい酸素(さんそ)(さんそ)をたくさん血液(けつえき)の中(なか)に送(おく)りこみ、脳(のう)をはじめ体(たい)の全体(ぜんたい)を活性化(かっせいか)させています。
つまり、あくびは、何(なに)かの原因(げんいん)で、一時的(いちじてき)ににぶくなった脳(のう)や体(からだ)に、また活動(かつどう)をさせる働(はたら)きをしているといえそうです。
* あくびの役割 *
眠い時とか、眠くなる話を聞いたりしている時ってあくびがでますよね。これは、酸素不足で眠くなった脳に酸素を送り込むための反応じゃないんですよ。
あくびを思いっきりした時の体の姿勢を思い出してみると、口を開けるのと同時に、手足や体を伸ばしていることがほとんどでしょう?口を大きく開けると口の周りの筋肉が強く引き伸ばされ、さらに体の筋肉が引き伸ばされることで、筋肉の中の感覚受容器にインパルス(電気刺激のこと)が発生します。
意識をコントロールして覚醒させている脳の部分は網様体(もうようたい)です。退屈になったり、眠くなったりすると網様体の活動が低下します。この網様体に対して末梢の筋肉の中の感覚受容器から発生したインパルスを送り込み覚醒状態を保っておく働きがあるんです。
猫にもよく見られますけど、昼寝からさめると手足(全部足か?)を伸ばしているでしょう。これなんかも、完全に目を覚ますための行動なんでしょうね。あくびの時にする背伸ばしは、無意識に行う一種のストレッチ体操です。あくびは思いっきりしたほうが効果がありそうですよ。
あくびは「寝不足」や「退屈」などを象徴するものとされており、話を聞いているときや大切な会議などであくびをすることは、不謹慎で相手を軽視しているととられがちです。どうして眠くなってきたときや退屈なときにあくびが出るのかというと、脳の活動レベルが低下しているからなのです。眠気を感じるのは脳が疲れてきている表れなので、当然脳の活動レベルは低下しています。また、興味がある話を聞いている時は脳の活動は活発ですが、そうでなければ脳の活動レベルは低下してきます。会議中にあくびをしている人を見て自分もあくびが出たということを経験したことはありませんか? 「あくびがうつる」とよくいわれますが、実際のところはその場にいる人の多くが、脳の活動レベルが低下している状態にあるということなのです。
あくびは呼吸運動の一種で、血液の循環が悪くなり二酸化炭素濃度が高くなると脳への酸素供給のために行われます。あくびをするときは、口を大きく開いて多くの空気を吸い込み、引き続いて素早く息を吐き出します。これは、空気を取り入れるとともに、口を大きく開くことであごの筋肉が強く伸ばされ、脳への刺激になるからです。ですから、出かかったあくびを無理に止めることは気持ちのよいことではなく、許される環境であるならば「あくびをかみ殺す」のはやめた方がよいでしょう。あくびの対策としては、深呼吸を一日に何度かしっかりするようにします。ゆっくり深い呼吸をすることで体内に酸素をいっぱい送り込むと、脳はスッキリします。
あくびがよく出る原因としては、職場がビルの中にあり、窓は閉めっぱなし、冷暖房はつけっぱなしなどで職場の空気が汚染されている場合や、生活スタイルに問題があって十分な休息が取れていない場合などが考えられます。窓を数分間開けて適度に換気することや空気清浄機を取り付けることが対策として挙げられます。朝起きたときに疲れが残っていたり、寝つきが悪かったり、夜中に何度も目が覚めたりするようなことがある人は、十分な休息を取ることができれば、あくびとともにこのような症状も良くなっていきます。また、喫煙者は禁煙するようにしましょう。タバコの煙に含まれる一酸化炭素をはじめとする有害物質やニコチンによる血管収縮作用で血流が悪くなると、酸素やエネルギーが全身に行き渡りにくくなります。
あくびは一般的な症状ですが、頻繁にあくびが出て止まらないときは、病気のサインであることもあります。例えば、心不全などで血流がうまく循環していない場合や、脳卒中の予兆、脳炎や舞踏病などの脳の疾患がある場合に、あくびを頻繁にすることがあります。また、睡眠時無呼吸症候群などの睡眠障害でもあくびにつながります。もし気になることがあれば内科を受診して相談するとよいでしょう。
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