わかる方がいたら詳しく教えていただけませんか?
問 慢性の呼吸不全の時に高濃度酸素を投与したらどうなるか?
選択肢には過換気症候群・CO2アシドーシス・睡眠時無呼吸症候群・気管支喘息
がありましたが・・・正式なものではなく
宿題の練習問題なので選択肢自体に間違いがあるかもしれません。
お願い致します
まず慢性呼吸不全の定義とそれを呈するような病態をきちんと把握しましょう。
慢性呼吸不全:
http://www.masa.go.jp/res/files/resQnA/CRF/CRF_definition.html
http://www.hosp.go.jp/~mfukuoka/crf/crf.htm
まず低酸素状態であることに加えて、PaCO2によって大きく二つに分けられることを覚えておきましょう。一般には、「COPD(肺気腫および慢性気管支炎)」「気管支拡張症」「間質性肺炎」などが挙げられています。いずれも気管支および肺胞壁に異常が生じて慢性的な低換気状態となり、気道経由でのガス交換、とりわけO2の取り入れよりもCO2の排出が滞っている状態です。
>選択肢には過換気症候群・CO2アシドーシス・睡眠時無呼吸症候群・気管支喘息
これらについても、病態をきちんと把握しておく必要があります。
過換気症候群:
http://akimichi.homeunix.net/~emile/aki/html/medical/respiratory...
http://100.yahoo.co.jp/detail/%E9%81%8E%E6%8F%9B%E6%B0%97%E7%97%...
http://med-legend.com/mt/archives/2005/02/post_493.html
精神的ストレス等で頻回に呼吸を繰り返されると血液中のCO2がどんどん排出されて血液がアルカリ性になる(=呼吸性アルカローシス)わけですが、これによって血管が収縮し、交感神経の興奮が促されて更なる頻呼吸とパニック感を引き起こす状態です。血液中のO2は十分にありますが、CO2が足りないので緩やかに血液中にCO2を戻す必要があります。そのため、自らが吐き出した空気を再び吸わせること(=ペーパーバッグ法)で少しずつ体内にCO2を戻してあげつつ、不安を取り除いてあげることが必要です。
CO2アシドーシス:->CO2ナルコーシス?
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%B7%E3%83%89%E3%83%B...
既に重度の慢性呼吸不全であればCO2によって血液は酸性に傾いていますのでアシドーシスといえますが、これについては省略します。この慢性高炭酸ガス血症が遷延すると、大脳ニューロンの活動が鈍って意識レベルの低下を来たします。
睡眠時無呼吸症候群:
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9D%A1%E7%9C%A0%E6%99%82%E7%84%A...
睡眠中の気道閉塞によって頻回に低酸素状態となり、その結果として、起床後も倦怠感が残ったり、睡眠発作様の意識消失を来たしたりします。肺胞壁の機能異常はないので、睡眠中の気道確保および陽圧での酸素投与を行えば症状が改善します。
気管支喘息:
気管支壁の慢性炎症によって一回換気によって肺内に取り入れられる空気量が減少し、その結果低酸素血症となって呼吸困難を来たす疾患です。肺胞壁自体の機能は正常なので、十分な酸素を送り込めば血液の酸素化を保つことができます。あとは気管支の炎症を抑える治療が必要です。
>慢性の呼吸不全の時に高濃度酸素を投与したらどうなるか?
http://www.medicmedia.com/informa/byomie/20080807.html
”O2が足りていないのだから、O2をたくさんあげなきゃ!”これはごく自然な考えですが、この考えだけで十分なのか?というところまで考えるのが大切です。判断の分かれ目は”そのままの状態でCO2をちゃんとコントロールできているか?”という点なのですが、ここに気付く為には呼吸の生理学的意義の理解と先ほどの慢性呼吸不全の場合分けをしておく必要があります。
一般に人体には急激な高炭酸ガス状態になると呼吸を促進させるシステムがありますが、PaO2が十分高い間はその働きが弱まります。I型であればまだCO2の許容には余裕がありますので、高濃度酸素を与えても問題となることはあまりありません。
しかし、II型の場合は既に高炭酸ガス血症のリスクがありますので、ここで高濃度酸素を投与されると呼吸を促進させるシステムが弱まり、体内の炭酸ガスが更に異常に高まります。これによって中枢神経系の血流低下やCO2自体の麻酔作用(?)、血液の更なる酸性化等により「CO2ナルコーシス」となる場合があります。
看護学1年生での問題であれば、「CO2ナルコーシス」の1択で正解だと思います。
生理学の教科書と病態生理の解説がきちんと書かれた医学参考書を入手すれば、後は調べ方次第です。
勉強頑張ってくださいね。
慢性呼吸不全では低酸素血症が呼吸の刺激因子となりますが、高濃度の酸素投与は換気刺激を消失させるため、PaCO2を上昇させます。その結果、呼吸性アシドーシスをきたします。
選択肢の中では「CO2アシドーシス」が正解だと思います――正式な用語なのかどうか分かりませんが、「呼吸性アシドーシス」と同義だと解釈しました。
解りやすくご説明していただきありがとうございます。
呼吸性アシドーシスの定義も再学習してみます。
答えはCO2 アシドーシス(CO2 ナルコーシス)です。
通常状態ですと、人間の呼吸は酸素と二酸化炭素の血液中の濃度(分圧)を一定に保つように働きます。
なんらかの理由で呼吸状態が悪くなると、血中二酸化炭素濃度が上昇します。(高二酸化炭素状態)このような場合に、二酸化炭素を沢山排泄するような呼吸状態にスイッチされます。具体的には、1回換気量が増えたり(大きな呼吸をする)、呼吸回数が増えたりします。こうして通常呼吸時よりも、二酸化炭素を排泄して、酸素を取り込むわけです。これが健康な人間の反応です。
しかし、慢性呼吸不全の患者では、通常の呼吸状態でも二酸化炭素を十分に排泄することができていません。(肺内にトラップされているため、十分な呼気が確保できません。このため、閉塞性肺疾患と呼ばれるわけです。)こうした人々が呼吸状態が悪くなっても、元から二酸化炭素が蓄積しているため、これが呼吸状態を改善するスイッチにはならないのです。そのかわり、酸素濃度が少なくなることを感知して、1回換気量を増やしたり(大きな呼吸をする)、呼吸回数を増やしたりするわけです。
このようにして、呼吸状態を保っている(血液中の酸塩基平衡を保っている)患者に、必要以上の酸素を投与したらどうなるでしょうか?
患者の呼吸中枢は、「酸素が十分あるから、呼吸は頑張らなくてもいいや」となって、十分な呼吸を行わずサボってしまいます。その結果、ただでさえ蓄積していた二酸化炭素濃度が更に上昇し、酸性血症(アシドーシス)が増悪するわけです。こうなると、意識状態が悪くなり、そして呼吸状態も悪くなるという悪循環に陥ります。こういった病態をCO2 アシドーシス(ナルコーシス)と呼ぶのです。
ですから、元々 二酸化炭素が蓄積している患者に、不用意に高濃度酸素を投与しないように注意が必要です。
N1の学生さんには少し難しいかもしれませんが、こちらもご覧ください。
学校の教科書ではわかりにくい部分がよく理解できました。
医療系は専門用語が多くどこを調べても解りにくかったのでとても助かりました。
解りやすくご説明いただきありがとうございました。
CO2アシドーシス
∵
>慢性呼吸不全においては、低酸素血症が呼吸の刺激因子となっている。このため高濃度の酸素投与は換気刺激を消失させ、PaCO2 を上昇させるので注意が必要。
http://www.nms.co.jp/QQ/kokyu2.html
>PCO2とは血液のCO2分圧のこと つまり、血液の中の二酸化炭素の圧です。
http://diary.cgiboy.com/d01/a592434495/index.cgi?d=31&y=2004&m=8
>呼吸性アシドーシスは呼吸不全によって二酸化炭素が体内に蓄積したために起こるアシドーシスである。これはPaCO2の上昇する病態の存在が考えられる。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%B7%E3%83%89%E3%83%B...
解りやすくご説明いただきありがとうございます
まず慢性呼吸不全の定義とそれを呈するような病態をきちんと把握しましょう。
慢性呼吸不全:
http://www.masa.go.jp/res/files/resQnA/CRF/CRF_definition.html
http://www.hosp.go.jp/~mfukuoka/crf/crf.htm
まず低酸素状態であることに加えて、PaCO2によって大きく二つに分けられることを覚えておきましょう。一般には、「COPD(肺気腫および慢性気管支炎)」「気管支拡張症」「間質性肺炎」などが挙げられています。いずれも気管支および肺胞壁に異常が生じて慢性的な低換気状態となり、気道経由でのガス交換、とりわけO2の取り入れよりもCO2の排出が滞っている状態です。
>選択肢には過換気症候群・CO2アシドーシス・睡眠時無呼吸症候群・気管支喘息
これらについても、病態をきちんと把握しておく必要があります。
過換気症候群:
http://akimichi.homeunix.net/~emile/aki/html/medical/respiratory...
http://100.yahoo.co.jp/detail/%E9%81%8E%E6%8F%9B%E6%B0%97%E7%97%...
http://med-legend.com/mt/archives/2005/02/post_493.html
精神的ストレス等で頻回に呼吸を繰り返されると血液中のCO2がどんどん排出されて血液がアルカリ性になる(=呼吸性アルカローシス)わけですが、これによって血管が収縮し、交感神経の興奮が促されて更なる頻呼吸とパニック感を引き起こす状態です。血液中のO2は十分にありますが、CO2が足りないので緩やかに血液中にCO2を戻す必要があります。そのため、自らが吐き出した空気を再び吸わせること(=ペーパーバッグ法)で少しずつ体内にCO2を戻してあげつつ、不安を取り除いてあげることが必要です。
CO2アシドーシス:->CO2ナルコーシス?
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%B7%E3%83%89%E3%83%B...
既に重度の慢性呼吸不全であればCO2によって血液は酸性に傾いていますのでアシドーシスといえますが、これについては省略します。この慢性高炭酸ガス血症が遷延すると、大脳ニューロンの活動が鈍って意識レベルの低下を来たします。
睡眠時無呼吸症候群:
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9D%A1%E7%9C%A0%E6%99%82%E7%84%A...
睡眠中の気道閉塞によって頻回に低酸素状態となり、その結果として、起床後も倦怠感が残ったり、睡眠発作様の意識消失を来たしたりします。肺胞壁の機能異常はないので、睡眠中の気道確保および陽圧での酸素投与を行えば症状が改善します。
気管支喘息:
気管支壁の慢性炎症によって一回換気によって肺内に取り入れられる空気量が減少し、その結果低酸素血症となって呼吸困難を来たす疾患です。肺胞壁自体の機能は正常なので、十分な酸素を送り込めば血液の酸素化を保つことができます。あとは気管支の炎症を抑える治療が必要です。
>慢性の呼吸不全の時に高濃度酸素を投与したらどうなるか?
http://www.medicmedia.com/informa/byomie/20080807.html
”O2が足りていないのだから、O2をたくさんあげなきゃ!”これはごく自然な考えですが、この考えだけで十分なのか?というところまで考えるのが大切です。判断の分かれ目は”そのままの状態でCO2をちゃんとコントロールできているか?”という点なのですが、ここに気付く為には呼吸の生理学的意義の理解と先ほどの慢性呼吸不全の場合分けをしておく必要があります。
一般に人体には急激な高炭酸ガス状態になると呼吸を促進させるシステムがありますが、PaO2が十分高い間はその働きが弱まります。I型であればまだCO2の許容には余裕がありますので、高濃度酸素を与えても問題となることはあまりありません。
しかし、II型の場合は既に高炭酸ガス血症のリスクがありますので、ここで高濃度酸素を投与されると呼吸を促進させるシステムが弱まり、体内の炭酸ガスが更に異常に高まります。これによって中枢神経系の血流低下やCO2自体の麻酔作用(?)、血液の更なる酸性化等により「CO2ナルコーシス」となる場合があります。
看護学1年生での問題であれば、「CO2ナルコーシス」の1択で正解だと思います。
生理学の教科書と病態生理の解説がきちんと書かれた医学参考書を入手すれば、後は調べ方次第です。
勉強頑張ってくださいね。
最初から細かく教えていただきありがとうございます。
定義をはっきりすると根拠が見えるので自信もつきました。再学習にいかしていきたいです。
最初から細かく教えていただきありがとうございます。
定義をはっきりすると根拠が見えるので自信もつきました。再学習にいかしていきたいです。