木酢液や竹酢液は、木や竹を炭にする時に出る煙から採取する酸性の液体のことです。成分の中心は酢酸・プロピオン酸などの酸類、アルコール類、フェノール類などですが、その他様々な原料由来の成分が含まれ、それらの成分には殺菌作用や土壌中の微生物を増殖させる働きなど、様々な効用があるとされています。
植物から作られる物質ですから園芸などに有用で、たとえば50~100倍に薄めた水溶液を植付け前の土壌にごく微量施してよく混和しておくと、土壌微生物が活性化して良い土になります。土壌改良材として木炭を砕いた物を併用するとさらに効果的です。
木酢液や竹酢液の微生物に対する効果は堆肥の発酵促進にも使えます。同じく50~100倍くらいの薄い水溶液を散布します。濃度が濃かったり量が多すぎると逆に殺菌効果の方が目立ってせっかくの微生物が死んでしまいますから、薄めた物をごく少量が基本です。
植物への葉面散布も効果があります。濃度は500~1000倍という、もう本当に入っているのかいないのかわからないくらいに薄めた物を使います。作物の生理代謝が促進されます。葉物野菜は収穫2週間前に1回、果菜類は収穫期に入ってから月に2~3回程度の頻度で散布します。ただし花を楽しむ植物は花弁が変色する恐れがあります。また石灰硫黄合剤やボルドー液などの、特に塩基性の農薬とは混用できません。これは酸性液なのですから当然ですね。
暮らしの中では、木酢液や竹酢液が持つ脱臭・殺菌効果も見逃せません。薄い水溶液は微生物を育てますが、10~50倍くらいの比較的濃い水溶液にすると、逆に殺菌成分などの効果が目立ち始めるのです。ゴミや汚水桝などの悪臭に適します。ゴミなどにはスプレー容器に入れて直接散布するといいでしょう。ハエなどを寄せ付けたくない場合は直接原液をスプレーしても構いません。散布後は袋の口を閉じる、蓋を被せるなどして密封しておくと、効果がゴミの内部まで浸透します。
暮らしの中の木酢液や竹酢液の効果としては、この生物忌避効果も見逃せませんね。これは主に薫臭による効果で、犬・猫などの哺乳動物の他、ヘビなどの爬虫類や昆虫をはじめとする節足動物にも効果があります。寄せ付けたくない場所に原液をスプレーしてください。時間がたつと揮発してしまいますので、週一回くらいの割合でスプレーします。ただしかなり臭いが強いですから、屋外での使用にはご近所の方の了解を得ておくことが大切です。
このように有用な木酢液や竹酢液ですが、これらには3,4-ベンゾピレン1,2,5,6-ジベンズアントラセン、3-メチルコールアントレンなどの有害物質が含まれる可能性がありますから、私は人体へ直接使用する方法はお勧めしません。
こうした有害な物質は原木の種類によってもたらされることがあります。薫蒸して有害な物質が現れることが明らかな素材は元から除外されるでしょうが、コストダウンを狙って海外で生産されたり、輸入木材が原料にされたりすると、安全性は保証されにくくなってしまいます。抜き取り検査で安全だという結果が出ても、それで全ての製品の安全が確認されるわけではないことに注意が必要です。
最近は建築廃材を利用して採取された木酢液もありますが、こうした物は塗料や防虫剤などの燃焼したガスに汚染されている可能性があり注意が必要です。
また有害な物質が出やすい採取条件というものもあり、窯の温度が摂氏425度、あるいは煙の温度が排煙口で摂氏150度を超えると、前述のような有害物質が急増する可能性があるそうです。
さらに製造設備の不備、たとえば採取装置や容器に非耐酸性の材料が使われていたりすると、それらから原料由来でない有害物質が溶出するおそれもあります。
木酢液や竹酢液は医薬品や食品として製造されているわけではありませんから、過度の「健康神話」みたいなものを盲信する使い方は禁物だと思いますが、正しい使い方をしていけば、暮らしにとても役立つ製品です。国産の炭焼きと結びついた製品なら、それを愛用することで日本の林業を応援することにもつながります。原料や生産者、安全性検査などの項目をよく確かめて、信頼できる製品を購入してください。木酢液や竹酢液に加えて炭も愛用していくと、樹木の恵みをあますところなくもらえる暮らしができると思います。
木酢液や竹酢液は、木や竹を炭にする時に出る煙から採取する酸性の液体のことです。成分の中心は酢酸・プロピオン酸などの酸類、アルコール類、フェノール類などですが、その他様々な原料由来の成分が含まれ、それらの成分には殺菌作用や土壌中の微生物を増殖させる働きなど、様々な効用があるとされています。
植物から作られる物質ですから園芸などに有用で、たとえば50~100倍に薄めた水溶液を植付け前の土壌にごく微量施してよく混和しておくと、土壌微生物が活性化して良い土になります。土壌改良材として木炭を砕いた物を併用するとさらに効果的です。
木酢液や竹酢液の微生物に対する効果は堆肥の発酵促進にも使えます。同じく50~100倍くらいの薄い水溶液を散布します。濃度が濃かったり量が多すぎると逆に殺菌効果の方が目立ってせっかくの微生物が死んでしまいますから、薄めた物をごく少量が基本です。
植物への葉面散布も効果があります。濃度は500~1000倍という、もう本当に入っているのかいないのかわからないくらいに薄めた物を使います。作物の生理代謝が促進されます。葉物野菜は収穫2週間前に1回、果菜類は収穫期に入ってから月に2~3回程度の頻度で散布します。ただし花を楽しむ植物は花弁が変色する恐れがあります。また石灰硫黄合剤やボルドー液などの、特に塩基性の農薬とは混用できません。これは酸性液なのですから当然ですね。
暮らしの中では、木酢液や竹酢液が持つ脱臭・殺菌効果も見逃せません。薄い水溶液は微生物を育てますが、10~50倍くらいの比較的濃い水溶液にすると、逆に殺菌成分などの効果が目立ち始めるのです。ゴミや汚水桝などの悪臭に適します。ゴミなどにはスプレー容器に入れて直接散布するといいでしょう。ハエなどを寄せ付けたくない場合は直接原液をスプレーしても構いません。散布後は袋の口を閉じる、蓋を被せるなどして密封しておくと、効果がゴミの内部まで浸透します。
暮らしの中の木酢液や竹酢液の効果としては、この生物忌避効果も見逃せませんね。これは主に薫臭による効果で、犬・猫などの哺乳動物の他、ヘビなどの爬虫類や昆虫をはじめとする節足動物にも効果があります。寄せ付けたくない場所に原液をスプレーしてください。時間がたつと揮発してしまいますので、週一回くらいの割合でスプレーします。ただしかなり臭いが強いですから、屋外での使用にはご近所の方の了解を得ておくことが大切です。
このように有用な木酢液や竹酢液ですが、これらには3,4-ベンゾピレン1,2,5,6-ジベンズアントラセン、3-メチルコールアントレンなどの有害物質が含まれる可能性がありますから、私は人体へ直接使用する方法はお勧めしません。
こうした有害な物質は原木の種類によってもたらされることがあります。薫蒸して有害な物質が現れることが明らかな素材は元から除外されるでしょうが、コストダウンを狙って海外で生産されたり、輸入木材が原料にされたりすると、安全性は保証されにくくなってしまいます。抜き取り検査で安全だという結果が出ても、それで全ての製品の安全が確認されるわけではないことに注意が必要です。
最近は建築廃材を利用して採取された木酢液もありますが、こうした物は塗料や防虫剤などの燃焼したガスに汚染されている可能性があり注意が必要です。
また有害な物質が出やすい採取条件というものもあり、窯の温度が摂氏425度、あるいは煙の温度が排煙口で摂氏150度を超えると、前述のような有害物質が急増する可能性があるそうです。
さらに製造設備の不備、たとえば採取装置や容器に非耐酸性の材料が使われていたりすると、それらから原料由来でない有害物質が溶出するおそれもあります。
木酢液や竹酢液は医薬品や食品として製造されているわけではありませんから、過度の「健康神話」みたいなものを盲信する使い方は禁物だと思いますが、正しい使い方をしていけば、暮らしにとても役立つ製品です。国産の炭焼きと結びついた製品なら、それを愛用することで日本の林業を応援することにもつながります。原料や生産者、安全性検査などの項目をよく確かめて、信頼できる製品を購入してください。木酢液や竹酢液に加えて炭も愛用していくと、樹木の恵みをあますところなくもらえる暮らしができると思います。