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祖父から次世代へ受け承がれる技術・・・竹の孫の手
wacm2009/03/02 17:40:031pt
私の祖父は自分の手でものを作るのが大好き。明治生まれの人は休むことなく働き続けます。風呂のタイルや表札、果ては物置小屋まで自分で作ってしまったほどでした。危険なのでよせばいいのに、屋根に上ってペンキを塗ったり、トタンに防食剤を塗るのですが、家族には黙っているのでした。家族のため、家族が幸せに暮らすために、そんな一生懸命な祖父が私は大好きでした。
そんな祖父が私を膝に乗せて、教えてくれた技術があります。それは、「孫の手」を作る方法。孫の手は背中をかくのに役立つアレです。年を取るとどうしても肌が乾燥し、背中も洗うのが不便となり、背中がかゆくなってしまいます。年を取ったときのかゆみは若いときのかゆみと比べて相当深刻です。なぜならば、若い人や赤ちゃんの肌は何事にも敏感なのに対して、お年寄りのかゆみというのは肌を何回もかいてしまうため炎症、肌割れ、出血と当時の幼心には孫の手が必要なものがようやく理解できるものでした。
作り方は単純。まず、必要なものは竹、ナイフ、半紙、鉛筆、バーナー。1/1縮尺の半紙にだいたいの孫の手の大きさをスケッチします。上手な人になるとそのまま作ることができますが、下書きを作っておけば安心です。まず、一番大切な「手先」ここは「指」の数を3~4本にします。間隔は4~5mm程度。そして、握る部分は大体50センチ程度。手先を大きくするために持ち手の部分を手先よりも幅を狭くします。そこまでできたら、今度は孫の手の「指先」を曲げます。竹なのでバーナーでも構いませんし、ろうそくの炎ですと長時間辛抱する必要があります。私の祖父はガスコンロで曲げていました。ここが孫の手を作るときの一番の技術の発揮どころです。曲げすぎない、曲げずにいるとかゆさに効果がない。少しずつ、少しずつ慎重に曲げていきます。竹は熱を加えると折れてしまうことがあります。フォークのようになったら、ほぼ完成です。あとは、自分の好きなように全体をあぶるなどして色を付けて下さい。時間は2時間あれば完全にできます。
大切な資源をムダにはできません、これは祖父からの教えです。もちろん、竹だけでなく食材、時間何事にもおいてそうです。祖父から教えてもらった孫の手作りは私にとって単なるものづくり以上のものを学んだ貴重な機会でした。いまでも、私の実家には2本の孫の手がありますが、それは私の祖父直伝の作り方です。明治の頃の人は自分でわらじも作ることができるし、縄も縫うことができます。いまの世代の人も負けてはおれません。何かをすること以上のものを次の世代に伝える、それが私たちのできる財産でもありますし、次世代への責務・使命でもあると考えます。
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私の祖父は自分の手でものを作るのが大好き。明治生まれの人は休むことなく働き続けます。風呂のタイルや表札、果ては物置小屋まで自分で作ってしまったほどでした。危険なのでよせばいいのに、屋根に上ってペンキを塗ったり、トタンに防食剤を塗るのですが、家族には黙っているのでした。家族のため、家族が幸せに暮らすために、そんな一生懸命な祖父が私は大好きでした。
そんな祖父が私を膝に乗せて、教えてくれた技術があります。それは、「孫の手」を作る方法。孫の手は背中をかくのに役立つアレです。年を取るとどうしても肌が乾燥し、背中も洗うのが不便となり、背中がかゆくなってしまいます。年を取ったときのかゆみは若いときのかゆみと比べて相当深刻です。なぜならば、若い人や赤ちゃんの肌は何事にも敏感なのに対して、お年寄りのかゆみというのは肌を何回もかいてしまうため炎症、肌割れ、出血と当時の幼心には孫の手が必要なものがようやく理解できるものでした。
作り方は単純。まず、必要なものは竹、ナイフ、半紙、鉛筆、バーナー。1/1縮尺の半紙にだいたいの孫の手の大きさをスケッチします。上手な人になるとそのまま作ることができますが、下書きを作っておけば安心です。まず、一番大切な「手先」ここは「指」の数を3~4本にします。間隔は4~5mm程度。そして、握る部分は大体50センチ程度。手先を大きくするために持ち手の部分を手先よりも幅を狭くします。そこまでできたら、今度は孫の手の「指先」を曲げます。竹なのでバーナーでも構いませんし、ろうそくの炎ですと長時間辛抱する必要があります。私の祖父はガスコンロで曲げていました。ここが孫の手を作るときの一番の技術の発揮どころです。曲げすぎない、曲げずにいるとかゆさに効果がない。少しずつ、少しずつ慎重に曲げていきます。竹は熱を加えると折れてしまうことがあります。フォークのようになったら、ほぼ完成です。あとは、自分の好きなように全体をあぶるなどして色を付けて下さい。時間は2時間あれば完全にできます。
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