あんまりな扱いにちょっといたたまれないんですけど。
これが正しい「坊ちゃん」のあらすじ。
人生適当に流れで教師になって松山に赴任した坊ちゃんが、なんだこのド田舎は、どんくさいやつらばかり、やっぱり東京がいい、温泉しかないじゃないか、飯もまずいし、なまり丸出しのくそガキどもなんかどうでもいい、同僚もバカばっかりだ、情もカケラもありゃしない、キモイ踊りしやがっておかげで職を失ったじゃないか、ウホッ山嵐先生、ああ、婆やに会いたいなあと、毎日愚痴ばっかりで過ごした短い間のお話。夏目先生次回作にご期待ください、ってな終わり方。
「坊ちゃん」に対する松山の人の感想をいくつか集めてみました。どうやら、松山の人は度量が広いようです。
最後のURLは、アンケート調査のようです。
・坊っちゃん (夏目漱石) - 本の迷宮
>昔、子供の頃初めて「坊っちゃん」を読んだ時、舞台である松山の事を思い切り田舎だと馬鹿にしてるじゃないか!!と思った。ちょっと腹も立った!
しかし、愛媛県(特に松山市)では、「坊っちゃん饅頭」とか「坊っちゃん列車」とか何かと色々なものに「坊っちゃん○○」という具合に「坊っちゃん」という言葉を付けている。そして、みんなで夏目漱石を持ち上げているのだ!
「ね~みんな!!思い切り馬鹿にされてて腹がたたないの~!!??」・・・と叫びたいぐらいだった。松山の人たちは「坊っちゃん」を読んだことがないのか?いやいや、そんなことはないだろう・・・。商売になるから腹は立つが「坊っちゃん」の名前を拝借しているだけなのだろうか???そんな風に若い頃は考えていた。
しかし、歳をとった今、松山の人たちが「坊っちゃん」を愛する気持ちが何となく分かってきた。今思うと、坊っちゃんって「青臭い正義感溢れる若者」に過ぎないのだ。そんな若者がぎゃあぎゃあ喚いてる事に対して本気で怒ってどうするんだ。そういう若者には「よしよし、まあ、そう怒らんでもちょっと一緒に飯でも食わんか?」・・・という感じなんだろう。
要するに松山の人は「おおらかでゆったりした気持ちの優しい<大人>なんだ」・・・今ではそう思える。たぶんそれが正解なのだろう。大人になって初めてわかる感情というものもあるようだ。そう考えると歳をとるっていうのも悪い事だけでもないようだ。
http://blog.goo.ne.jp/mangekyo27/e/4cd55caad9ed0c62200dfd188f8e0...
・かとー機関 『坊っちゃん』≒『どらえもん』説
>No title [ 2008/07/05 20:35 ] eb ←コメント上から2つ目のとこです。
私は松山に住んでいるのですが、学生の時クラスで坊っちゃんを読んだ際 最後に「不浄の地」と書かれていてクラスが静まりかえったことがあります。
なにも松山を否定せんでもよかった思いました。
http://katokikan.blog39.fc2.com/blog-entry-26.html
・近代文学・名作舞台人気ー1位 「坊ちゃん」 松山|シギーのブログ
>友人に宛てた手紙に「当地下等民のろまの癖に狡猾に御座候」とつづっているとのことです。
いやあひどいコメントです。東京の中でもエリートである漱石の松山への評価でしょうか?
それでも松山の人達は漱石を敬愛しています。
>コメント
■うれしいですね
今日地元情報誌をなにげなく見てたらやっぱり、小説坊ちゃんについて書かれてて実は松山のことをこきおろされてるのに、松山の人は、坊ちゃんとなんにでも冠うって坊ちゃんの舞台になったことを誇りに思ってて寛大だ・・・みたいな意見でした。おもしろいな、と思いました
個人的には坊ちゃん好きですけどね('-^*)/
http://ameblo.jp/shiggyadlive/entry-10206359025.html
・(財)松山観光コンベンション協会-小説坊っちゃんの世界へ
>小説『坊っちゃん』を読んだ松山人の心境はいささかフクザツ。というのも主人公坊っちゃんは、松山(とは作中では明確に記されていない)という土地をどうも気に入っていない様子。赴任後すぐに“ばあや”の清に出した手紙の書き出しは「きのう着いた。つまらん所だ」、町を歩けば「こんな所に住んで御城下だなどと威張ってる人間は可哀想なものだ…」と、田舎町をさんざん批判する。またそこに住む人や生徒に対しても、あくまでも辛辣な調子。最後には「不浄の地」とまで書かれてしまうのだから、人情豊かな松山の人にとっては心外なことこの上ない。だが、そんな『坊っちゃん』をこよなく愛し、漱石への畏敬の念は今なお健在。松山人が実に心が広いのだ。
http://www.mcvb.jp/kanko/spot/shosetsu.html
・Pu&Fuの研究室だより : 坊っちゃん大句会 その1 松山と「坊っちゃん」
>7人の話の中で、一様に出て来たのが、なんで松山の人は、あれだけ松山の悪口を書いた漱石の「坊っちゃん」を持ち上げて、こんな催しをするのか、ということ。
これに対する博物館館長(松山市の子規記念博物館)のお答えは、松山の人は度量が広いんだ、ということと、漱石も松山が嫌いなのではなく、その証拠に「坊っちゃん」の中の伊予弁なんかは、松山出身の高浜虚子に手をいれてもらっているのだ、という話をしていた。
http://tiikikeiei.exblog.jp/3263055/
・表1)自治体が主催する文学賞
ありがとうございます。
やっぱり同じように感じた人も多いんですね。
そしてたぶん、同じように読まずに勘違いしている人も。
(それとも、読んでなお二重に勘違いなのか)
すべてを許す慈愛に満ちた松山の人たちに感動しました。
漱石の愛が伝わったのかな。
現代作家が今こんなもの書いたら炎上、2ch祭りですね。