【おしながき】
- 菜食ちらし寿司
- あおさの味噌汁
- 大根とシソの酢の物
- キュウリとチーズのおつまみ
- アボカドサラダわさび風味
◆◆◆菜食ちらし寿司◆◆◆
●基本の寿司飯(4人分)
- 寿司飯
- 米 4合
- 水 4合弱(普通の炊飯の水加減よりちょっと固めの水加減)
- だし昆布 10cm角
- 寿司酢
- 米は炊飯30分前にといでザルにあげておきます。
- 昆布は固く絞った濡れ布巾で軽く拭いて汚れを取ります。
- 炊飯器に米を入れ水加減をし、昆布を入れて炊きます。
- 炊飯器がフツフツ言い出してきたら昆布を取り除きます。
- 鍋に酢・砂糖・塩を入れ弱火にかけて軽く加熱。砂糖と塩が溶けたら火から下ろします。
- 飯台(寿司飯を作る桶)を用意します。新しい飯台やしばらく使っていなかった飯台を使う時は、熱湯を8分目まで注ぎ、1カップ弱程度の酢を加えて掻き回し、冷めたら水洗いをしてください。こうすれば熱湯と酢の殺菌効果で安心して使えます。
- 飯台に炊き上がったアツアツのご飯をあけ、合わせ酢を素早く回しかけます。ご飯の上に直接かけず、木しゃもじで受けながら満遍なく行き渡るようにかけていくとうまくいきます。
- 飯台の上に絞った濡れ布巾をかけ、2~3分蒸らします。
- 扇風機などで風を送りながら、木しゃもじでご飯を切るようにほぐし混ぜます。米粒一つ一つに風を当てて手早く冷ますと、艶よく仕上がります。さっきのアツアツから人肌まで一気に冷ましてください。
●具
- 錦糸卵 卵を割り、菜箸の先が器の底から離れないようにしながら溶きほぐし(泡を立てないようにするため)、弱火で薄焼きにして細切りにする。
- 卵は動物を殺して手に入れる食材ではないので、今回はメニューに取り入れて差し支えないルールにしています。抱かせれば雛が孵る有精卵はルール的に微妙ですので、基本的に繁殖条件にない鶏から分けてもらう無精卵でお考えください。有精卵が栄養豊富と考えられているのは飼育条件がいいからで、オスメスを分離していても十分な敷地で健康的に平飼いしていれば、同じように良好な卵が採れるはずだと思います。
- 野菜の煮物
- 人参 10cm程度
レンコン 半節程度
ゴボウ 体積として人参と同じ程度
油揚げ 1枚
干し椎茸 数枚(プラス戻し用の水200ml)
黍砂糖 大さじ3
酒 大さじ2
醤油 大さじ1
塩 少々
胡麻油 大さじ2
- 干し椎茸は水に漬けてゆっくりと戻します。戻し汁は後で使うので捨てません。
- 人参は太めの千切り。
- 油揚げは熱湯をかけて油抜きして1cm幅の短冊切り。
- 椎茸は石づきを取り薄切り。
- ごぼう笹掻き、レンコンは人参と同じくらいの千切りにして、酢水(材料表示外)に放ちます。使う直前に酢水を洗い流してザルに上げて水を切ります。
- 鍋に油を入れて熱し、人参、ゴボウ、レンコンをいれて焦がさないように炒めます。火が通ってきたら椎茸と油揚げを加え、椎茸の戻し汁200mlを注ぎ、黍砂糖、酒、塩、醤油を入れて味をつけ、落とし蓋をして煮汁がなくなるまで煮込みます。
- 緑の物
- サヤエンドウやサヤインゲンを用意し、筋を取り、塩を加えた熱湯でさっと茹で、ザルにあげて急冷し、細い斜め切りにします。
- 菜の花があれば塩を加えた熱湯で茹でて冷水に取り、ギュッと絞って2~3cmの長さに切ります。
- 大葉は葉脈と直角に細く刻みます。
- その他季節感のある緑の野菜を添えてください。
- 薬味
- 刻み海苔
- 紅生姜 生姜を梅酢に漬け込んで作ります。梅酢に漬け込んだ生姜は梅の成分をたっぷりと受けて、米酢で作る甘酢生姜よりパワフルです。そのままバリバリ食べられる甘酢生姜と違って、紅生姜は梅酢に含まれる塩分の関係で薬味にしかなりませんが、適材適所ということで、こういう用途には私は紅生姜をお勧めします。もちろん合成着色料で染められた市販品は使わず、自分で手作りした物を使います。
- 切り胡麻 香ばしく散らします。
- 木の芽 叩いて組織を壊して香りを引き出してあしらいます。
以上を見栄えよく盛りつければ、ちらし寿司の完成です。
◆◆◆汁物 あおさの味噌汁◆◆◆
- お豆腐とネギなどで普通にお味噌汁を作り、仕上げ際に水戻ししておいたあおさを入れて一煮立ちさせればできあがりです。あおさは煮すぎるとせっかくの色や香りが悪くなりますから、さっと火から下ろしてしまうのがおいしくいただくコツです。あおさはたっぷり使ってください。
◆◆◆付け合わせ◆◆◆
- 大根とシソの酢の物
- 大根 1/4本
- シソの葉 3枚
- 梅干し 1個
- 寿司飯に使った寿司酢 大さじ1
- 大根は千切り、シソは葉脈に直角に細く刻み、梅干しは種を取り除いて包丁で叩きます。全ての材料を混ぜ合わせればできあがりです。
- キュウリとチーズのおつまみ
- キュウリは5mmくらいの厚さの斜め切り。大きさを合わせたチーズと重ねて爪楊枝で止めるだけ。
- アボカドサラダわさび風味
- アボカド 1個
ミニトマト 10個
チーズ 40g
ねりわさび チューブから絞り出した長さで3cmくらい
マヨネーズ 大さじ2(市販のマヨネーズにはもしかすると畜肉由来の調味料が使われているかもしれませんから、ここでは一応材料が分かっている手作りマヨネーズを使うことが前提ということにしておきたいと思います)
醤油 小さじ1
- アボカドは皮をむいて1cm角。ミニトマトは大きさによって縦半分か4等分。チーズは適当なサイコロに切ります。
- マヨネーズにわさびと醤油を加えて混ぜ、和えればできあがりです。
さて、栄養バランスの検討に入ります。
まずエネルギー源となる三大栄養素のうち、菜食で欠乏しがちなタンパク質については、油揚げと錦糸卵、付け合わせのチーズなどでカバーしています。脂質は調理の過程で用いられる胡麻油に加えて、切り胡麻、付け合わせのアボカドなどによってカバーさせています。胡麻には抗酸化作用のあるビタミンEや、肝臓に至って抗酸化作用を発揮するゴマリグナン(セサミン)などの有用な成分が含まれますので、単なる薬味扱いにとどまらず、たっぷりと使ってください。
菜食で欠乏しがちなのはビタミンB群です。これを補うために玄米を採用しているレシピが多いですが、ここでは寿司飯という制約から銀シャリが必須ですので、ビタミンB1を含む素材として胡麻やアボカドを取り入れています。
B2はアボカドのほか、鶏卵とチーズが良い供給源になります。菜食には、できるだけ命に優しい食卓を実現したいと考える菜食と、人間は非肉食性(草食性・穀食性)と考えて動物性食品を避ける菜食とがありますが、仮に人間が基本として草食性・穀食性の特徴を持っていたとしても、動物性素材も捕食する雑食性であることは歴史的にも歯の構造などから言っても明らかですから、殺しておいてゴミにしてしまうような無駄な殺戮(現代の商業的畜産の多くはその状態になっています)、レジャー的要素を伴った殺戮、食用目的なら殺していいという人間の都合だけで考える殺戮の合理化などに溺れない限り、基本的には動物性食品も取り入れて差し支えないものと思います。したがって、本格的な菜食生活を営む場合でも、動物の習性と健康をよく考えて適切な飼育をしているという前提があれば、殺戮の伴わない卵や乳製品は、栄養バランスの点からも、積極的に取り入れていいと思います。
B6の主役は今回はアボカドです。アボカドはB12を除くビタミンB群や、ビタミンE、各種脂肪酸の供給源としても優れている大変栄養価の高い物ですから、菜食にはぜひ取り入れたい食材だと思います。
B12はほとんど動物性食品に頼らないと摂取できませんが、卵黄、チーズにはそこそこ含まれます。さらにB12の豊富な食品に海苔があります。海苔は様々な動物性食品に匹敵する、あるいはそれ以上のB12優等生です。普通は量を食べる食品ではないので目立ちませんが、今回は汁物に多用することでB12の主役と位置づけています。あおさはビタミンA、B1、B2、B12、C、カルシウム、鉄などにも富んでいて、とてもいい食材だと思います。
ナイアシンは椎茸や海苔が供給源となります。
その他B群であるパントテン酸や葉酸、ビオチンなどは、それぞれ白米や大豆製品、卵などから得ることができます。
ビタミンCについては大根とアボカドが活躍してくれます。
食品として毎日欠かさず取っていかなければならない項目は、
- エネルギー源となるカロリー、
- 体内で合成できない必須アミノ酸、必須脂肪酸、
- 体外に排泄されやすい水溶性ビタミン、
- 酸化してどんどん消費されるビタミンE、
- 消費量が多いカルシウム、
などだと思いますので、菜食の場合は、それらが欠乏しないメニューの組み立てが大切だと思います。そうした栄養バランスに気が配れれば、動物性食品は必須ではなくなります。
よく、1キロの牛肉を取るために8キロの飼料が必要だと言われます。菜食にすれば8倍の食料が確保できる、とは言いませんが、動物を育てて食料にするより、植物を育てて食料にした方が、ずっと効率は良くなります。日本は極めて食糧自給率が低い国です。もし何か突発的なことが起こって食料輸入がストップしたら、直後から食料大恐慌が起こります。そんなことにならないよう、輸入に頼らない食生活を築きましょう。そのためにも、菜食中心の生産効率の良い食材を中心にした食生活への転換が大切だと思います。今回のいわしが、そんな食の安全保障を目指す暮らし作りにも役だってくれたら幸いです。
【おしながき】
◆◆◆菜食ちらし寿司◆◆◆
●基本の寿司飯(4人分)
●具
レンコン 半節程度
ゴボウ 体積として人参と同じ程度
油揚げ 1枚
干し椎茸 数枚(プラス戻し用の水200ml)
黍砂糖 大さじ3
酒 大さじ2
醤油 大さじ1
塩 少々
胡麻油 大さじ2
以上を見栄えよく盛りつければ、ちらし寿司の完成です。
◆◆◆汁物 あおさの味噌汁◆◆◆
◆◆◆付け合わせ◆◆◆
ミニトマト 10個
チーズ 40g
ねりわさび チューブから絞り出した長さで3cmくらい
マヨネーズ 大さじ2(市販のマヨネーズにはもしかすると畜肉由来の調味料が使われているかもしれませんから、ここでは一応材料が分かっている手作りマヨネーズを使うことが前提ということにしておきたいと思います)
醤油 小さじ1
さて、栄養バランスの検討に入ります。
まずエネルギー源となる三大栄養素のうち、菜食で欠乏しがちなタンパク質については、油揚げと錦糸卵、付け合わせのチーズなどでカバーしています。脂質は調理の過程で用いられる胡麻油に加えて、切り胡麻、付け合わせのアボカドなどによってカバーさせています。胡麻には抗酸化作用のあるビタミンEや、肝臓に至って抗酸化作用を発揮するゴマリグナン(セサミン)などの有用な成分が含まれますので、単なる薬味扱いにとどまらず、たっぷりと使ってください。
菜食で欠乏しがちなのはビタミンB群です。これを補うために玄米を採用しているレシピが多いですが、ここでは寿司飯という制約から銀シャリが必須ですので、ビタミンB1を含む素材として胡麻やアボカドを取り入れています。
B2はアボカドのほか、鶏卵とチーズが良い供給源になります。菜食には、できるだけ命に優しい食卓を実現したいと考える菜食と、人間は非肉食性(草食性・穀食性)と考えて動物性食品を避ける菜食とがありますが、仮に人間が基本として草食性・穀食性の特徴を持っていたとしても、動物性素材も捕食する雑食性であることは歴史的にも歯の構造などから言っても明らかですから、殺しておいてゴミにしてしまうような無駄な殺戮(現代の商業的畜産の多くはその状態になっています)、レジャー的要素を伴った殺戮、食用目的なら殺していいという人間の都合だけで考える殺戮の合理化などに溺れない限り、基本的には動物性食品も取り入れて差し支えないものと思います。したがって、本格的な菜食生活を営む場合でも、動物の習性と健康をよく考えて適切な飼育をしているという前提があれば、殺戮の伴わない卵や乳製品は、栄養バランスの点からも、積極的に取り入れていいと思います。
B6の主役は今回はアボカドです。アボカドはB12を除くビタミンB群や、ビタミンE、各種脂肪酸の供給源としても優れている大変栄養価の高い物ですから、菜食にはぜひ取り入れたい食材だと思います。
B12はほとんど動物性食品に頼らないと摂取できませんが、卵黄、チーズにはそこそこ含まれます。さらにB12の豊富な食品に海苔があります。海苔は様々な動物性食品に匹敵する、あるいはそれ以上のB12優等生です。普通は量を食べる食品ではないので目立ちませんが、今回は汁物に多用することでB12の主役と位置づけています。あおさはビタミンA、B1、B2、B12、C、カルシウム、鉄などにも富んでいて、とてもいい食材だと思います。
ナイアシンは椎茸や海苔が供給源となります。
その他B群であるパントテン酸や葉酸、ビオチンなどは、それぞれ白米や大豆製品、卵などから得ることができます。
ビタミンCについては大根とアボカドが活躍してくれます。
食品として毎日欠かさず取っていかなければならない項目は、
などだと思いますので、菜食の場合は、それらが欠乏しないメニューの組み立てが大切だと思います。そうした栄養バランスに気が配れれば、動物性食品は必須ではなくなります。
よく、1キロの牛肉を取るために8キロの飼料が必要だと言われます。菜食にすれば8倍の食料が確保できる、とは言いませんが、動物を育てて食料にするより、植物を育てて食料にした方が、ずっと効率は良くなります。日本は極めて食糧自給率が低い国です。もし何か突発的なことが起こって食料輸入がストップしたら、直後から食料大恐慌が起こります。そんなことにならないよう、輸入に頼らない食生活を築きましょう。そのためにも、菜食中心の生産効率の良い食材を中心にした食生活への転換が大切だと思います。今回のいわしが、そんな食の安全保障を目指す暮らし作りにも役だってくれたら幸いです。