三五八とは、塩、麹、米をそれぞれ3:5:8(容量比率)で混ぜ合わせた床に漬けるという、名前がそのままレシピになっている漬け物です。麹漬けですから、季節の野菜から動物性素材にまで応用が広いのが特徴です。また麹による発酵は糠床などの発酵とは違うので、毎日掻き回したりする手間がないのもうれしい漬け物です。
では漬け方です。
◆容器の準備
ここで用意する物は漬け床保存用容器です。三五八は糠味噌漬けのような次々と素材を投入していく漬け方はせず、素材ごとに容器を分け、別個に漬け床をまぶしながら漬けていく作り方をします。ここで用意する容器にキュウリや大根が投入されることはありませんので、形はどんな物でも差し支えありません。
ただし、プラスチックは避けましょう。塩分濃度が高い物を長時間プラスチック容器に入れたままにしてはいけないと思います(おそらく)。わが家では本体が硝子製の密閉容器を使用していますが、ピクルス瓶などを使ってもいいと思います。
◆漬け床作り
東北や信越に行くと、どこの食料品店にも「三五八の素」が置いてありますが、東京などではほとんど見かけませんので、昔ながらの手法で自力で漬け床を作ります。
材料
1.塩・・・3(出来るだけ自然な塩を使いましょう)
2.米麹・・・5(甘酒や味噌を作る麹でOK)
3.米・・・8
この数字は容量比率なので、比率が保たれれば、計量カップ計っても、適当な容器で計っても、何でも可です。
米は餅米とする地方もありますが、うるち米の方がサッパリした漬け床になると思います。ただし甘味のある漬け物を楽しんでみたい時は餅米を使ってみてください。
作り方
1.米は普通に炊きあげます。
2.しばらく蒸らしたら、まだ熱いうちに(70度くらい)米麹をほぐしながら混ぜ合わせていきます。
3.混ぜているうちにだんだん麹が働いてベトベトしなくなってきますので、40度くらいまで冷めてきたら表面を平にして、そのままの温度を保ちながら保温してください。これが最も面倒な作業ですが、ヨーグルトメーカー(パック入り牛乳をセットしておけばヨーグルトになるという調理家電)があれば、45度くらいに保温するモードがあると思いますので、それを使うと楽々です。保温時間は5~6時間です。
4.こうしてできた硬い甘酒のようなものを一晩放置し(ヨーグルトメーカーの場合は摂氏20数度のカスピ海ヨーグルトモードで保管すると温度管理の手間がありません)、翌朝分量の塩を混ぜて、漬ける容器に移します。蓋をして冷暗所に10日間くらい。気温が高い季節は冷蔵庫の野菜室などを使うといいと思います。
◆漬け方
前述のように三五八は、一部例外もありますが、たいていの場合、漬ける都度必要な分量の漬け床を取り出して素材にかけて漬けるという方法をとります。
夏野菜編
・ナス 浅漬けver.
一口大にコロコロと切ったナスにヒタヒタになるまで漬け床をかけ、よく馴染ませて、軽く重石をします。2~3時間で食べられます。
・ナス 本格漬けver.
ナスは普通のナスなら縦半割か四割りくらい。薄めの塩で一晩漬けてから水分を絞り、漬け床をヒタヒタにかけてよく馴染ませ、2~3日漬け込みます。
・キュウリ 浅漬けver.
一口大にコロコロと切ったキュウリにヒタヒタの漬け床をかけてよく馴染ませ、重石をして2~3時間。ナス浅漬けver.と同じです。
・キュウリ 本格漬けver.
細いキュウリはそのまま。大きな物は2つ割。漬け床をヒタヒタにかけてよく馴染ませます。キュウリの場合は一晩から食べられます。
・ショウガ
なんとショウガもおいしい漬け物になります。細い新生姜ならそのまま(太い物は適宜切る)、2日間ほど漬けるとおいしいショウガの三五八になります。
・ピーマン・ししとう
熱湯にサッとくぐらせるようにして軽く茹で、水気を切って、やや長めに(4~5日くらい)漬けます。
根菜編
・大根・ニンジン
大根には色々な漬け方がありますが、「割り干し」のようにしてから漬けるとうまみが増すと思います。大根をキュウリくらいの太さに割り、2~3日干します。そしてヒタヒタよりちょっと多めの漬け床をかけてよく馴染ませ、強めの重石をして3日~4日漬けてください。ニンジンも同様にして漬けられます。
・大根(別バージョン)・カブ
適当な大きさに切った大根やカブを2~3%の食塩で下漬け、水気を切り、その後ヒタヒタよりちょっと多めの漬け床をかけてよく馴染ませて押しをしておきます。2~3日で食べられます。
葉物野菜編
・大根の葉
天日に干してしんなりさせてからそのまま漬けます。一晩から食べられます。
・白菜
「大根(別バージョン)・カブ」と全く同じ手順でOKですが、その上の「大根・ニンジン」編のようにいったん日に干してから漬けるとうまさが増します。
・キャベツ
ザクザク切ってそのまま漬けます。半日から食べられます。
動物性素材編
・ブリなどの生鮮魚類・肉
血抜きのために塩を振り、出た水分をよく拭き取ります。ヒタヒタの漬け床をかけて良く馴染ませ、重石をして漬け込みます。2~3日で味が馴染みますので、食べる時には粕漬けのように焼いてください。
・スルメや身欠きニシンなどの乾物
それぞれに応じた戻し方で戻し、漬け床に漬けておよそ3日で味が馴染みます。同じく焼いて食べてください。
なお、糠漬けと同じように常設の漬け床に次々と素材を投入していく漬け方をする場合は、
・植物性素材専用漬け床とする
・野菜の水分でべちゃべちゃになるのを防ぐ意味も兼ねて、塩で下漬けしてよく水を切ってから漬ける
・漬け床が減ったり水分過剰になった場合は、ご飯1カップあたり塩小さじ1の割合で混ぜた物を適宜の量、漬け床の底に忍ばせて熟成させてください。無理に混ぜず、漬けながら自然に混ざっていくようにします。
といった方法でやってください。
三五八とは、塩、麹、米をそれぞれ3:5:8(容量比率)で混ぜ合わせた床に漬けるという、名前がそのままレシピになっている漬け物です。麹漬けですから、季節の野菜から動物性素材にまで応用が広いのが特徴です。また麹による発酵は糠床などの発酵とは違うので、毎日掻き回したりする手間がないのもうれしい漬け物です。
では漬け方です。
◆容器の準備
ここで用意する物は漬け床保存用容器です。三五八は糠味噌漬けのような次々と素材を投入していく漬け方はせず、素材ごとに容器を分け、別個に漬け床をまぶしながら漬けていく作り方をします。ここで用意する容器にキュウリや大根が投入されることはありませんので、形はどんな物でも差し支えありません。
ただし、プラスチックは避けましょう。塩分濃度が高い物を長時間プラスチック容器に入れたままにしてはいけないと思います(おそらく)。わが家では本体が硝子製の密閉容器を使用していますが、ピクルス瓶などを使ってもいいと思います。
◆漬け床作り
東北や信越に行くと、どこの食料品店にも「三五八の素」が置いてありますが、東京などではほとんど見かけませんので、昔ながらの手法で自力で漬け床を作ります。
材料
1.塩・・・3(出来るだけ自然な塩を使いましょう)
2.米麹・・・5(甘酒や味噌を作る麹でOK)
3.米・・・8
この数字は容量比率なので、比率が保たれれば、計量カップ計っても、適当な容器で計っても、何でも可です。
米は餅米とする地方もありますが、うるち米の方がサッパリした漬け床になると思います。ただし甘味のある漬け物を楽しんでみたい時は餅米を使ってみてください。
作り方
1.米は普通に炊きあげます。
2.しばらく蒸らしたら、まだ熱いうちに(70度くらい)米麹をほぐしながら混ぜ合わせていきます。
3.混ぜているうちにだんだん麹が働いてベトベトしなくなってきますので、40度くらいまで冷めてきたら表面を平にして、そのままの温度を保ちながら保温してください。これが最も面倒な作業ですが、ヨーグルトメーカー(パック入り牛乳をセットしておけばヨーグルトになるという調理家電)があれば、45度くらいに保温するモードがあると思いますので、それを使うと楽々です。保温時間は5~6時間です。
4.こうしてできた硬い甘酒のようなものを一晩放置し(ヨーグルトメーカーの場合は摂氏20数度のカスピ海ヨーグルトモードで保管すると温度管理の手間がありません)、翌朝分量の塩を混ぜて、漬ける容器に移します。蓋をして冷暗所に10日間くらい。気温が高い季節は冷蔵庫の野菜室などを使うといいと思います。
◆漬け方
前述のように三五八は、一部例外もありますが、たいていの場合、漬ける都度必要な分量の漬け床を取り出して素材にかけて漬けるという方法をとります。
夏野菜編
・ナス 浅漬けver.
一口大にコロコロと切ったナスにヒタヒタになるまで漬け床をかけ、よく馴染ませて、軽く重石をします。2~3時間で食べられます。
・ナス 本格漬けver.
ナスは普通のナスなら縦半割か四割りくらい。薄めの塩で一晩漬けてから水分を絞り、漬け床をヒタヒタにかけてよく馴染ませ、2~3日漬け込みます。
・キュウリ 浅漬けver.
一口大にコロコロと切ったキュウリにヒタヒタの漬け床をかけてよく馴染ませ、重石をして2~3時間。ナス浅漬けver.と同じです。
・キュウリ 本格漬けver.
細いキュウリはそのまま。大きな物は2つ割。漬け床をヒタヒタにかけてよく馴染ませます。キュウリの場合は一晩から食べられます。
・ショウガ
なんとショウガもおいしい漬け物になります。細い新生姜ならそのまま(太い物は適宜切る)、2日間ほど漬けるとおいしいショウガの三五八になります。
・ピーマン・ししとう
熱湯にサッとくぐらせるようにして軽く茹で、水気を切って、やや長めに(4~5日くらい)漬けます。
根菜編
・大根・ニンジン
大根には色々な漬け方がありますが、「割り干し」のようにしてから漬けるとうまみが増すと思います。大根をキュウリくらいの太さに割り、2~3日干します。そしてヒタヒタよりちょっと多めの漬け床をかけてよく馴染ませ、強めの重石をして3日~4日漬けてください。ニンジンも同様にして漬けられます。
・大根(別バージョン)・カブ
適当な大きさに切った大根やカブを2~3%の食塩で下漬け、水気を切り、その後ヒタヒタよりちょっと多めの漬け床をかけてよく馴染ませて押しをしておきます。2~3日で食べられます。
葉物野菜編
・大根の葉
天日に干してしんなりさせてからそのまま漬けます。一晩から食べられます。
・白菜
「大根(別バージョン)・カブ」と全く同じ手順でOKですが、その上の「大根・ニンジン」編のようにいったん日に干してから漬けるとうまさが増します。
・キャベツ
ザクザク切ってそのまま漬けます。半日から食べられます。
動物性素材編
・ブリなどの生鮮魚類・肉
血抜きのために塩を振り、出た水分をよく拭き取ります。ヒタヒタの漬け床をかけて良く馴染ませ、重石をして漬け込みます。2~3日で味が馴染みますので、食べる時には粕漬けのように焼いてください。
・スルメや身欠きニシンなどの乾物
それぞれに応じた戻し方で戻し、漬け床に漬けておよそ3日で味が馴染みます。同じく焼いて食べてください。
なお、糠漬けと同じように常設の漬け床に次々と素材を投入していく漬け方をする場合は、
・植物性素材専用漬け床とする
・野菜の水分でべちゃべちゃになるのを防ぐ意味も兼ねて、塩で下漬けしてよく水を切ってから漬ける
・漬け床が減ったり水分過剰になった場合は、ご飯1カップあたり塩小さじ1の割合で混ぜた物を適宜の量、漬け床の底に忍ばせて熟成させてください。無理に混ぜず、漬けながら自然に混ざっていくようにします。
といった方法でやってください。