今後、産油国が原油取引をユーロ建てや円建てに切り替えた場合、産油国にどのようなメリットがあり、またドルを通貨とするアメリカにはどのようなデメリットが発生するのでしょうか?
産油国にとっては安定した通貨であればあるほどよいので、ユーロ、バスケット替えのメリットデメリットというのはそういう側面でしかないでしょう。
ただ、アメリカにとってはドルで決済する市場が減るという事は、海外の人がドルを必要としなくなるということなので、大きくドル安が発生し、輸入に依存するアメリカ市民の生活に大打撃となるでしょう。
これがめぐりめぐって税収減→対外資産売却→国企業の利権が減り、有効な政策を実行できなくなる てな感じでバブル崩壊後の日本のように国力がスローダウンしていくことになります。
ちょっと前までならドル安続きでアメリカの原油供給が不安定となり、高騰のデメリットが強まったのではないかと思います。
しかし今はだいぶ落ち着いてきていますのでユーロ建てでもたいしたかわりはないでしょう。
国際決済通貨は自国で流通する数倍の潤沢な流通量と価格の安定性という一見矛盾する要素を兼ね備える必要があります。ドルはアメリカに対する信認という裏書きがあったので今までこの難しい役目を果たすことが出来ました。
基本的に産油国は決済目的で大量のドルを保有しているのでドルが決済通貨の役割を果たせなくなって他通貨に切り替わる場合はそれなりに痛みを負うことになります。自国の資産が目減りすることになるので。
敢えてメリットとして考えられるのはドルが本質的に力を失った場合は決済に支障を来す可能性が高くなりますから、ドルに代わる通貨が出現すればそちらに乗り換えることで取引をスムースに行うことが出来ると言うことでしょう。
要約すると、決済通貨を換えるときは仕方の無いときということです。
一方アメリカにしてみれば、もしそのようなシナリオが急転直下で進行した場合、間違いなくドルの価値は暴落するでしょうから国内ではハイパーインフレが起こるでしょう。また、国債等の金融資産を少なくとも国外からは買って貰えなくなるので予算規模が縮小し軍事力が低下して影響力が大きく低下することになるでしょう。
産油国にとっては安定した通貨であればあるほどよいので、ユーロ、バスケット替えのメリットデメリットというのはそういう側面でしかないでしょう。
ただ、アメリカにとってはドルで決済する市場が減るという事は、海外の人がドルを必要としなくなるということなので、大きくドル安が発生し、輸入に依存するアメリカ市民の生活に大打撃となるでしょう。
これがめぐりめぐって税収減→対外資産売却→国企業の利権が減り、有効な政策を実行できなくなる てな感じでバブル崩壊後の日本のように国力がスローダウンしていくことになります。
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