THEME:「夏の本」「太陽の下で」「ラーメン記念日に」
「今日をちょっと楽しく、イエで過ごすいつもの時間を素敵に変える小さな魔法のサプリがあったら…」と展開してきた “リブ・ラブ・サプリ”コーナーの続編のひとつSEASONバージョン。四季の暮らしや衣食住のこと、新しいシーズンライフ…。毎回のテーマに沿って、毎日を元気にする暮らしのサプリをその思いや由来とともにメッセージ下さいね。
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※質問は8月24日(月)正午で終了させて頂きます。
TomCat さんの提案には毎回、頭が下がる思いで拝見しております。
私も原子爆弾、核兵器を用いた惨劇がこれ以上繰り返してはならないと感じております。
そのためには、夏にこそ本を読む。なんのためかと言われると64年前の戦争を知るためです。
私は上の子どもが小学生になったとき、1冊の本を読み聞かせました。
母が赤子のために、水浴び場の中で息絶えている姿、
太田川で鶴や猫、犬が血を流している必死に行きようとしている姿、
そして、戦前の姿をほとんど残し、炭になった人。。
どれも印象的で、大人の私にとっても衝撃的な絵本でした。
子どもには衝撃的な絵本だったと思い、下の子には4年生のとき読ませました。
また、今月の15日終戦記念日に映画監督の松林宗恵が亡くなりました。
戦争映画や市民の生活映画で必死に死生観や無常感を伝えた方の死は惜しいばかりです。
3,4年前にCSスカパー!日本映画専門チャンネルで見た、
昭和36年芸術祭受賞作『世界大戦争』も非常に忘れられない映画です。
本とは異なる映画ですが、ぜひ1度見て下さい。
松林監督の戦争特撮映画は皆、仏教の無常観を通じて平和を訴えるものなのです。
平和を市民も軍人もいずれも望むものでありながら、結末は痛ましいですが、
フランキー堺、笠智衆の名演技は平和な社会に住む私たちに訴えかけるものがあります。
そして、最後に定番の『きけ わだつみのこえ』
学徒出陣となった当時のエリート大学生の文章は心を締め付けてきます。
そして、私が読んで感じたことは1日を決してムダにしてはならないと言うことです。
この平和な日本で生活し、家族・イエで幸せを享受出来るのはなぜでしょうか?
そんな自問自答しながら、上掲3作品をおととい・昨日で鑑賞しました。
すでにお二人から主に広島の例が紹介されていますので、長崎で忘れてはならない方の書籍を紹介させていただきます。
両方とも永井隆博士の書籍です。永井博士は長崎の原爆で自身も被爆しつつ、原子病患者の被爆の現実を体験記録として残した方です。
『長崎の鐘』では原爆直前の話から爆撃の瞬間の記録、そして医師として立ち会っていった原爆病との対峙を綴っています。一方『この子を残して』は、放射線を浴びて不治の原子病患者として床にふす父親である自身と、二人の幼い孤児予定者となった我が子へのエッセイが、遺書のように綴られています。
永井博士は敬虔なクリスチャンでした。そして上記の功績は、当時アメリカの言論統制を潜り抜け、内閣総理大臣顕彰を受賞するに至りました。それは、永井博士の著書や発言の中で、「アメリカが原爆を投下したのは悪いことではない」、と受け取られるものもあったからです。
>http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%B8%E4%BA%95%E9%9A%86_(%E5%8C%BB%E5%AD%A6%E5%8D%9A%E5%A3%AB)
実際に読んで、疑問や違和感を覚える方もいらっしゃるかも知れません。ですが、それ以上に原爆・原爆病の現実が描写され、親子・家族・患者たちが付きつけられた、当時の現実が書かれているのも事実なのです。
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最後に、長崎への原爆投下と昨今の紛争・戦争について、私なりに感じていることを書き残します。
長崎に原爆投下されたのが、広島に遅れて8月9日であるのは知られていますが、広島と長崎である特異的な違いがあります。
アメリカ人には、キリスト教徒が多いことはご存知だと思います。また、戦争中に空爆・原爆投下をする計画時に、教会が集中する街や文化的に重要な都市(京都など)を避けていた事実がドキュメンタリーなどで公表されています。
長崎は古くからキリスト教を信仰している街です。ですが、広島と異なり、長崎ではキリスト教の教会近くに原爆が投下されました。それが浦上教会であり、本書の『長崎の鐘』のタイトルに繋がったわけです。なおアメリカ側の話では、その日の天候が悪く投下地点が、予定よりずれたのだという証言がありました。
教会は避けたとか文化財は避けたといっても、大量殺りく兵器を投下して良い理由にはなりません。所詮は戦争に使われた言い訳です。そして、これらの理由や文句は昨今でも耳にするものが多いのです。
「攻撃したのは武器製造所であり、市民を巻き込むつもりはなかった」、「教会やモスク、人の集まる時期は避けた」。宗教などで衝突している紛争・戦争地帯のニュースで、こういうコメントを聞いたことはありませんか?
文化や宗教の違い、国境線の奪い合い。色々な理由で未だに多くの血が流れています。そして、言い訳をつけて殺りくを正当化しています。こういう視点に立つと、長崎で原爆が投下された当時も今も、地球上で同じ言い訳が繰り返されていることになるんです。
私としては、原爆を投下した国に、あの時のあの言い訳を世界に公表し、もう同じ言い訳をしないで欲しいと世界中に訴えて欲しいと願っています。私自身、もっと外国語が達者だったら、いろんな国の人に訴えることができるのだろう、そう思って未だに外国語に四苦八苦しています。
前講釈は無しにして、ぜひ読んでほしいと思う本を列挙していきたいと思います。
ピカドン―だれも知らなかった子どもたちの原爆体験記 (シリーズ・子どもたちの未来のために)
この本に収められているのは、終戦数年後の、広島の小学生達の作文です。まさに20世紀が終わろうとしていたミレニアムの年に、広島市立己斐小学校のロッカーから発見された古い作文集。それをもとに作られたのがこの本です。政治とも大人の事情とも無関係な、本当に純粋な、真実の原爆体験記がここにあります。
康子十九歳 戦渦の日記
続いてこちらは、HNKの土曜ドラマ「フルスイング」の原作者としても知られる作家の門田隆将さんが、「康子」という若い女性の残した日記や手紙をもとに、その人生の軌跡につながる人々を訪ね歩いて書き上げた、珠玉のノンフィクションです。
本書の主人公、粟屋康子さんは、東京女高師附属専攻科(現お茶の水女子大)の学生でした。父は広島市長。平和な世の中なら、何不自由なく青春を謳歌していたはずのお嬢様でした。しかし、康子さんは陸軍造兵廠、つまり兵器工場ですね、そこに勤労動員され、連日12時間に及ぶ過酷な労働を強いられながら、睡魔や疲労、たび重なる空襲の恐怖と戦う日々を過ごしました。
そして広島に新型爆弾投下。康子さんは遠い道のりを広島に向かいます。お父やさん弟達は死亡。しかし、重傷ながらお母さんは生きておられました。広島に着いた康子さんは献身的な看病を行いますが、被爆地に残る強い放射能を浴びて二次被爆。若い命を落とされます。
しかしこの本は、それだけの本ではありません。戦渦のさなかでも未来に希望を託して生きようとしてきた若者達の、いきいきとした青春を描く本でもあるのです。恋もあります。友情もあります。どの1ページを取り出しても、それだけで一冊の本が書けそうなほどの、瑞々しい青春の姿が詰まっています。
平和とは何か。それは、こういう伸びようとする命の未来を潰さないこと。理屈じゃない、そういうことなんですよね。
ヒロシマ あの時、原爆投下は止められた
次はちょっと違ったジャンルの本をご紹介してみましょう。これは文化庁芸術祭大賞を受賞したTBSテレビの戦後60年特別番組「ヒロシマ」のスタッフらによって編集された本。
本書の題名は「あの時、原爆投下は止められた」ですが、内容としては逆に、なぜ原爆投下という未曾有の事態が引き起こされてしまったのかを、アメリカ・ドイツ・ロシアで取材された科学者・歴史学者・政治家らの証言、そして実際に原爆を体験した広島市民による証言などから浮き彫りにしていく内容となっています。
難解な論理を振りかざすような本ではありません。取材内容をストレートに出していく、読みやすく理解しやすい本ですので、中・高校生にもお勧めです。
井上ひさしの 子どもにつたえる日本国憲法 (シリーズ 子どもたちの未来のために)
最後はこの本で締めくくりましょう。日本は世界に向かって、その最高法規をもって戦争の廃絶を訴え、そのために世界の先頭に立って努力すると宣言している国です。しかし、その国民である私達は、「平和の作り方」を知っているでしょうか。どうすれば世界が平和になるのか、その方法を考えたことはあるでしょうか。
そんなの分かるわけがない。そうかもしれません。ならばとりあえず、世界に向かって恒久平和の実現を訴えたその文書、「日本国憲法」を知る所からスタートしてみましょう。
本書は作家・井上ひさし氏が、子供にも読める平易な言葉で「憲法のこころ」を説明してくれる本。
法は、その立法趣旨をもって論ぜられるものです。だから、憲法を知ろうと思うなら、難しい理論や理屈なんか要らない。どういう願いで起草され、審議され、可決成立していったかという「こころ」を知ればいい。それが井上ひさし流憲法の捉え方なんですね。
理屈ではなく、「こころ」で感じ取れる憲法の本。とりあえず、ここから私達の未来作りをスタートしていきましょう。
以上、平和を考える夏にぜひ読んで欲しい本を数冊、ご紹介してみました。これらの本は、ぜひ読み終わったら、親しい人に貸してあげてください。その時、イエはてな発の平和を願う輪を広げるアクションの一つ、「白いリボンのしおり」などを作って添えていただいたりすると、とっても素敵ではないかと思います。
http://q.hatena.ne.jp/1193201006/122774/#i122774
http://q.hatena.ne.jp/1193201006/122774/#i122807
http://q.hatena.ne.jp/1225773579/190803/#i190803