D菜がプリントアウトを手にやってきた。
D菜「私もミューザック小説を書いてみたの。長くて申し訳ないけど、読んでくれない?」
B美は頷くとプリントアウトを受け取り、読み始めた。
その小説は
>そして北島は言った。
>「あ、そういえば逢坂も今日、発表だったんだよな。どうだったか聞いてるか?」
>
>俺は頷いた。
という文で終わっていた。
(※注 小説本体は下のコメント欄。
ミューザック小説のルール説明は http://q.hatena.ne.jp/1178303651 )
D菜「話をイメージしやすくするため、
竹宮ゆゆこの『とらドラ!』ってライトノベルのキャラクター設定を借りてるけど、
『とらドラ!』を読んでなくても問題はないはずよ。
で、B美。この話の元ネタは何かを推定して、続きを書いてくれない?」
(締切は9月2日の夜。回答はブックマークやコメント欄ではなく回答欄にお願いします)
俺は頷いた。
「逢坂は、落ちたよ。本人も覚悟していたみたいだけどな。来年からは、強制的に海外だよ」
「…そうか。最近あまり会ってなかったし、心配していたんだが」
「あいつは不器用なやつだからな。一つの事に集中すると、他が全部ダメになる」
「?…しかし、今回は受験に集中していたわけだろう?いつも早く帰ってたようだし」
俺は,小さくため息をつき、北村の顔を正面から見据えた。
「なぁ、北村。逢坂がいつも言ってたこと覚えてるか?」
「えっ?…あぁ、『いつかきっと、いい仕事をするんだー』、ってやつか」
北村は怪訝そうな顔をするが、俺は構わず続けた。
「川嶋からの電話がいつも非通知だったのを疑問に思わなかったか?
海外からの電話なら通知不可能表示なるはずだろ?
なぁ、北村。お前を合格させた事が、あいつが言ってた『声優としてのいい仕事』ってやつだ。
おまえを励ましていた川嶋は、逢坂だったんだよ」
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いろいろバリエーションを考えたのですが、結局コンパクトにまとめる方向で。
元ネタも短編という事ですので。オー・ヘンリー、最後の一葉。
ここまでヒントをいただき回答するのに恐縮しますが、アメリカ短編小説と言えばJ.D.SALINGERではなくて、
風と共に去りぬじゃないでしょうか。
確か、4人くらい登場人物がいてそれぞれ色恋沙汰があるはず、配役を考えてみると・・・どうもしっくり来ない・・・。
どうもキーワードは4人の四角関係にあると思い込んだのは間違いとはたと気づく。
アメリカの短編小説の名手って言ったら一人しか思いつかないオー・ヘンリー。
賢者の贈り物はうまくこの話にのらないし、じゃあ、最後の一葉か?
俺は頷いた。
「北村に黙っていたことがあるんだ。今まで川嶋だと思っていたのは逢坂で演技していたんだよ」
ごめんなさい。文才と創造力がないのでうまく書けないので正当のすばらしい物語をおねがいします。
そのかわり、思いつく複線を。
季節が秋から冬そして春となっていること。
逢坂は声優志望だったから、声を真似ることができた。
逢坂の「いつかきっと、いい仕事をするんだー」は売れない画家を暗示。
夜中に非通知で電話するのは、一緒にいないときじゃないと電話できないことと、番号を疑われないように。
落ち込んだ北村を勇気付ける為の芝居が、嘘でも人を勇気づけることができるという話として重なりました。
SALINGER様、それでばっちり正解です。
小説は解答編で示しますが、おみごとでした。
(「季節が秋から冬そして春となっていること」は考えていませんでした、すばらしいです)
俺は頷いた。
「逢坂は、落ちたよ。本人も覚悟していたみたいだけどな。来年からは、強制的に海外だよ」
「…そうか。最近あまり会ってなかったし、心配していたんだが」
「あいつは不器用なやつだからな。一つの事に集中すると、他が全部ダメになる」
「?…しかし、今回は受験に集中していたわけだろう?いつも早く帰ってたようだし」
俺は,小さくため息をつき、北村の顔を正面から見据えた。
「なぁ、北村。逢坂がいつも言ってたこと覚えてるか?」
「えっ?…あぁ、『いつかきっと、いい仕事をするんだー』、ってやつか」
北村は怪訝そうな顔をするが、俺は構わず続けた。
「川嶋からの電話がいつも非通知だったのを疑問に思わなかったか?
海外からの電話なら通知不可能表示なるはずだろ?
なぁ、北村。お前を合格させた事が、あいつが言ってた『声優としてのいい仕事』ってやつだ。
おまえを励ましていた川嶋は、逢坂だったんだよ」
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いろいろバリエーションを考えたのですが、結局コンパクトにまとめる方向で。
元ネタも短編という事ですので。オー・ヘンリー、最後の一葉。
idojun様、ありがとうございます。
すばらしい解答で、こちらの解答編よりも、より小説としての完成度が高いと思いました。
コメントの、
>http://q.hatena.ne.jp/1251335339#c157608:title=lionfan 2009-08-30 09:27:48>
どこが原作どおりで、どこが原作と違うかがわかり、有利だったかもしれません。
<<
で、やっとわかりました。
オーヘンリーの『最後の一葉』ですね!
北村が川嶋からと思っていた電話は、実は逢坂の声の演技だったわけですね。
うーん、でも結末が思いつかない。
高須を通じて、北村に一連の事実の告白をしてもらい、北村はそれに感激して逢坂と付き合いはじめる、ってところでしょうか。
ところで、今回、あらためてオーヘンリーについて調べたら、この人のデビュー作が長編小説だった事を知りました。
kuro-yo様、ありがとうございます。もちろんそれで正解です。
結末ですが、原作どおりbad endで行かせていただきます。
idojun様、ありがとうございます。
すばらしい解答で、こちらの解答編よりも、より小説としての完成度が高いと思いました。