何らかの業務システムを構築しようとした時に SIer に構成案を求めると、小~中規模利用で明らかに単体サーバで十分用が足りるはずなのに AP サーバと DB サーバの2台構成で提案されるという事例がよく見られます。
このような2台構成というのは SIer が作る基本構成案のセオリーとなっているようですが、
【質問1】この構成を提案される理由として、合理的な根拠にはどのようなものがあるでしょうか?
また、一般的に AP サーバは専ら CPU、DB サーバは専らメモリとディスクに高負荷をかける傾向があり、専ら使用するリソースの性格が異なるので、個々の機器の性能を上げずに無闇に2台に分割しても性能面での大幅な向上は期待できないように思われます。
つまり、
【質問2】能力1のサーバを2台用意するよりも、能力2のサーバを1台用意した方が総合的に高いパフォーマンスが期待できるのではということですが、これについても反論その他ご意見ありましたらいただけると幸いです。
質問1で妥当だと思われる理由として、皆さんが出していないものとして、以下のようなものが思いつきます
(1) さまざまなソフトウェアを1台のサーバに集約すると、サーバ自体の構成が複雑化して、管理の難易度が上がる
たとえばマイクロソフト社でも、SQL Serverやドメインコントローラといった役割のサーバに、ほかのソフトウェアをインストールして複数の役割を持たせることは推奨していません。
理由としては、さまざまなソフトウェア間の依存関係が複雑化して、たとえばAのソフトはあるパラメータがyesであることを求めるのに、Bのソフトはnoであることを求めた時にどうするか、といった面倒な事象が発生しやすくなるということがあげられます。
また運用フェーズでトラブルが発生した場合も、いろいろと入っているサーバは切り分けの難易度がそれだけあがります。
特にDBサーバはいろいろとセンシティブなので、無用のリスクを避ける意味で、別サーバにしたほうが安全だと思います。このあたりは保険としてどの程度のコストを見込むかという話かと思います。
(2) SIer の標準構成が2台構成だから
一般論として、オーダーメイドでぴったり仕様に合致したものを作るのと、レディメイドで、若干冗長でもお仕着せの仕様のものを作るのと、どちらが安いかという話ですね。
もちろんサーバが1台より2台の方がハードウェアの価格は上がりますが、あなたの会社用にオーダーメイドで構成するためにかかる人件費と比べれば誤差の範囲でしょう。
システム構築の費用で一番かかるのは人件費です。若干オーバースペックでも、あらかじめ検証済、実績があって、個別の仕様調整や試験工数が掛からない構成があるのであれば、そちらを採用して個別検討の人件費を削減したほうが安くなります。
もちろん、ぼっているだけという可能性はありますが。