例えば、必要なら法整備をしてでも以下のような政策を実行したとします。
1ドル110円以上に固定。例えば、1ドル109円以上円高になったら日銀が一万円札を刷って、1ドル110円になるまでその分でドルを買う。円安になる分には介入しない。又、インフレ率が2.0%を超えたら介入を止める。インフレ率が1.0%を下回ったらまた介入再開。
この場合、加工貿易国である日本にとってはメリットの方が大きいように思いますが、こういった政策が実行されていない以上、デメリットのほうが大きいということですよね?
そこで質問ですが、その大きなデメリットにはどういうものがありますか?
(別に110円という値には拘らず、一番メリットがデメリットを上回りそうな値にすればいいのですが。)
もしも固定相場的なものを採用すれば、ドル依存が高まります。
変動相場制の今日でさえ、貿易の際にドルに依存しています。
中国や韓国などの第三国との貿易関係とドルとの関わりも深いため、
サブプライムローン問題などアメリカが蓄積してきた問題を適切に処理することができないと
アメリカから日本へ、中国へとドミノ的に倒れていきます。
中国-ドルと同じ制度を日本も導入すれば
質問文を実現できるのではないかとかんあげられますが
資本主義、自由主義経済に反するとは思います。
現在も介入しているので、完全に市場に任せて自由にさせればいいとは誰も思っていない訳ですよね。ということは、自由というのも程度問題な訳です。そこで、現在の自由度よりも、上記のような自由度にする場合の大きなデメリットは何かという質問です。
外貨の売買で円高円安を調節するのは今でもやっています。
ただ、紙幣の発行は回収が容易でないことと、1円単位での調節はそもそも不可能です。
「1万円札を発行した」なんて情報が外に出れば発行した数以上に円安が進んでしまいますし、情報を外に出さなければ円安が全然進まず、しばらくしてから急激に円安が進むというような事態が起こり得ます。
外貨を売買しているのは国家だけではないので、心理的要因により大幅な円安円高が起きてしまいます。
だから「メリット、デメリット以前に不可能」というのが答えだと思います。
別に一円単位で調節する必要はなく、また一方通行での介入ですので、さほど難しくは無いでしょう。発行した情報が出ただけで急激に変動するとのことですが、例えば「一万円札を1000枚刷った」という情報が出たところで殆ど影響は無いはずです。すると、単に刷る量を大きくしすぎないでじりじりとやっていけばいいだけの話でしょう。
日銀が一万円札を刷るということですから、まず通貨供給量が増加します。そうすると、インフレ圧力が増し物価が上昇し始めます。
インフレ率が2.0%を超えたら介入が終るということが公表されている場合には、市場参加者は、おそらく介入中止時の劇的な円高を目指しいっせいに円買いを仕掛けることと思います。
通常の介入のように介入中止時期が明らかにされていない場合には、日本政府と市場参加者の駆け引きとなってゆくでしょう。そのときどうなるかは分かりませんが、歴史をみてみれば政府側に不利であるといえるかもしれません。例えば、90年代のアジア各国の通貨危機を振り返ってみれば、タイ政府を始めとする各国政府は必死の介入を行ったものの最終的にはいずれも変動相場制への移行を余儀なくされています。
ご質問のデメリットということに対する直接的なお答えとしては、
もっとも、インフレ状態が長期続けば、あるいはハイパーインフレとなれば、それはとりもなおさず円の価値が下落することを意味しますから、表面的には、当然、円安となります。円の価値が十分の一になれば、1ドル=110円だったものが1ドル=1100円とならざるをえません。この場合には、実質購買価値自体が下がっているので、問題の本質的な解決にはなっていません。
半固定なので、円売り攻勢に対しては変動相場制として機能しますのでまったく問題なく、通貨危機の心配はありません。
介入中止時期(というより介入中止インフレポイント)は公表しない場合で考えてください。
又、挙げられているデメリットはすべて、現在の変動相場制も同様に持っているので、変動相場制から半固定相場制に移行する場合のデメリットでは無いと思います。
ちなみに、この半固定相場制特有のメリットは、円高デフレにならない、です。
単に為替調整だけのためにお札を刷るというのが問題です。信用と裏づけのない貨幣は経済を混乱させるからです。「インフレ率が2.0%を超えたら介入を止める。インフレ率が1.0%を下回ったらまた介入再開。」とありますが、そういう事態が起きてから、政策が実行されるのでは遅すぎると思います。
「そういう事態」が経済の混乱を意味し、経済の混乱が急激な円安を意味するなら、4番の方への回答と同じように、一度に刷る量を適宜少なくすれば解決する問題です。そういう意味でないならば、「そういう事態」とは具体的にどういうことか説明願います。
それではドル100%ではなく、通貨バスケット制にした場合で考えてください。また、介入中止の条件がついているので、リンク先の預金の問題は発生しないはずです。