音声通信は哺乳類の特徴であり、ヒトももちろんアナログ信号で通信を行なう。
しかし、ヒトだけが、音素・音節という離散信号を使って符号語を構築し、それらの符号語が五官の知覚記憶と結びついて概念を構成するようになった。
これが可能になったのは、ヒトは、脳重量の対数と体重の対数(log脳重量/log体重)の比をとると、ヒトは他の大型類人猿よりも6dBも脳が相対的に大きいからだ。
つまり、ヒトの脳は、1つでチンパンジー4匹分もあるのだ。脳容量の拡大によって、ヒトは音声通信のデジタル化に成功した。
デジタルな符号語と五官の知覚記憶が結びつくデジタル/アナログ概念が構築されると、符号語が体系化されてくる。それによって、抽象概念も使えるようになる。抽象概念は、デジタルな符号の意味が、直接五官とは結びつかず、デジタルなコトバを方程式のように並べたものである。
ヒトは、抽象概念を獲得したことで、個人の認識限界を乗り越えて、ミクロからマクロまで、時代を超えて、宇宙・世界を自己の内部に取り込むことができるようになった。
デジタルであるということに同感します。