(具体的な回答を望みます。)
日本の美術館は、金沢と彫刻の森美術館を除いて赤字だと聞いたことあり、
またそれゆえ、海外と比較して、美術館の入館料が高いと聞いたことがあります。
しかしながら、先日のヤフーニュースにおいて、
世界の美術展来場者数、日本開催が上位独占=英誌
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100401-00000278-reu-ent
と発表されていました。
そこでご質問なのですが、入館料も高く、来場者数も多い日本の美術館はなぜ赤字で、
入館料も低く、来場者数も日本より少ない欧米の美術館はなぜ黒字になるのでしょうか。
(それとも全て赤字なのでしょうか。)
よろしくお願いします。
ニューヨークの メトロポリタン美術館(The Metropolitan Museum of Art, New York) と、東京・京都の国立近代美術館や国立西洋美術館など5館を運営している 独立行政法人国立美術館 とを比較してみました。
結論から言いますと、メトロポリタン美術館は赤字で、国立美術館は黒字です。
ではなぜ日本の美術館の入場料が高いかと言えば、入場料以外に大きな収入源がない、という点が考えられます。
メトロポリタン美術館の財務については 2008–2009 | Annual Report | About the Met に各種資料がありますが、概観するには Report of the Chief Financial Officer(財務主任のレポート)が良いと思います。
2009年度は、収入が2億1300万ドルで、支出が2億2100万ドルなので、800万ドル(約7.5億円)の赤字です。
この年は不況の影響もあるようですが、2008年度も約200万ドルの赤字だったので、2009年度だけ例外的に赤字だったわけではないようです。
ここで、収入の区分を示した円グラフにあるように、収入で最大のものは Endowment(寄付)であり、7700万ドル(約72億円)、35%を占めます。
入場料収入(Admissions)は2900万ドル(約27億円)で、収入に占める割合は14%ですから、入場料収入の二倍以上の寄付があるわけです。
また、会員費(Membership)が2200万ドル(約20億円)で11%にのぼる、という点も特筆すべきでしょう。
一方、国立美術館の予算・財務諸表 にある 決算報告書 によれば、平成20年度は人件費の削減や入場料収入の増加などで、2億8700万円の黒字です。
(収入の多くは交付金と補助金ですので、純粋な黒字とは言えないかも知れません)
入場料収入を含む展示事業収入は13億円、比率8.1%です。
寄付金収入に至っては、そもそも予算に見込まれておらず(0円予算)、比率も0.2%にすぎません。
この状況で収入を増やすとすれば、入場料を上げるか寄付金を増やすかですが、寄付の文化が根付いていない日本では入場料を上げざるを得ない、という事になるのだと思われます。
海外の美術館では、入場料を上げる前に寄付を募って(あるいはまず会員費を値上げして)入場料の値上げを回避する、という手段が使えるわけです。
以上、ご参考になれば幸いです。
美術館事業は生涯学習の一環ですから元々黒字にしづらい産業であることは間違いありません。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%A...
海外の美術館経営は、最近の言葉で言うセレブが資金調達に熱心ですよね。彼らはそれを義務だと
も考えています。日本はそうじゃないです。
以前某財閥のお屋敷をほとんどそのままの造りで美術館として開放している美術館の館長と話しを
する機会に恵まれましたが、まず植木の剪定費用と固定資産税が大変だからその一部でも賄いたい。
といった内容でした。経営方針が積極的じゃないですね。
今回取り上げられている「××展」を開催して、それなりの集客効果があったようですが、同時に
展示した美術品の賃貸料も発生していることになります。これだけで、どれだけ黒字かは判断でき
ないでしょう。
特に公立の美術館だと天下り先といった認識しかない方が館長の座につくことが多く、利益体質を
作れないといった問題も抱えているようです。
海外も積極的な経営をしていかないと苦しいことは苦しいようです。
http://www.econ.hokudai.ac.jp/~takais/daigakuin/field%20Survey/o...
うーん、ちょっと抽象的過ぎませんか。
最初の文章内容と、最後の苦しいところは苦しいですで、
一体どっちなんだろうと思ってしまいました。
> 植木の剪定費用と固定資産税が大変だからその一部でも賄いたい。
といった内容でした。経営方針が積極的じゃないですね。
なぜ、そこから経営方針が積極的じゃないと読めるのか全くわかりません・・・
こちらは参考になるでしょうか。多額の寄付金を集めている米国の美術館にしても、経営状態はかなり苦しいようです。欧米では経営効率よりアート産業の活性化といったの経済効果などに重きを置いているので問題視されていないだけなのかも知れません。
●経営効率より経済効果|権吾の美術ブログ
はっきり言ってしまえば、美術館ような施設は、独立採算による黒字化なんて無理です。何らかの補助を受け続けなければ存続することなんてできません。これは次回のブログでもっと書くつもりでいるのだけど、多額の寄付金を集めている米国の美術館にしても、経営状態はかなり苦しいいのですよ。でも、日本との大きな違いは、米国の美術館は現在進行しているアートマーケットと密接な関係にあり、その地域全体のアート産業を活性化させるための大きな役割を果たしているという点…。
http://ameblo.jp/kengonagai/entry-10040252498.html
●名古屋ボストン美術館
開館後20年間でアメリカ側へ約5千万ドルを寄付することも義務付けられていた。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%90%8D%E5%8F%A4%E5%B1%8B%E3%83%9...
●ケース作文の練習-日本の美術館の総利益を上げるには-
②収入が多いが赤字の場合、支出が大きい。したがって、コスト削減策が必要となる。美術館における最大のコストは「維持費」と「人件費」であると考えられる。
なるほど。
なかなか興味深いです。
そもそも、大前提が違っている可能性がありますね!
いろいろ調べて頂いたみたいで、ありがとうございます。
「日本の美術館は赤字だが、海外の美術館も赤字だ。」という前提かもしれませんね。
紹介資料はよく読んでみます。
個々の美術展での来場者の数は日本の美術展が上位を独占していますが年間の来場者数は国内トップの東京国立博物館でも年間250万人程度で、世界のランキングで10位以下です。トップは年間700~800万人の来場者があります。下記URLは少し古いですけど2007年度の入場者ランキングです。
http://beautifulwomanbeauti.blog121.fc2.com/blog-entry-64.html
で、どうなのでしょうか。
東京国立博物館は黒字なんでしょうか。
もしくは、2009年度は、黒字化したのでしょうか。
質問に答えて頂けてないように思います。
日本人の知的教養の高さを伺わせていますね。イギリスやフランスなどヨーロッパの「芸術」は貴族のものと考えていて、労働者階級が興味を持つものではありません。階級社会のヨーロッパでは、日本のように高い金払って美術館にわざわざ出向く人の数も少ないです。日本は「一億総中流」というのも、こういった場所に現れているように思います。だから日本の入場者数は凄く多いですね。国民全体の知的教養が高いので。
しかし、知的教養の高さと運営の仕方のノウハウは、比例するという事はあり得ません。人が入っているのに、効率の良い運営が行われていないので、簡単に赤字になってしまいます。効率の良い運営とは、フランスのルーヴル美術館のようにパリ全体と絡めて外国人からガボガボ稼ぎ出す事です。
美術館は研究機関としての目的もあるので、保存などに金がかかりすぎて、単体での運営が厳しい以上は、パリ全体などとの相乗効果を狙って政府の補助金なども考えて運用していく必要がありそうです。それでこそ美術館としての意味が生まれるのだと思います。
質問にまったく答えて頂けていないのですが・・・。
物価は軒並み日本よりも高い英国ですが、王立の博物館・美術館は原則無料という姿勢が非常に立派だと感じます。
4の回答以上に、質問にまったく答えて頂けていないです・・・
ニューヨークの メトロポリタン美術館(The Metropolitan Museum of Art, New York) と、東京・京都の国立近代美術館や国立西洋美術館など5館を運営している 独立行政法人国立美術館 とを比較してみました。
結論から言いますと、メトロポリタン美術館は赤字で、国立美術館は黒字です。
ではなぜ日本の美術館の入場料が高いかと言えば、入場料以外に大きな収入源がない、という点が考えられます。
メトロポリタン美術館の財務については 2008–2009 | Annual Report | About the Met に各種資料がありますが、概観するには Report of the Chief Financial Officer(財務主任のレポート)が良いと思います。
2009年度は、収入が2億1300万ドルで、支出が2億2100万ドルなので、800万ドル(約7.5億円)の赤字です。
この年は不況の影響もあるようですが、2008年度も約200万ドルの赤字だったので、2009年度だけ例外的に赤字だったわけではないようです。
ここで、収入の区分を示した円グラフにあるように、収入で最大のものは Endowment(寄付)であり、7700万ドル(約72億円)、35%を占めます。
入場料収入(Admissions)は2900万ドル(約27億円)で、収入に占める割合は14%ですから、入場料収入の二倍以上の寄付があるわけです。
また、会員費(Membership)が2200万ドル(約20億円)で11%にのぼる、という点も特筆すべきでしょう。
一方、国立美術館の予算・財務諸表 にある 決算報告書 によれば、平成20年度は人件費の削減や入場料収入の増加などで、2億8700万円の黒字です。
(収入の多くは交付金と補助金ですので、純粋な黒字とは言えないかも知れません)
入場料収入を含む展示事業収入は13億円、比率8.1%です。
寄付金収入に至っては、そもそも予算に見込まれておらず(0円予算)、比率も0.2%にすぎません。
この状況で収入を増やすとすれば、入場料を上げるか寄付金を増やすかですが、寄付の文化が根付いていない日本では入場料を上げざるを得ない、という事になるのだと思われます。
海外の美術館では、入場料を上げる前に寄付を募って(あるいはまず会員費を値上げして)入場料の値上げを回避する、という手段が使えるわけです。
以上、ご参考になれば幸いです。
good!!!
これは、良回答です!
今まで頂いたはてなの回答で一番いい回答だと思います。
これは勉強になりましたし、具体的なので、すごい参考になりますね。
こういう回答を期待して待っていました。
本当にありがとうございます。
美術展と美術館はちがいますよ。後者は当然欧米の方が入場者がずっと多いです。
日本の美術展が入場者が多いのは、日本の美術館はふだんは欧米の作品をもっていないからでしょう。ないから来たときにどっと押し掛けるというやつです。
good!!!
これは、良回答です!
今まで頂いたはてなの回答で一番いい回答だと思います。
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こういう回答を期待して待っていました。
本当にありがとうございます。