日本の財務状況をざっと教えて下さい。

税収・支出の内訳で、定性的なもので良いです。

いろいろ聞くのですが、簡単な円グラフ程度で全体がちゃんと理解でき実態に即していると信用できるものが少ないように思います。

例:
【200X 年時点】
収入:合計90兆円
税収50兆円(消費税**兆円、・・・)
国債発行額40兆円
支出:合計90兆円
**
**

国の債務1400兆円(公称883兆円だけど、**の理由により実はこのくらい)

個人資産1400兆円(うち現金預金700兆円)
法人資産1XXX兆円(うち土地**・・・、時価会計で補正が**・・・)

など。フォーマットはお任せします。

上記数値は適当ですが、政府のマクロ統計はだいぶ補正がかかっているという話もあるので、全体にあなたが信用している数値を紹介して頂ければ結構です♪

あと、これらの状況を改善する(例えばプライマリバランスを0にするための)施策などもありましたら合わせて紹介して下さい!(例:「所得税住民税等オール0、その代わり消費税30%で税収60兆円」「現行の税金全部0、その代わり付加価値税5%で25兆円+資産課税1%でさらに30兆円の税収」とか)

よろしくお願いします。

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  • 終了:2010/06/13 08:15:23
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ベストアンサー

id:I11 No.3

回答回数732ベストアンサー獲得回数55

ポイント40pt

支出は80兆~90兆で推移しているというような理解が一般的な理解でしょうが、そういう財務の理解をしているかぎり、日本の国家予算の全体像はわかりません。

一般会計、特会、財投、補助金、補給金、交付金、出資金、そして特殊法人の一般会計と特別会計。それらのカネなモノやサービスが複雑に出入りすることによって、全体としての日本の予算が形成されているというのが実態です。

民主党の財政改革を最初に主導した政治家は、菅総理でも鳩山前総理でも小沢元代表でもなく、政権交代するまえに刺し殺された石井紘基議員でした。その石井紘基議員は、「日本が自滅する日」という本を書き、日本の財務の状況を分析しています。

「日本が自滅する日」は、最近、ネットでも全文が読めるようですので参考にしてください。以下、「誰も知らない日本」の部分より引用します。

 

日本が自滅する日 殺された石井 紘基 (著)  全文 目次

http://www.asyura2.com/09/senkyo68/msg/739.html

日本が自滅する日 殺された石井 紘基 (著)  全文 序章

http://www.asyura2.com/09/senkyo68/msg/741.html

日本が自滅する日 殺された石井 紘基 (著)  全文 1-1 利権財政の御三家―特別会計、財投、補助金 誰も知らない日本

http://www.asyura2.com/09/senkyo68/msg/1064.html

通常、国の予算というと、この一般会計のことをいい、マスコミもこれしか報道しないが、じつは「特別会計」と呼ばれる裏の予算があり、こちらのほうが規模ははるかに大きいのである。特別会計については次節で詳しく説明するが、国が郵政とか道路整備とかといった特定の事業を営む場合や、厚生年金保険のような特定の資金を保有してその運用を行う場合につくることができる、一般会計とは別の会計のことだ。

 その特別会計がいま三八もあって、それらの歳入を合計すると三三六・五兆円、歳出を合計すると三一八・七兆円にもなる。ここに入ってくるのは、揮発油(ガソリン)税のような税金もあれば、厚生年金の保険料もある。一般会計の四倍もの規模をもつ、この特別会計こそが〝財政の横綱″なのである。

 この国の財政にはもう一つ、他の先進国には見られない 「財政投融資」という大きな枠組みがある。詳しくは第三節で説明するが、私たちの郵便貯金や簡易生命保険の保険料、年金の積立金を集めて、それを特殊法人に融資したり、国債や地方債を引き受けたりしている。その規模が平成一二年度の計画段階では四三・七兆円だった。

 これら三つについては通常、一般会計を第一の予算とみなし、財政投融資を「第二の予算」ということが多いが、それはことの本質をみていない。規模の点でも、実質的な意味でも、特別会計こそ第一の予算であり、財政投融資はそれに次ぐ第二の予算、一般会計は単なるたてまえ予算といっても過言ではないのだ。

 また、これら三つの枠組みの問では、たとえば一般会計から特別会計に資金が繰り入れられたり、財政投融資で調達された資金が特別会計に繰り入れられたり、相互に複雑な資金のやり取りが行われている。そしてその財政資金がさまざまなルートを通って地方自治体に流れたり、特殊法人・公益法人に流れたりし、さらには関連企業に流れて、この国の〝官制経済″体制の動脈を形成しているのである。

 それではわが国の本当の予算はいくらなのか。これをはじき出すためには「一般会計」と「特別会計」から、複雑極まりない出入りや二重三重の重複部分を除いた数字を算出しなければならない(さらに正確には財政投融資会計との関連においても集計しなければならないが、それは不可能に近いほど複雑であるので、ここではこの関係を捨象する)。

 まず平成一二年度の一般会計予算は八五兆円である。

 次いで平成一二年度の特別会計の概要をみると、(歳入)の単純合計が三三六・五兆円であり、そのうちの重複分(一般会計、他の特別会計から入ってくる分)は一九二・三兆円である。つまり、重複分を差し引いた総計は一四四二一兆円である。

 これに対して(歳出)は単純合計が三一八・七兆円であり、その内の重複分(一般会計、他の特別会計へ出ていく分)は一四三・三兆円である。つまり、重複分を差し引いた総計は一七五・四兆円となるわけだ。

 ここで重複分というのは、歳入であれば、国債整理基金特別会計に一般会計から入る二二兆円や、地方交付税として交付税及び譲与税配付金特別会計に入る一四・九兆円などを指す。歳出であれば、一般会計へ繰り入れられる印紙収入一・二兆円や、重量税〇・八兆円などを指す。

 以上の通り、一般会計の歳出が八五兆円、一般会計との重複分を除く特別会計の支出が一七五・四兆円であるから、わが国の歳出における財政規模(=年度予算額) は二六〇・四兆円ということになるのである。

 

 税収二二年分の借金大国

 

 つぎに、二一世紀初頭におけるわが国の借金について見ていきたい。「平成一三年度末で国と地方を合わせた借金は六六六兆円になる」とよくいわれる。この数字は、旧大蔵省が平成一三年度予算案を編成したときに発表した「国および地方の長期債務残高」に示されている。国債や長期借入金など国の長期債務が五〇六兆円、地方の長期債務が一八八兆円、重複分二八兆円を差し引いて六六六兆円というわけである。

 しかし私にいわせれば、この数字は債務を長期に限るなど過小評価である。そこで、財務省、総務省などで把握されているデータに基づいて推計してみた。

 それによると少なくとも、わが国の借金は六六六兆円などというものではない。実際には一〇〇〇兆円を上回っていると思われるのである。

 まず国の借金について、財務省が平成一三年六月二五日に出した「国債および借入金並びに政府保証債務現在高」に示されている数字は図表1-2、他方、総務省が把握している地方債の平成一一年度末の現在高は図表1-3の通りだ。

 二つの図表に示された国の借金と地方の借金を合計すると、(若干の時期的ズレはあるが)ざっと七八〇兆円となり、これだけでもすでに六六六兆円をはるかに超えている。

 政府の六六六兆円という計算には、特殊法人の借金の一部を保証している「政府保証債務」と恒常的な調達資金である「政府短期証券」、さらに地方の公営企業分の一部を含めていない。

 だが、特殊法人の借金残高は、第二章の特殊法人の項でも述ベる通り、年々歳々大幅な増加を続けている。しかも、特殊法人の経営構造はほぼ例外なく赤字体質で、莫大な欠損金を政府補給で埋めている。

 さらに、若干の資産はあるものの、それらは売却しても今日までの政府出資金にも到底満たないことと合わせて、現実には行政による社会資本整備部門の資産評価は論外というべきであるから、現在、特殊法人(認可法人も同様)が抱えている借金は事実上、国の借金なのである。特殊法人と認可法人が積み上げてきた借金残高は、財投からの二五七・三兆円を含め計三四四兆円である。

 なお、特殊法人の借金のうちの一部は「政府保証債務」に計上されており重複するので、この分は特殊法人の借金から除く。また、「政府短期証券」は外貨資金証券や食糧証券などの資金繰りに使うお金であるが、恒常的にある借金である。

 

図表1-2 国債などの債務現在高

    (平成12年度末)(単位二兆円)

内 国 債 380.6

借 入 金 110.0

政府短期証券 47.6

政府保証債務 57.8

計 596.0        (出所:財務省)

 

図表1・3 地方債の現在高(平成11年度末) (単位:兆円)

普通会計分 公営企業分 計

都道府県計 67.3 12.8 80.1

市町村計 58.3 44.5 102.8

計 125.6 57.3 182.9

(出所:総務省)

 

 これらの借金のほかに、一般会計と交付税特会のやりとりの中に隠れた借金がある。財務省の試算では五兆円前後ということだ。

 以上、わが国の長期・短期の借金総額ははっきりしているだけでも一〇六六兆円超となるのである。これは国税収入の二二年分に相当する。

 中には、この借金の一部に見合う資産があるので、借金は実際には、もっと少ないかのごとく吹聴する向きもある。しかし、それは後述するようにまやかしであり、正真正銘、わが国は一〇〇〇兆円以上のマイナス勘定である。

日本が自滅する日 殺された石井 紘基 (著)  全文 1-2 究極の“裏帳簿”特別会計

http://www.asyura2.com/09/senkyo68/msg/1065.html

日本が自滅する日 殺された石井 紘基 (著)  全文 1-3 官制経済を支える“闇予算”財投

http://www.asyura2.com/09/senkyo68/msg/1066.html

日本が自滅する日 殺された石井 紘基 (著)  全文 2-1 経済むしばむ“官企業”―特殊法人と公益法人など

http://www.asyura2.com/09/senkyo68/msg/1067.html

日本が自滅する日 殺された石井 紘基 (著)  全文 2-2 民間経済の上に君臨する特殊法人

http://www.asyura2.com/09/senkyo68/msg/1068.html

日本が自滅する日 殺された石井 紘基 (著)  全文 2-3 世界一のゼネコン ― 日本道路公団

http://www.asyura2.com/09/senkyo68/msg/1069.html

日本が自滅する日 殺された石井 紘基 (著)  全文 2-4 利権に利用される公益法人

http://www.asyura2.com/09/senkyo68/msg/1070.html

日本が自滅する日 殺された石井 紘基 (著)  全文 2-5 官企業の就業人口は、なんと四〇〇万人

http://www.asyura2.com/09/senkyo68/msg/1071.html

日本が自滅する日 殺された石井 紘基 (著)  全文 3章 公共事業という名の収奪システム

http://www.asyura2.com/09/senkyo68/msg/1072.html

日本が自滅する日 殺された石井 紘基 (著)  全文 4章 構造改革のための二五のプログラム

http://www.asyura2.com/09/senkyo68/msg/1073.html

 

id:ReoReo7

ありがとうございます。

今引用して頂いた部分は全部読みました。

数字の桁が違う話で、80~90兆円の予算の内訳さえしっかりと把握していない自分には敷居が高く感じられます。リンク先も全部読みたいのですが・・・。

小泉さんが郵政民営化、そしてまた国営化の動き。

郵政や道路公団の関連で何か巨額のお金が動いているとは思っていましたが。。

TVでも討論があります(慶応大学の教授と郵政の副担当大臣(?)がTVでもめていました)が、議論されている内容、その真偽は一般視聴者である私にはわかりづらく、そういった裏側も軽く押さえておきたいな、と思った次第です。

上記文章の要約、できれば数十分程度で概略が分かるものもあれば嬉しいです。

2010/06/09 00:43:31

その他の回答2件)

id:NazeNani No.1

回答回数1615ベストアンサー獲得回数276

ポイント40pt

現時点(平成2010年)で最新のものが一番詳細まで載っているのは、

財務省(Ministry of Finance, Japan)による国のデータではありますが、

財務省の国庫歳入歳出状況などの各バランスシートだと思います。

まあ、ギリシャの様に後から、補正か隠し会計で大赤字が発覚!などと

いうことも、全くはなきにしもあらずとは言い切れませんが…。

↓ここの数字までが信頼できない数字だったら、かなり困りますね。:


<内部筋>国庫歳入歳出状況(現時点で最新のもの):

(歳入)http://www.mof.go.jp/jouhou/syukei/sainyu/h21/212203/2203a.htm

(歳出)http://www.mof.go.jp/jouhou/syukei/sainyu/h21/212203/2203b.htm

(特別会計)http://www.mof.go.jp/jouhou/syukei/sainyu/h21/212203/2203c.htm

 過去のデータを含む一覧:http://www.mof.go.jp/jouhou/syukei/sainyu.htm

 統計情報一覧:http://www.mof.go.jp/siryou.htm

 日本の予算・決算全般:http://www.mof.go.jp/jouhou/syukei/syukei.htm

 予算書:http://www.mof.go.jp/jouhou/syukei/h22/h22top.htm#seiritsu


今後の税制計画なども財務省のページに情報がアップデートされています。:

http://www.mof.go.jp/


外部筋では、米CIAのWorld factbookも詳しいですが、

まだ2009年度のデータなので、

現時点ではまずは先の数字が流れ出しているとは思います。

直はリンク不可なので、Japan > Economyの欄を参照ください。

Budgetの支出額なども載っています。:

https://www.cia.gov/library/publications/the-world-factbook/geos...


CIAの情報によると、日本政府の巨額の赤字は2009年時点でも

日本国民のGDPの192%をも占める、

世界第2位の赤字大国であるとも書かれています。

高齢化や少子化などの問題に付いても述べられていて、

結構信頼できるデータだと思いました。

毎年アップデートされています。

id:ReoReo7

ありがとうございます。大変詳しく、網羅的な情報で情報の元データとしては申し分ないと思いました。一方、

 1)数値が多く、どの数字を見てよいのか判断し辛い

 2)数字に意味づけがなされていないので、解説付きが望ましい

 3)国の借金は833兆円と言うが、実際は千何百兆円という話も聞く。統計に現れていない推計値でも良いので、例えば「国の借金は実は1***兆円だよ。なぜなら・・・」とか、恣意的な解釈を入れて実情を定性的に示した文章が欲しい(別に国の借金が833兆円を超えていなくても良いのですが、個人的な見解を述べた解説があると良い)。

 4)英文を読むのは不可能ではないが、統計データから証明できることに言及するに留まっている(個人レベルで咀嚼した統計データが欲しい。戦略レベルとしてどのような対策が必要かなどの見解があるとさらに望ましい)

全体に、

①統計がシンプル化されて一覧性がある

②それら統計を元に解説が加わっている

そしてできれば

③戦略的な対策が述べてある

と有難いです。例えばコンサルタントが書いた文章とか。

文句を付けているようで申し訳ありません。紹介していただいたサイトは十分参考になりました。

2010/06/08 09:13:48
id:Koriki-kozou No.2

回答回数53ベストアンサー獲得回数0

Little Braver

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  • アーティスト: Girls Dead Monster
  • 出版社/メーカー: アニプレックス
  • 発売日: 2010-06-09
  • メディア: CD

id:I11 No.3

回答回数732ベストアンサー獲得回数55ここでベストアンサー

ポイント40pt

支出は80兆~90兆で推移しているというような理解が一般的な理解でしょうが、そういう財務の理解をしているかぎり、日本の国家予算の全体像はわかりません。

一般会計、特会、財投、補助金、補給金、交付金、出資金、そして特殊法人の一般会計と特別会計。それらのカネなモノやサービスが複雑に出入りすることによって、全体としての日本の予算が形成されているというのが実態です。

民主党の財政改革を最初に主導した政治家は、菅総理でも鳩山前総理でも小沢元代表でもなく、政権交代するまえに刺し殺された石井紘基議員でした。その石井紘基議員は、「日本が自滅する日」という本を書き、日本の財務の状況を分析しています。

「日本が自滅する日」は、最近、ネットでも全文が読めるようですので参考にしてください。以下、「誰も知らない日本」の部分より引用します。

 

日本が自滅する日 殺された石井 紘基 (著)  全文 目次

http://www.asyura2.com/09/senkyo68/msg/739.html

日本が自滅する日 殺された石井 紘基 (著)  全文 序章

http://www.asyura2.com/09/senkyo68/msg/741.html

日本が自滅する日 殺された石井 紘基 (著)  全文 1-1 利権財政の御三家―特別会計、財投、補助金 誰も知らない日本

http://www.asyura2.com/09/senkyo68/msg/1064.html

通常、国の予算というと、この一般会計のことをいい、マスコミもこれしか報道しないが、じつは「特別会計」と呼ばれる裏の予算があり、こちらのほうが規模ははるかに大きいのである。特別会計については次節で詳しく説明するが、国が郵政とか道路整備とかといった特定の事業を営む場合や、厚生年金保険のような特定の資金を保有してその運用を行う場合につくることができる、一般会計とは別の会計のことだ。

 その特別会計がいま三八もあって、それらの歳入を合計すると三三六・五兆円、歳出を合計すると三一八・七兆円にもなる。ここに入ってくるのは、揮発油(ガソリン)税のような税金もあれば、厚生年金の保険料もある。一般会計の四倍もの規模をもつ、この特別会計こそが〝財政の横綱″なのである。

 この国の財政にはもう一つ、他の先進国には見られない 「財政投融資」という大きな枠組みがある。詳しくは第三節で説明するが、私たちの郵便貯金や簡易生命保険の保険料、年金の積立金を集めて、それを特殊法人に融資したり、国債や地方債を引き受けたりしている。その規模が平成一二年度の計画段階では四三・七兆円だった。

 これら三つについては通常、一般会計を第一の予算とみなし、財政投融資を「第二の予算」ということが多いが、それはことの本質をみていない。規模の点でも、実質的な意味でも、特別会計こそ第一の予算であり、財政投融資はそれに次ぐ第二の予算、一般会計は単なるたてまえ予算といっても過言ではないのだ。

 また、これら三つの枠組みの問では、たとえば一般会計から特別会計に資金が繰り入れられたり、財政投融資で調達された資金が特別会計に繰り入れられたり、相互に複雑な資金のやり取りが行われている。そしてその財政資金がさまざまなルートを通って地方自治体に流れたり、特殊法人・公益法人に流れたりし、さらには関連企業に流れて、この国の〝官制経済″体制の動脈を形成しているのである。

 それではわが国の本当の予算はいくらなのか。これをはじき出すためには「一般会計」と「特別会計」から、複雑極まりない出入りや二重三重の重複部分を除いた数字を算出しなければならない(さらに正確には財政投融資会計との関連においても集計しなければならないが、それは不可能に近いほど複雑であるので、ここではこの関係を捨象する)。

 まず平成一二年度の一般会計予算は八五兆円である。

 次いで平成一二年度の特別会計の概要をみると、(歳入)の単純合計が三三六・五兆円であり、そのうちの重複分(一般会計、他の特別会計から入ってくる分)は一九二・三兆円である。つまり、重複分を差し引いた総計は一四四二一兆円である。

 これに対して(歳出)は単純合計が三一八・七兆円であり、その内の重複分(一般会計、他の特別会計へ出ていく分)は一四三・三兆円である。つまり、重複分を差し引いた総計は一七五・四兆円となるわけだ。

 ここで重複分というのは、歳入であれば、国債整理基金特別会計に一般会計から入る二二兆円や、地方交付税として交付税及び譲与税配付金特別会計に入る一四・九兆円などを指す。歳出であれば、一般会計へ繰り入れられる印紙収入一・二兆円や、重量税〇・八兆円などを指す。

 以上の通り、一般会計の歳出が八五兆円、一般会計との重複分を除く特別会計の支出が一七五・四兆円であるから、わが国の歳出における財政規模(=年度予算額) は二六〇・四兆円ということになるのである。

 

 税収二二年分の借金大国

 

 つぎに、二一世紀初頭におけるわが国の借金について見ていきたい。「平成一三年度末で国と地方を合わせた借金は六六六兆円になる」とよくいわれる。この数字は、旧大蔵省が平成一三年度予算案を編成したときに発表した「国および地方の長期債務残高」に示されている。国債や長期借入金など国の長期債務が五〇六兆円、地方の長期債務が一八八兆円、重複分二八兆円を差し引いて六六六兆円というわけである。

 しかし私にいわせれば、この数字は債務を長期に限るなど過小評価である。そこで、財務省、総務省などで把握されているデータに基づいて推計してみた。

 それによると少なくとも、わが国の借金は六六六兆円などというものではない。実際には一〇〇〇兆円を上回っていると思われるのである。

 まず国の借金について、財務省が平成一三年六月二五日に出した「国債および借入金並びに政府保証債務現在高」に示されている数字は図表1-2、他方、総務省が把握している地方債の平成一一年度末の現在高は図表1-3の通りだ。

 二つの図表に示された国の借金と地方の借金を合計すると、(若干の時期的ズレはあるが)ざっと七八〇兆円となり、これだけでもすでに六六六兆円をはるかに超えている。

 政府の六六六兆円という計算には、特殊法人の借金の一部を保証している「政府保証債務」と恒常的な調達資金である「政府短期証券」、さらに地方の公営企業分の一部を含めていない。

 だが、特殊法人の借金残高は、第二章の特殊法人の項でも述ベる通り、年々歳々大幅な増加を続けている。しかも、特殊法人の経営構造はほぼ例外なく赤字体質で、莫大な欠損金を政府補給で埋めている。

 さらに、若干の資産はあるものの、それらは売却しても今日までの政府出資金にも到底満たないことと合わせて、現実には行政による社会資本整備部門の資産評価は論外というべきであるから、現在、特殊法人(認可法人も同様)が抱えている借金は事実上、国の借金なのである。特殊法人と認可法人が積み上げてきた借金残高は、財投からの二五七・三兆円を含め計三四四兆円である。

 なお、特殊法人の借金のうちの一部は「政府保証債務」に計上されており重複するので、この分は特殊法人の借金から除く。また、「政府短期証券」は外貨資金証券や食糧証券などの資金繰りに使うお金であるが、恒常的にある借金である。

 

図表1-2 国債などの債務現在高

    (平成12年度末)(単位二兆円)

内 国 債 380.6

借 入 金 110.0

政府短期証券 47.6

政府保証債務 57.8

計 596.0        (出所:財務省)

 

図表1・3 地方債の現在高(平成11年度末) (単位:兆円)

普通会計分 公営企業分 計

都道府県計 67.3 12.8 80.1

市町村計 58.3 44.5 102.8

計 125.6 57.3 182.9

(出所:総務省)

 

 これらの借金のほかに、一般会計と交付税特会のやりとりの中に隠れた借金がある。財務省の試算では五兆円前後ということだ。

 以上、わが国の長期・短期の借金総額ははっきりしているだけでも一〇六六兆円超となるのである。これは国税収入の二二年分に相当する。

 中には、この借金の一部に見合う資産があるので、借金は実際には、もっと少ないかのごとく吹聴する向きもある。しかし、それは後述するようにまやかしであり、正真正銘、わが国は一〇〇〇兆円以上のマイナス勘定である。

日本が自滅する日 殺された石井 紘基 (著)  全文 1-2 究極の“裏帳簿”特別会計

http://www.asyura2.com/09/senkyo68/msg/1065.html

日本が自滅する日 殺された石井 紘基 (著)  全文 1-3 官制経済を支える“闇予算”財投

http://www.asyura2.com/09/senkyo68/msg/1066.html

日本が自滅する日 殺された石井 紘基 (著)  全文 2-1 経済むしばむ“官企業”―特殊法人と公益法人など

http://www.asyura2.com/09/senkyo68/msg/1067.html

日本が自滅する日 殺された石井 紘基 (著)  全文 2-2 民間経済の上に君臨する特殊法人

http://www.asyura2.com/09/senkyo68/msg/1068.html

日本が自滅する日 殺された石井 紘基 (著)  全文 2-3 世界一のゼネコン ― 日本道路公団

http://www.asyura2.com/09/senkyo68/msg/1069.html

日本が自滅する日 殺された石井 紘基 (著)  全文 2-4 利権に利用される公益法人

http://www.asyura2.com/09/senkyo68/msg/1070.html

日本が自滅する日 殺された石井 紘基 (著)  全文 2-5 官企業の就業人口は、なんと四〇〇万人

http://www.asyura2.com/09/senkyo68/msg/1071.html

日本が自滅する日 殺された石井 紘基 (著)  全文 3章 公共事業という名の収奪システム

http://www.asyura2.com/09/senkyo68/msg/1072.html

日本が自滅する日 殺された石井 紘基 (著)  全文 4章 構造改革のための二五のプログラム

http://www.asyura2.com/09/senkyo68/msg/1073.html

 

id:ReoReo7

ありがとうございます。

今引用して頂いた部分は全部読みました。

数字の桁が違う話で、80~90兆円の予算の内訳さえしっかりと把握していない自分には敷居が高く感じられます。リンク先も全部読みたいのですが・・・。

小泉さんが郵政民営化、そしてまた国営化の動き。

郵政や道路公団の関連で何か巨額のお金が動いているとは思っていましたが。。

TVでも討論があります(慶応大学の教授と郵政の副担当大臣(?)がTVでもめていました)が、議論されている内容、その真偽は一般視聴者である私にはわかりづらく、そういった裏側も軽く押さえておきたいな、と思った次第です。

上記文章の要約、できれば数十分程度で概略が分かるものもあれば嬉しいです。

2010/06/09 00:43:31
  • id:ReoReo7
    ありがとうございました。
    難しい質問にも関わらず答えて下さり、参考になりました。

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