当時の産業形態とそれに関連する司法制度、貿易、技術の発展など、経済に関連の深い話題の具合や、文脈上の位置づけを知ることができるウェブサイトをお教えください。
例えば、「農奴が地主に土地を借りて、賃料を地主である貴族に納めていた」ということはどこを調べても出てきたので、主要な産業に「農業」があって、土地を持っている貴族はそれを収入にしていた・・・というのはわかるのですが、それだけで国の経済が成り立っているとは考えにくいです。 お金を持っていた貴族はどういうことにお金を消費していたのか、そのお金はどういう風に循環していたのか・・・とか、百年戦争などの戦争によってお金の流れはどのようになっていたのか、など、当時の主要な経済主体を絡めて、当時の社会を知ることができればと思っています。
テーマが大きいのでピンポイントでの回答になっていないかもしれないのですが、必要があればコメント欄などで(英語文献も含め)追記します。
高校世界史レベルの概観になりますが、世界史講義録 の 第52回 ヨーロッパ中世世界の解体 と 第53回 西欧各国の王権 は、基礎知識としてわかりやすいと思います。
大学レベルでは、瀬原義生教授の「大黒死病とヨーロッパ社会の変動」(PDF)
http://www.ritsumei.ac.jp/acd/cg/lt/rb/595PDF/sehara.pdf
が、ヨーロッパ各国ごとの状況を詳しく述べていますし、参考文献も豊富です。
ご参考になれば幸いです。
13世紀末から14世紀はじめまでに確立された貴族階級は唯一の参政権を持つ統治階級として滅亡までヴェネツィア共和国を支配することとなる。貴族階級が成立した14世紀において、彼らは本質的に商人であった。同時期に進行していた造船・技術の革新は地中海における商業活動を遍歴商業から定着商業へと至らしめ、地中海商業の地理的拡大と取引き規模の増大をもたらした。商人によって構成されていた貴族階級はこの恩恵を被ると共に、14・15世紀のヴェネツィアの繁栄に大きく寄与した。商業を営み利潤を追求する事が、全体としては共和国の繁栄につながり共和国への奉仕にもなったからである。国有ガレー船での輸送において商品を平等に扱う規定などで共和国もまた個々の商人を保護する事に務めた。
貴族階級 = 商人
造船・技術の革新が、遍歴商業から定着商業へ、という整理がとてもすっきりしました
ガレー船は国有だったのですね。
ありがとうございました。
中世ヨーロッパ経済は教会活動そのものと言っても良いので、中世経済を理解するためには教会の経済活動(と教会権力から独立しようとする活動)を理解することが重要です。
このあたりの文献を読むと良いでしょう。
国立国会図書館 NDL-OPAC
教会は絶対主要なプレイヤーだと思っていました。
tinyurlをお使いになられたURLは、どれも「・セッションの時間切れです。トップページから再度ログインしてください。」としか出てこないので、できれば検索に使ったキーワードなどを共有していただけると助かります。
OPACの2つの文献については明日読んでみます。ありがとうございました。
黒死病は、14世紀のヨーロッパで大流行した強力な伝染病。高い致死性を持っていた事や罹患すると皮膚が黒くなる事からそう名づけられた。ペストとも呼ばれる。
人体にペスト菌が入ることにより発症する病気で、日本では法定伝染病に指定されている。元々齧歯類(特にクマネズミ)に流行する病気で、人間に先立ってネズミなどの間に流行が見られることが多い。菌を保有したネズミの血を吸ったノミ(特にケオプスネズミノミ)に人が血を吸われた時にその刺し口から菌が侵入したり、感染者の血痰などに含まれる菌を吸い込む事で感染する。
一説によると、中世ヨーロッパで大流行した黒死病は、同時期に行われた「魔女狩り」によって、魔女の手先だとされていた猫を大量虐殺したためにネズミが大発生。ネズミによって運ばれたペスト菌により黒死病が大流行してしまったという。
また、2004年に英国で出版された「黒死病の再来」という本によると、当時の黒死病は腺ペストではなく出血熱ウイルス(エボラ出血熱のような)だったという説もある。
Wikipediaの黒死病でわかることだけですが、試みに感謝いたします。
「大黒死病とヨーロッパ社会の変動」が、調べていることにとても有益でした。当時の社会のリソースの所有権は確かに「なんとか卿」などに帰属していて、主要な資産家の名前をたどることで社会形態のデータが見えるということはとても腑に落ちました。ありがとうございました。貴重な参考文献のリストも手に入れることができ、リサーチの効率が大幅に改善されそうです。
世界史講義録は、既に確認済みでしたが、それを含めてくださっている適切さに感謝いたします。