現実に空を飛んだり宇宙空間で活動したりという事を除いた場合に動作するものとして製造は可能なのでしょうか?
以下の状況で作成が可能かどうか教えてください。
1.飛べなくていい
2.宇宙で活動できなくていい
3.ジャンプしたり早く走ったり出来なくていい(歩いたりしゃがんだり出来る程度)
4.乗り心地は悪くていい
5.サイズは実物と同じ15メートルくらい
6.未知の金属でミサイル食らっても無傷じゃなくてもいい(紙の装甲というのは厳しいので軽自動車のボンネットくらいの強度は欲しい)
7.水陸両用でなくてもいい
8.制作費は気にしなくてもいい
また実現できない場合はどういった部分がネックで実現は難しいのかもあわせて教えてください。
(定義としてはガンダムではなくパトレイバーに近いかもしれませんので、そういった線でも可能かどうか教えてください)
今現在、人が乗って移動できる「二本足」ロボットとしてはこんなものが「売られています」。
「榊原機械株式会社」の「リアル体感ロボット『LAND WALKER』」です。
http://www.sakakibara-kikai.co.jp/amusement.htm
http://www.sakakibara-kikai.co.jp/products/other/LW.htm
「データ
全高 3m 40cm
総重量 1000kgw
搭乗人員 1名
動力 エンジン(250cc)
移動方法 すり足二足歩行
移動速度 時速 1.5km/h
搭載装備 エアー砲 2門 (クッションボール)
右側 バルカンタイプ(6発)
左側 ショットガンタイプ(6発)
コクピットモニタ(切替式)
本体の前下、後下
エアー砲弾はクッションボール」
「すり足」なので、HONDA ASIMO http://www.honda.co.jp/ASIMO/ の様な動きは無理ですね。
さて、15m位の高さと言えば大体3階建ての家位の高さになります。これ位だとしゃがむのは無理でも、LAND WALKER程度の歩き方で良ければ、取り敢えず「歩いている様に見える」ものは作れます。
すり足で良いのなら、大雑把に考えれば、足の部分は小さな自動車みたいなもので良いので、今のテクノロジーではこの2台の小さな自動車を低速で交互に動かすのは比較的難しくはありません。この自動車がちゃんと動かせれば、その上に人が乗る部分を作れば良いのです。
人が乗って動いた時に人が怪我をする危険が無い程度の強度が有れば良いという事なら、骨格だけしっかりと丈夫な素材で作って、表面は強化プラスチックを使って、見た目、ガンダムみたいにしてしまう事もできますね。
これ以上、複雑な動きをする場合には、HONDA ASIMOをそのまま大きくする訳にはいきません。ちょっと違う例えになりますが、新幹線と普通の電車でさえ「違うテクノロジーで作られていると言える」のです。ロボット工学として根本から技術を構築する必要が有りますね。
久米の里Zガンダム
http://www.youtube.com/watch?v=0v1PiGlHVpI
http://bitter.swee.to/gundam.html
ボトムズ
http://ironwork.jp/monkey_farm/botoms/botom-top.html
15m程度の身長でも総重量がかさんで、それを支える骨に相当する物質に求められる
強度が不足するとかで製造が困難だと聞いたことがあります。
実現できるとしたら10m以下の出来るだけ小さく軽いほうが良いようですが
燃料を内蔵式だとしたら、またそのぶん重さがネックになりそうなので外部としても
あとは制御の問題でしょうか?
人間と同じくらいの速度で歩行くらいはさせたい所ですが、その振動などを出来るだけ
軽減したとしてもかなりメカにかなり負担をかけるので、タイヤを使った移動よりも
頻繁にメンテする必要があるかもしれません。
またバランスを崩した際の制御ですが、サイズが大きな分かばい手の動作も周りへの影響が
心配ですし、足や手以外で体重を支えた場合の損傷も心配ですね。
大型化の前にまずは小型化したもので歩行に関する制御を、徹底的に研究してからの方が
実現する近道じゃないでしょうか?
ここまでハードルが下げられていれば、あとは動作速度がポイントかと思います。
見せ物レベルの「なんとなく動いている」程度の速度で良いのであれば
(8が実現可能であれば)現状でも制作は不可能ではありませんが、
戦闘とはいかないまでも、何らかの作業を現実的に行う事ができる速度となると、
数十年かそれ以上の時間が必要だと思います。
パトレイバーの劇中でも、篠原重工のオートバランサーがキーとなっていますが、
仮に巨大サイズのものを速い速度で動かす関節部分などが実現できたとしても、
それを動かした上で倒れない制御の方が遥かに困難です。
奇妙な動きと脅威のバランス性能で有名な四つ足の BigDog の技術を応用した
PETMAN というロボットが開発されていますが、サイズ以前に大きな問題があります。
PETMAN Prototype
http://www.youtube.com/watch?v=67CUudkjEG4
人型をした物の動きを制御する場合、上半身の動作にともなうバランス制御で、
いちいち足を動かす訳にはいかないという事です。
※腕を広げるだけで、あっちへフラフラ、こっちへフラフラでは役に立たない
その為には、上半身〜腰でバランスを取る技術に加え、
手のひらという腕の先にあるパーツを、出来る限り軽くする必要があります。
無理だと思います。
理由:
(a) 重量
ASIMOの身長を10倍にすると、重量は1000倍です。
ASIMOは130cmで50kg強ですから、15mですと70トン程度になります。
股関節の負担どころか、腕がぶら下がる肩ですら、重さに耐えられる物を作れないと思います。
また足が3m四方が2つだとすると、1m四方にかかる重量は約4トン。手のひらぐらいの面積に50~100kg程度の重量がかかります。水2リットルのペットボトルを30~40本手のひらの上に積み上げたようなものです。このような機械が土の上を歩くのは、人間が干潟を歩くように土にめり込むでしょう。
ASIMOとは違う仕組みが必要でしょう。
http://www.honda.co.jp/news/2005/c051213-asimo.html
(b) バランス
外的要因(風や人が押すなど)を吸収してバランスをとる仕組みは、ASIMOで実現していますが、10倍以上の大きさとなると、100~1000倍の精度のセンサー、10倍以上の瞬間最大出力が可能なサーボを必要とするでしょう。もしくは、センサー類は同じだが、センサー数を100~1000倍設置する方法でもいいかもしれません。
(c) 安全性
どんなにバランスを完璧にしても、倒れてしまうことはあります。このときコックピットが胴体にあると、2階の屋根から飛び降りたぐらいの衝撃があるわけですから、それを吸収するような仕組みが必要です。エアバッグが早めに開くなら、車と同程度のエアバッグでも大丈夫でしょうが、地面にたたきつけられた瞬間に作動するシステムでは、もっと衝撃を吸収するような仕組みが必要です。
サイエンスライターである永瀬唯氏の著作『肉体のヌートピア ― ロボット、パワード・スーツ、サイボーグの考古学』で、高さ10メートル超の人型歩行ロボットは実現可能と書かれていました。手元にないので記憶発言で失礼しますが、実際にロボット研究を行っていた技術者による数十年前の主張を引用したものです。現在の科学技術なら、より実現可能性は高いでしょう。
念のため、永瀬氏は実際にガンダム作品の設定考証にかかわっていますが、当該書籍はノンフィクションです。
※問題は自重を支えられるかどうかなので、むしろ宇宙の無重量状態で動作できるガンダムの方が製作は容易でしょう。
ちなみに、一口に「ガンダム」といっても、様々な種類があります。サイズも搭乗場所も異なっており、実現可能性に大きな幅があります。たとえばガンダム作中にはプチモビルスーツと呼ばれる小型サイズのロボットがあり、実現可能性がぐっと高いと思われます。下記ページの【その他】を見てください。
http://www.gundam.info/topic/3717
上記プチモビルスーツは「ガンダム」とは呼べないかもしれません。しかし半公式作品である長谷川裕一『逆襲のギガンティス』に登場する「デコプチ(デコレーション・プチモビルスーツ)」には小さくて頭部が巨大でずんぐりむっくりな……いわゆるSDガンダムそっくりで3メートルほどの高さの“ガンダム”が登場しています。これが最も現在の技術で製作容易なガンダムかもしれません(笑)。
製造は「可能」です。
ガンダムも、「ガンダリウム合金が・・・」とか言わない限りは基本的に
「ロボット工学・ロボット制御工学」の延長上にあるものですゆえ、
・二足歩行
・操縦型
であれば、「5億円程度で可能」というようにロボット工学の研究者の方に聞いております。
ネタ元:立命館大学 金岡克哉博士
HP:http://homepage.mac.com/mmse/
※関連する論文などもDLできます。
論文はこちらのURL:http://homepage.mac.com/kanaoka/profile.html#reviewed_journals
尚、最近の金岡博士の著作物もかなり参考になるかと思います。
あのスーパーロボットはどう動く―スパロボで学ぶロボット制御工学 (B&Tブックス)
※装丁に反して、内容はロボットの動作原理などを数式を使って解説していますので、大学教養程度の数学・物理は必要かもしれません。
ただ、大学生時代、こういう解説書があれば、数学や物理をもっと真剣に勉強できたのになぁと思います。
また先日「奇跡の地球物語」(テレ朝 日曜18:30)でも取り上げられていました。
もしかして質問者さん、これをご覧になられたとか?
金岡博士の理論をボクが理解しているレベルで要約しますと以下です。
・操縦機構は、通常のガンダムのようなレバーで操縦型ではなく、Gガンダムやレイバーに近い自分の動作を反映して、
ロボットを操縦する機構です。(専門用語で「マスタースレイブシステム」というようです。マスター(主人)が人で、スレイブがロボットという関係ですね。)
・人間の力を増幅させる一方で、「仮想パワーリミッタシステム」という金岡博士の構築した理論をもとに、感度も高いので、
スチール缶を潰せるほどのパワーをもつアームで、特別な訓練もなく生卵を割らずに持ち上げたりもできます。
※実際体験させていただきましたが、驚きです。
※パワーは出力を増やせば、もっと増強することも可能とのこと。
尚、指だけのものは、東京のみらい館で展示されているようです。(ドラえもんフェア)
http://www.doraemon-miraiten.jp/
・操縦感は、余計な力を入れず、「自然に動く」と勝手にロボットがついてくるイメージです。
下手に力を入れてしまうと、微妙な筋肉の振動まで感知して、ぶるぶる震えてしまいます。
誤解を恐れず感覚的に言うと、「人間の動きから瞬時にフィードバックをかけて、ロボットが動くべき方向を感知して、
動く」→「人がそこまで力を入れなくてもスムーズに動くように感じる」ようです。
これはセンサーの技術と、上記の仮想パワーリミッタシステムをベースとしたもののようです。
・肝は「操縦のしやすさ」でしょう。ロボット工学の分野ではあまりここに重点をおいて研究する研究者がいなかったみたいですが、
上記著書をご覧になると分かりますように、「ガンダムをつくる」(ご本人はマクロスのバルキリーが好きなようですが)
ことをひとつの目標に据えているので、この「操縦しやすさ」を研究されてきたようです。
・まだアームとレッグと、パーツパーツでしかできませんが、組み合わせることで全体もできますし、
単純なスケールアップ(15m)も可能です。15mまでスケールアップすることに意味があるかはわかりませんが。
・電力ですが、前述のアームで1100Wくらいらしいです。ドライヤーと同程度らしいですね。
単純計算で全体で5000Wくらいでしょうか。
最初は普通にエンジンとかで動かそうと思えば動かせそうです。
・開発費は2-5億円程度。幅があるのは、「人件費をかけれるかどうか」で、お金をかければ早くできるそうです。
・ただ「ガンダムか」というと、イメージ的に近いのは前述の通り、パトレイバーや、AppleSeedの「ランドメイド」のようです。
しかし、質問者さんが、制限を緩めることができたので、あえて「ガンダムはできる」とお答えします。
※開発予算がつけば(笑)
ボク自身、金岡博士のファンなので、少し「偏った」回答になっているかもしれませんが、ご参考になれば嬉しく思います。
上記回答に補足させていただきます。
私の私見で書きましたサイズの部分ですが、一点、ご本人からコメントがあったので、要約して追記いたします。
> 5.サイズは実物と同じ15メートルくらい
ここだけは難しいかもしれないと。
【理由】大きくすればするほど、アクチュエータや材料の強度の問題が発生。
ただし、原理的には大きさは関係ない。特に制御工学の観点からは問題ない。
強度の問題に関しては、ニーズさえあれば次第に解決されていくであろう。
現存の重機でもモンスターマシンはいくらでも存在するゆえ。
またオートバランスに関しては、以下のリンク先に学会の発表資料があるのでご参照ください。
オートバランスとパワーアシストのハイブリッド制御
http://homepage.mac.com/kanaoka/profile.html#kzjnrc_200903
※特許も取得済みのようです。
自分の私見も交えた本件回答まとめを下記に掲載しております。
よろしければどうぞ。
人が乗らなくてもよくて、なんとなく歩いている気がする、程度なら可能でしょう。
基本構造は、炭素材料と軽金属のコンポジットで構成する。構造体はパイプか梯子で作り、
指、手首、ヒジは曲がらない。首回らない。自由度は、両肩、腰、股間、膝、足首のみの6自由度。アクチュエータもここだけ。エネルギーは外部供給(エヴァみたいにね)。
この、丸と棒でできたものに、薄いハニカム材で外装を付ける。結構雑でよければ、発泡スチロールでもいいかも。
歩くのは結構厳しい。重心の移動にアクチュエータが必要な場合がある。歩行玩具の様に、足のセ接地部分を重心を超えるような構造(片足でもそのまま立つ感じです)にしてしまえば、足の動作も楽です。
http://thumbnail.image.rakuten.co.jp/s/?@0_mall/twinland/cabinet...
人が乗れる様にすると、強度がケタ違いになるので、このサイズだと無理かもしれません。
サンダーバードのジェフトレーシーくらいな大富豪で、全財産を歩行ガンダムにつぎ込み、優秀な工学系の人材を20人ほど集めて、大規模な工場も併設するのであれば、10年くらいでできるかも知れません。この際重要なのは、材料ですね。
ヒトが乗るという安全性の観点での補足です。
ガンダムはもともとは「モビールスーツ」(ハインラインの「宇宙の戦士」)という発想が原点だったはずですから、ヒトが乗り込まねばガンダムではないとも言えるから。
用途を限定して、地上でガンダムが走ったり、はねたり、転んだりする場合に、問題になるのが移動や転倒時の人体への衝撃です。
ガンダム(身長18m)が普通に転倒しても、(上部にある)コックピットが10mくらい自然落下するので、大変です。
柳田理科雄氏あたりが考究されてますが、ハンパない衝撃で乗員の損傷は免れないのではないかというのは、もっともでしょう。
アニメにあるような操縦席の設計ではアムロの身体は耐えられないんじゃないかと思います。
人体損傷をおおきく軽減する仕組みはエヴァの方式ですね。液体(生理食塩水)で満たされたカプセルをコックピットとする。浮力で落下の衝撃も数分の一になります。
用途は違うのですが、「アイソレーションタンク」が実用化されてます。これを大きしてコックピットを浮かべれば使えそう!
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