>世界各国の衛星などの動きを追っている北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)が、衛星の高度が下がり追跡困難となったため8日で追跡を中止するとの情報をインターネット上に公開した。
NORAD の人間じゃないので、実際に NORAD がどんな方法で追跡しているのか分からない(特に毎年恒例のサンタクロースの追跡(^^;)ので、ほんとうのところは分かりませんが、
なんか近くなって追いやすいような気がするのですが?
という点に関して、ちょっと書きます。
例えば、飛行機は上空を時速何百キロものスピード飛んでいますが、同じ速度で地上スレスレを飛んでいたらどうでしょう。
飛行機自体の見かけの大きさは大きくなるので、「気がつかない」という事は無いでしょうが、目の前を一瞬で通り過ぎてしまいます。
しかし、晴れた日の空に飛行機を見つけると、長い時間をその動きを追うことが出来ます。
高度が下がるという事は、衛星自体の見かけの大きさや、衛星が発する電波の受信状態は良くなるとと思いますが、見かけのスピードは早くなるので、動きを追跡するのはその分、難しくなると思います。
地上に近いほど見掛けのスピードも速くなるので、追跡が難しくなります。
また人工衛星の軌道は、大気との摩擦の影響で刻々変化しています。
高度が低くなればなるほど、大気の密度の変化も激しくなるので
それを予測することが難しくなります。
次のページの
> ● 人工衛星も落ちてくることがあるのですか?
に解説があります。
人工衛星の軌道は予め計算できるのですが、
http://ja.wikipedia.org/wiki/人工衛星の軌道#.E4.BA.BA.E5....
こんなシステムで
こんなのを使って
追いかけているので、人工衛星の高度が下がり過ぎると元々スピードが速すぎるので、極々簡単に説明すると、アンテナが首を振れなくなって人工衛星を追いかけられなくなるのです。
大雑把には、速く動くものを目やカメラで追いかけた時、早過ぎると見え辛くなったり、画像が流れてはっきり写らなくなるのと大体同じ様なものだと考えると分かりやすいですね。
この写真の様にはっきり写らないのと似た様なものなので、人工衛星も大体の位置は分かるのですが、アンテナで直進性の高い電波を受信して正確な位置を把握する事ができなくなるというお話なのでした。
(画像を左クリックすると画像掲載元サイトを表示させる事ができます)
うぉぉぉぉ。なんてまとまった すばらしい回答を・・・。
ありがとうございました。よくわかりました。
衛星の通過速度が速くなるという他に、衛星の見通し距離が小さくなってしまうという観点もあると思います。
海岸に人が立って見渡せる範囲は意外と小さく、水平線の見えるところまでは5キロもありません。
10kmの高さから見渡せる範囲でも半径400キロ以内です。
人工衛星の高度が下がってくるとこの見通し距離がどんどん狭くなってきます。人工衛星から見渡せない地球上の場所からは人工衛星を見ることはできません。
つまり、うまく観測地点から見えるところを人工衛星が通過してくれないと追跡すらできないのです。
見通し距離
http://iojisan.cool.ne.jp/1_tool/formula/kyori.htm
電波見通し距離の近似式
なるほど・・・。