THEME:「幼年から今年まで……仲間や家族とのひと夏の思い出」
“ディア・ライフ”=『親愛なる日々』。イエは暮らしと人生の舞台。「LIFE」という言葉に、生活と人生の2つの意味をこめて、イエと家族のストーリーを語り合いませんか? 心のページに刻まれた思い出も、現在のイエでの愛しいワンシーンも。毎回のテーマに沿って素敵なエピソードを、豊かな暮らしを創っていく〈イエはてな〉のマインドで投稿ください!
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※質問は8月23日(月)正午で終了させていただきます。
星空は何といっても満天。
感慨深いですね。
人工的な星空よりも自然天体の星空は何ともいえないですね。
海岸の星空の下で結婚を誓い合った恋人たち。そして時が経ち、もうひとつの誓いを同じ星空の下で・・・・。まるでドラマのような素晴らしい思い出ですね。
時には壊れることもある不安定な恋愛からスタートして、それがもう決して離れることはないという強固な家族愛に高まっていく。その上に家庭という存在が築かれていく。
イエ、家族の成り立ちは様々ですが、そのひとつの理想の形を見る思いがしました。
この世に不変な物はありません。宇宙も常に変化を続けています。でも、今の星座の形の基礎が作られたのは、紀元前3000年の古代オリエントのころ。遊牧民達が、季節の変化を星の動きで知るために考え出したのが星座だと言われています。ということは、その頃から人々はずっと、ほぼ同じ形に並んだ星空を見てきたわけですよね。
ですから、星空に誓う愛は、少なくとも5000年は有効です。私も降るような星空の下で、そんな愛を誓ってみたいものです。
夏休みで行った家族旅行。行った先は伊豆の海です。私は関東ですから、そんなに遠出ではありません。しかし子供の私には、とてつもなく遠くまで来たように思われました。
交通手段はバスと電車です。父の車でという案もありましたが、どうせなら列車の旅も楽しもうということになったのです。特急で修善寺まで。おそらく踊り子号だったのだろうと思います。修善寺で降りると、次はバスです。バス停には何々汽船と、船会社の名前が書いてあります。さすが海の町、路線バスまで船の会社がやってるんだと、まずそのことに驚いたのを覚えています。
ここからバスに揺られること約1時間。これは特急に乗っているより長く感じました。着いたのは西伊豆の土肥温泉です。さっそく旅館に行き、私はもう海に行きたくてたまりませんでしたが、母はあまり体が強い方ではなかったので、初日は無理せず旅館でゆっくりくつろぐことにしました。
父と母にとってはここが思い出の地らしく、二人で窓から外を眺めて子供なんかそっちのけ。二人の世界に行ってしまっています。その間に私は旅館の中を探検です。あ、ゲームコーナーがありました。あとでお金もらってゲームしよう。おみやげコーナーもあります。大人になると観光みやげなんてどこも同じと見向きもしない人が多いですが、子供にとっては興味深い物ばかりでした。そして発見、露天風呂。これはもう入らずにはいられません。急いで部屋に戻って、露天風呂に行こう行こうと父を誘いました。こればかりは母と別行動になってしまいます。今考えると、私はせっかく二人の世界に浸っていたご両人を引き離してしまったのですね。時間はちょうど夕暮れ時。雄大な海の夕焼けを眺めながらの露天風呂は素晴らしい物でした。
翌日は一日海で遊びました。遊んで遊んで遊びまくって、もうくたくたです。旅館に帰ると、すぐに眠気が差してきました。私はそのまま眠ってしまったようでした。ハッと目が覚めると、もう窓の外は真っ暗。というより、父も母もとっくに夕食を済ませてしまっていました。
あんまりよく寝てたから起こしちゃ悪いと思ってと母。
晩飯にするか?それとも眠気覚ましに一風呂浴びるか?と父。
お風呂だ、昨日の露天風呂!
よし決まりだと、みんなで露天風呂に行くことにしました。母は女湯の入り口で、お達者で~などと手を振っています。物静かな母のこんなお茶目な様子を見るのは久し振りでした。父はそれを嬉しそうな目で見守っていたようでした。
お湯に浸かってしばらく。父が、空を見てごらん、と言いました。見上げると満天の星です。手足を伸ばしてお湯の浮力に体を委ねると、まるで宇宙空間に浮かんでいるようでした。
「この空をお前に見せたかったんだよ」。父はそう言いました。
そして、結婚を約束していながら一度は別れ、それでもお互いに好きな気持ちが変わらずに再び付き合い始めたこと、二度目に来たこの海で二人はもう一度結婚の約束をしたことなどを話して聞かせてくれました。
「この海の、この星の下で約束したんだ。お父さん達はもう何があっても別れない、子供が出来たら、必ずこの海と星を見せに連れてこよう、その時もう一度、今度は家族全員で、何があっても別れないと誓い合うんだ、ってね」。
私はジャブジャブっと顔を洗いました。それはちょっと涙が出てしまったからでしょう。もう一度星空を見上げました。これが誓いの星空かと思うと、また瞼が熱くなってくる気がしました。
風呂から上がると、母が「遅~い」と痺れを切らせて待っていました。「お父さんから聞いたよ、僕たち家族は何があっても別れない。じゃ先に部屋に行ってるからごゆっくり!」。
それから二人が部屋に戻ってきたのが、今度は私が「遅~い」と痺れを切らすくらい後だったことは言うまでもありませんでした。