冷静になって考えて見ると、「どう凄かったか?」
という疑問がわいてきました。
どう凄かったのでしょうか?
一度成層圏に打ち上げた質量がある物体を、任意のタイミングで任意の場所に落とすことが出来る。
(しかも二重三重のバックアップがあり、兵器運用時として信頼性が高い)
ここが一番すごい点ではないでしょうか?
仮にカプセル内に生物兵器や核兵器を搭載していれば...
宇宙開発は元々軍需開発の歴史です。
そういった点から着目してみると新たな価値観が見つかるのでは無いでしょうか?
なるほど、
これは思ってもみませんでした。
でも、ちょっと迂遠な気もしますね。
https://aspara.asahi.com/blog/science/entry/TmvNla1mZX
>四つあるエンジンのうちの三つが壊れて推進力を失い、地球に戻ることが絶望視されていた日本の惑星探査機「はやぶさ」。
>その帰還に、一転して望みがでてきた。
>希望の光をともしたのは、故障している二つのエンジンを組み合わせて1台分のエンジンの推進力を得る、という裏技だった。
http://d.hatena.ne.jp/iwamototuka/20091204/p2
>はやぶさの飛行はもともと、新しい技術であるイオンエンジンを実験するという意味合いがあった。
>爆発的に燃焼する化学燃料によるロケットより推進力は弱いものの、燃料は少なくて済む。
>ある程度の故障は織り込み済みだったとも言える。
4個あるエンジンのうち3個が壊れてしまい、一時は地球へ戻ることは絶望視されました。
しかし、設計していた当時は想定していなかった、故障している二つのエンジンを組み合わせて1台分のエンジンの推進力を得るという方法で、本当にギリギリの状況で地球に帰ってきたということが凄いのです。
また、イオンエンジンそのものが新しいエンジンであり、過去の技術の蓄積がないにもかかわらず成功させたことも凄いのです。
確かにそう言われると凄そうなのですが、
日本の過去の宇宙開拓史?
には凄い凄いと
言われていて、結局あまり成果を出さないで終わった
プロジェクトが結構にあるのではないのでしょうか?
民生への転換でその役割を果たしてはいるのでしょうが、
後で聞いてみます。
感想もあとで、
まず、エンジンが4基のうち3基故障しました。そして、故障したエンジン2基をつなぎ合わせて1基分の推力を生み出したこと。
小惑星イトカワの物の可能性がある砂を持ち帰ったこと。
一時、通信不能に陥ったものの、復活したこと。 位ですかね。
そうですね、
当初は私もそれだけで凄いとは思っていたのですが、
はたして、
冷静になって考えてみると、
非常に穿った偏見に満ちた言い方をすると、
一部の陽動者の言動による煽りではなかったのかと
疑っているのです。
科学的な知識を持ち合わせていない私にとっては
冷静になると、余計に?
なのですが。
日常的に日本の企業や町工場で行われている
プロジェクトとどう違うのでしょうか?
さまざまなトラブルが発生し、そのことで運用チームの優秀さがクローズアップされたことが、今のはやぶさの盛り上りの源になっていることは否定できません。
ただ、NASAと比べ限られた予算(飛ばせる重量の制限が厳しいので乗せられる機材の限界値が低い)の中で、何重にも考えられた仕組みが、運用チームの奇跡とも言える帰還の礎だったこともまた事実です。
さて、振り返ってそもそも「はやぶさ」計画が何故すばらしいものだった点ということですが、恐らく下記の点ではないかと個人的には思っています(ちなみに私も文系人間です)。
★惑星探査機として初めてサンプルを着陸して採集し、地球まで帰還したこと
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%83%97%E3%83%A...
過去に小惑星やラグランジュ点に到達してサンプルリターンを果たしたプロジェクトはありますが、小惑星の地表に着陸し、そこで作業を行い、それを持ち帰ったプロジェクトは初めてです。
→この成功で理屈の上では、はやぶさ型のロケットで、人類が月より外の惑星に、ロケットを飛ばし、土なりなんなりを持ち帰ることができる、ということを証明したことになります。
★イオンエンジンでの長期運用
途中のエンジントラブルのせいで図らずも当初計画より超長期での運用になったため、実運用とテストを兼ねていたイオンエンジンに7年もの宇宙空間での運用が実証されたこと。
→7年もの運用実績を積めたことで今度はイトカワより遠方の惑星へ向けてもイオンエンジンは有効であることを実証できた。
★日本の運用チームに、はやぶさプロジェクトを成功させる力がある(世界トップレベルのプロジェクト運用能力があること)を証明できたこと。
→これまでNASAしか成しえなかった、月より外へのサンプルリターンプロジェクトに日本が参戦することができるようになったこと。それもNASAより低予算で実現ができることを証明したこと。
→低予算にばかり目が向くのはかわいそうだけど、海外からの宇宙産業への受注をこの先考える上ではNASAより安定して安い、は強みになると思う。
ざっと考えたのはこんなとこです。私も運用中のトラブルははやぶさの凄さを証明するものでは必ずしもないとは思いますが、それを乗り越える運用能力は世界に誇れるものだとは思っています。
最後に文系的なモノの見方ですが、打ち上げから4年後ではなく、7年後という、日本経済が落ち目でかつ、科学技術予算がまさに削られようとしている今、奇跡を重ねて帰還を果たした、その運の良さは、はやぶさというプロジェクトを人格化したときに「何か持っている」ということですかね。
よくぞ、このタイミングで戻ってきた!
という空気読んだところ
ですかね(笑)
(擬人化し過ぎかもだけど、川口さんは明らかに今の日本に活力を与え、日本の科学技術振興のための起爆剤への役割を担わせている雰囲気が感じられる。繰り返し「試料が入っているかいないかは重要ではない」とサンプルリターンプロジェクトとしての失敗を印象付けないよう努力しているし)
何か持ち帰ったかどうかは、私もそんなに問題ではないと
思います。
ただ、この低予算・世界初というのは確かではありませんが、
以前のプロジェクトでも良く耳にしていたのではなかった
でしょうか?
企業や町工場のそこかしこで見れる凄さとの違いが
もうひとつはっきりしません。
ただ、物語としては本当に感動ものである事は確かだと
思います。
回答ありがとうございます。
『はやぶさ』とは小惑星探査機のことかな?
何が凄いってね。もちろん、小惑星を探査することも凄いですよ。でも、それ以上に凄いのは、地球から20億キロかけて飛んでいって、たかだか東京タワーの倍くらいの大きさのところに、ぴったりと到着すること。そして、そこで、探査機がちたちたいろいろ探査していることですよ。探査機は、まさに探査機の格好をしているわけですけど、ある意味、ロボットですわ。ぶっちゃけて言えば、アトムが小惑星まで飛んでいって、「地球、地球、応答願います。現在こんな状況なんですけど、どうしましょう?」ってやっているようなもんですよ。日本のロボット技術ってすげぇ。探査自体も、もちろん重要なんでしょうけど、その探査を目標として、さまざまな技術が開発されているというのが、興味深いじゃないですか。
もちろん、完璧に動いているわけじゃないですよ。いろんなものがぶっ壊れてますよ。んでも、ぶっ壊れていてもこの成果。凄いじゃないですか。
確かに(笑)。
でも、それは、くどいようですが、
街のあちこちで、企業のあちらこちらで
起こっている事と比べて、どうなのか?
という事で、
たとえ故障の復旧がなかったとしても、はやぶさは以下の2点で十分に偉業と言えるものだと思います。
・イオンエンジンの実証
はやぶさは世界初の「自力で航路を変更できる探査機」。それまでの探査機は、基本的に地球から打ち出したときの勢いでそのまま飛んでいくだけしか出来なかったが、はやぶさは高効率のイオンエンジンを利用することで自力で航路を変更できる。
・サンプルリターン
地球以外の惑星等から物体を持ち帰るというのは、実はアポロ計画で月の石を持ち帰って以来、NASAがスターダストで彗星の塵を持ち帰っただけしか成功例が無い。
小惑星イトカワには太陽系の誕生当初からあまり変質していない岩石等が残されていると予想されており、持ち帰ったサンプルを分析することで太陽系の形成の謎が明らかになる可能性もある。
うん、
そうですね。
その…
まず、小惑星から往復して帰還したことですね。
20年以上前のこと、後に「はやぶさ」プロジェクトマネージャになる川口先生たちがNASAと小惑星探査について協議していたところ、こちらが検討していたランデブーミッション(つまり片道)をNASAが「NEAR」として先に立ち上げてしまった。そこで負けず嫌いな川口先生が、ならばイオンエンジンで往復だ、とぶち上げたそうなんですが、勿論当時はイオンエンジンでの惑星間航行などという技術は存在しませんでしたし、惑星間探査といえば当時は「さきがけ」「すいせい」しか経験がない。NASAも「まあ頑張ってくれ」というような感じで周囲は本当に出来るのかと半信半疑だったそうですが、見事やってのけました。
http://mainichi.jp/select/opinion/kakeru/news/20100703ddm0120701...
http://www.nhk.or.jp/aomori/hayabusa/message.html
現在NASAは、「OSIRIS」といういわばNASA版「はやぶさ」計画を立ち上げようとしていますが、「はやぶさ」の5倍相当規模の予算でもリスキーであるとしてなかなか通らずにいます。NASAが後追いでもなかなか出来ない事、それほど挑戦的なミッションであったと言えます。もちろん、だからといって油断出来るほどNASAは生易しくはないでしょうw
>企業や町工場のそこかしこで見れる凄さとの違い
とのことですが、「はやぶさ」を作ったのはISASの科学者と企業と町工場の職人達です。
まず膨大な知識を持った科学者が理論を立ち上げて新しい技術(イオンエンジン)を作りプロジェクトを構想し、NECなどのメーカーの技術者と共にトレードオフをしながら設計を詰めつつ新しい技術を具現化し、町工場の職人が大手メーカーでも不可能なコンマ数mmのアルミの球(ターゲットマーカ)を作ったりカプセルの試作品を作ったりして、そうして出来上がった探査機が前人未踏の地で様々な苦難に遭いながらも運用チームとメーカーが知恵を振り絞って乗り切り、過酷な環境に晒されつつ設計寿命を大幅に超える運用期間において劣化が不安視されたバッテリーや火工品(カプセル)は動作し、ついには帰還を果たしました。
つまりそれは総合力なのだと思います。普段「そこかしこ」に存在する技術者の力を纏め上げれば手探りから始まり人知の及ばない前人未踏の地に乗り込み生還出来るという証明です。そのコンセプトを作り上げたことが凄いのだと思います。
ちなみに宇宙では「壊れない」などということは有り得ません。人の手も届きません。なので、壊れても如何にして生き延びるか、という設計をします。もちろん出来るなら順風満帆にミッションをこなせるのが一番なのですが(中の人も「これらは不具合である」と釘を刺している)、「はやぶさ」には手本となるべき探査機は存在しません(なので正式には「工学実証機」となっています)。そういう意味では、改善すべき点を洗い出せたと言えます。得られたノウハウは何か、何を成し遂げたか、という観点で見るべきものであると考えます。
なので、後続機に与えられる使命は「確実さ」となります。
丁寧な回答ありがとうございます。
何かあの賞賛の嵐に、ちょっと気持ち悪いものを感じていたのですが、
確かに技術的な飛躍や、緻密で高度な運用の技はあるのでしょう。
実際に凄い事であるとは思いますが、
質問者さんが言うように、妙に盛り上がっている理由というのは
「問題が発生した際に、そう簡単に手出しができない場所に " はやぶさ " があった」
という事が大きいと思います。
「やや、こんな問題が発生したぞ」....それが企業の研究室や町工場での出来事であれば、
原因の究明・対応策・代替策など、技術者が取れるアプローチは様々です。
壊れた部分を取り替える事もできますし、その際に弱点を補強した新型にもできるでしょう。
さらに、対策をほどこすにしても、発生した障害を観察し、
別の実験装置用いるなどして、安全な事前テストも可能でしょう。
(もちろん、今回の場合も事前に分かる範囲でテストはしていると思いますが、
もたらされるデータで再現できる「現状のはやぶさ」などたかが知れています)
しかし、はやぶさの場合、発生した障害の全容を把握する事自体が難しく、
対策を行うにしても、有り物を使い、さらに数十分というラグを見越して実行するしかありません。
言ってしまえば、走っている車の修理を、外からメールで指示するようなものです。
しかも、メールの伝達は遅く、修理も自由自在にできる訳ではありません。
つまり、技術者が困難を突破したという意味では
質問者さんの言う、他の企業などのプロジェクトと同様ですが、
それら他のプロジェクトに比べ、技術者ができること、実際に手を下せる事が、
とてつもなく制限された内容だったにも関わらず、それを成功に導いた事が、
これだけ多くの人の関心を惹き付けているのだと思います。
なるほど。フムフム、
制限されたと言うのがキーワードだったようですね。
回答、ありがとうございます。
普通だったら「工学実験機」であるはやぶさで不具合を洗い出し、
次世代の探査機でサンプル入手といったレベルでも妥当なところを、
いくつものトラブルを運用でうまく乗り越えてしまい、
結果、地球帰還まで達成させてしまったのは称賛されるべきことだと思います。
普通ならはやぶさで不具合を見つけて、次の探査機で再チャレンジ
それでも成功は五分五分で、もう一台ぐらい打ちあげなければ成功は危ういといったレベルの探査を
1回のチャレンジで成し遂げたというのはすごいことであり
普通だったら小惑星着陸までにあと数百億の予算と二十年近くの年月をかけてチャレンジしていくのを、
はやぶさは一足とびに実現させてしまいました
ただ、「あの賞賛の嵐に、ちょっと気持ち悪いものを感じていた」
というあなたのお考えもとく分かります
はやぶさの帰還に関しては一種のブームというほど祭り上げられ、
感動した、よく困難を乗り切ったという部分だけ取り上げられていれ
あまりその意義については理解されていない部分が大きいかもしれません
しかし、宇宙開発のような「研究がビジネスに直結しない」といったことに関しては、
ある程度お祭り騒ぎで盛り立てていかない限りは予算は得られないのではないかと思います
企業で行っている研究のように、開発⇒商品化 と結びつきやすいものならともかく、
はやぶさのサンプルリターンの目的の「太陽系はどのように発生していったのか」
といったレベルの研究は利益に繋がりにくく、
そのため予算配分などで不利になりやすい部分であります
そういった面で、「宇宙開発において国民の理解を得る」というのはものすごく重要です
実際の研究に繋がることは最重要ですが、国民に関心を持ってもらい、
予算が配分されないことには宇宙開発は進みません
実際、月探査機「かぐや」では、学術的にはあまり価値を持たない「月全体のハイビジョン映像」
が話題になりました
月探査機に科学研究用の機材よりも優先してハイビジョンカメラを搭載したのも、
「一般の国民の理解を得る」といった面が大きいです
アポロ計画で人類を月に送ることができるのも
ソビエトに負けてたまるかといった国民の後押しがあったためです
ある意味、上手くいった成功をさらに「祭り上げた」的な部分はあると思いますが、
そうでもしないと宇宙開発は予算を獲得することができないのです
高邁な科学思想を国民に理解してもらうのは難しくても、
感動的なストーリーを用意できれば、予算をとりつけることはできるのですから
実際、はやぶさのカプセル展示は事業仕訳で廃止になったJaxa-iのあるOAZOでやりましたし、
はやぶさ2の予算もはやぶさの成功で大幅に増額の見込みです
最近JAXAの宣伝が上手いな~とか思いつつ、
やっぱ宣伝していかないと事業仕訳されちゃうしな……と思うわけです
私も商売人ですので(笑)、ものを作ってそれを
より多くの人に売る事の難しさと、その大切さは
まあ、
わかります。ハイ、
ですから、宣伝が上手というのは卑下することでは決してないと思っています。
回答ありがとうございます。
はやぶさの評価は微妙なところだと思います。まず、リアクションホイールなどの故障が異常に多かった。また、小惑星への突入プロセスにも異常が発生するなど、プロジェクト全体を通じて、とにかく機器の異常が多発した。更に、回収物に関しても微細な塵状の物体した捕獲できず、科学探査上も大きな成果を上げたとは言い難い。
まあ、例えると「南極で遭難した探検隊が奇跡の生還を果たした」的というか、「アポロ13号」的といったところで、凄いというのは感情論的な評価であっても、必ずしも技術的な評価ではありません。
世論のバックアップがない状態で純粋な技術評価を行った場合、2号の実現性はないと思います。
そうでしょうね、
よくがんばった、
で、
予算がつくのなら、
ね。
そうですか。それだけですか。
いや、
始めは私もそれだけで凄いと思ってはいたのですが、…
回答ありがとうございます。