最近は大画面のテレビが普及し、高画質のDVDもたくさんリリースされていますから、イエでも手軽にクオリティの高い映画鑑賞が可能になってきました。子供と一緒に良い映画をたくさん鑑賞し、それを親子共通の趣味にしていこうと考えている方も多いと思います。そこでぜひお勧めしたいのが、鑑賞した映画について語り合い、その成果をコレクションしていくこと。
映画は総合芸術です。一本の映画の中に、芸術と呼ばれるあらゆる要素が詰め込まれています。その何に触れ、感じていくかは人それぞれ。だから見終わった後で、それぞれの感想を語り合っていくのが楽しいんですね。語り合うことで自分とは違った感性に触れ、新しい視点が開かれ、その映画のまだ見ぬ一面を発見していく。これはとてもクリエイティブなアプローチです。
また、映画を見ることは、そこに描かれる世界を疑似体験していくことでもありますから、同じ映画を見てそれについて語り合っていくことは、共通の記憶を確かめ合い、絆を深め合っていくことにもつながります。
見終わった直後の新鮮な余韻が残っているその時は、誰もが最高の映画評論家。小さな子供もその素直な感性で、きっと素晴らしい言葉を語ってくれることでしょう。その語らいの様子を何らかの形で残して、コレクションしてみませんか。3本、5本、10本、20本と語らいの記録を積み重ねていくうちに、きっとそれはまたとない思い出として、家族の文化史として、さらにはそれぞれの成長の記録ともなって、輝きを放っていくと思うのです。
こうした語らいの記録には録音かビデオ撮影が適していると思いますが、大切なのは、見終わったあと、自然に語らいに移行していくことですよね。「さぁ感想を話してくれ」などと言いながらカメラをいじり始めたりすると、せっかく映画の世界にひたっていた心が日常世界に引き戻されて、とたんに白けてしまうことがあります。
「ふわぁぁ、くたびれた」
「ちょっと難しい映画だった?」
「ううん、そうじゃなくて、すごく緊張するシーンが続いたから、手、握り過ぎちゃったんだ」
「ほんと、まだドキドキしてるよね」
なんていう自然な言葉の発生を遮らない、スムーズな語らいへの移行が、ライブ感のある記録を残していくコツだと思います。
ですから、記録に必要な機材は、予めセットしておきましょう。カメラは固定で十分ですから、テレビの横にでもさりげなく置いておきます。最近のHDD記録型デジタルビデオカメラなどは驚くほど長時間の撮影が可能ですから、もう映画鑑賞中から流し撮りを開始してもいいですね。こうしておけば、仮に見終わった後の語らいが盛り上がらなくても、鑑賞中の会話がいい記録になっていきます。
また、感想というものは、最初はうまく言葉にできなかったりするものです。語らいが進むうちに考えがまとまってくることが多いですから、早々に話をまとめようとしないことも、ライブ感のある記録を残すためのコツと言えるでしょう。冗長な部分は、後で編集すればいいのです。
この編集のために注意しておきたいことは、子供がしゃべっている時に大人が声を重ねないこと。子供は他者の発言なんかお構いなしにしゃべってくるものですが、大人までがそれをやってしまうと、後で編集する時に、カット位置が決められなくなってしまうのです。子供がしゃべっている時は、大人は相槌に徹すること。これが子供の“生”の感想を引き出していくためにも、スムーズな編集のためにも、大切な心がけですね。
こうして自然な語らいの時間を記録したら、最後は締めくくりの意味も込めて、カメラを手持ち。一人一人に感想を語ってもらったり、「面白かったよ、イェ~イ」でも「泣くもんかと思っていたのにラストで泣いてしまいました」でも何でもいいですから、一人一人に言葉をもらってお開きとしましょう。きっと“いい絵”が撮れると思います。
とにかくそんな感じで、家族で映画を見るたびに、こうした感想を撮り貯めていきましょう。こうすることによって、お父さんもお母さんも、ボクもワタシも、より深く映画の世界に参加していくことが出来ると思うのです。良い映画を見る。その感動を語り、映像に記録する。これは新しい映画を撮ることに匹敵するくらいの、素晴らしい創造的価値ある取り組みになっていくことでしょう。
ちなみにこんなDVDが出ています。
これは長く「日曜洋画劇場」の解説を務め、独特の語り口から「サヨナラおじさん」としても親しまれてきた淀川長治さんによる、同番組の解説コーナーをまとめたもの。映画そのものは収録されていないのに、映画界に燦然と輝く金字塔のような、ほんとに素晴らしいDVDなんですよ。
家族で、良い映画をたくさん見てください。そしてそれを家族共通の話題にして、たっぷり語り合ってください。その記録を後日DVDにまとめたり、文章に起こして「○○一家の映画の部屋」的な本にまとめても面白いですね。そうした積み重ねが織りなすライブラリは、映画を通して家族の肖像を描き出していく、素晴らしいドキュメンタリーともなっていくことでしょう。
最近は大画面のテレビが普及し、高画質のDVDもたくさんリリースされていますから、イエでも手軽にクオリティの高い映画鑑賞が可能になってきました。子供と一緒に良い映画をたくさん鑑賞し、それを親子共通の趣味にしていこうと考えている方も多いと思います。そこでぜひお勧めしたいのが、鑑賞した映画について語り合い、その成果をコレクションしていくこと。
映画は総合芸術です。一本の映画の中に、芸術と呼ばれるあらゆる要素が詰め込まれています。その何に触れ、感じていくかは人それぞれ。だから見終わった後で、それぞれの感想を語り合っていくのが楽しいんですね。語り合うことで自分とは違った感性に触れ、新しい視点が開かれ、その映画のまだ見ぬ一面を発見していく。これはとてもクリエイティブなアプローチです。
また、映画を見ることは、そこに描かれる世界を疑似体験していくことでもありますから、同じ映画を見てそれについて語り合っていくことは、共通の記憶を確かめ合い、絆を深め合っていくことにもつながります。
見終わった直後の新鮮な余韻が残っているその時は、誰もが最高の映画評論家。小さな子供もその素直な感性で、きっと素晴らしい言葉を語ってくれることでしょう。その語らいの様子を何らかの形で残して、コレクションしてみませんか。3本、5本、10本、20本と語らいの記録を積み重ねていくうちに、きっとそれはまたとない思い出として、家族の文化史として、さらにはそれぞれの成長の記録ともなって、輝きを放っていくと思うのです。
こうした語らいの記録には録音かビデオ撮影が適していると思いますが、大切なのは、見終わったあと、自然に語らいに移行していくことですよね。「さぁ感想を話してくれ」などと言いながらカメラをいじり始めたりすると、せっかく映画の世界にひたっていた心が日常世界に引き戻されて、とたんに白けてしまうことがあります。
「ふわぁぁ、くたびれた」
「ちょっと難しい映画だった?」
「ううん、そうじゃなくて、すごく緊張するシーンが続いたから、手、握り過ぎちゃったんだ」
「ほんと、まだドキドキしてるよね」
なんていう自然な言葉の発生を遮らない、スムーズな語らいへの移行が、ライブ感のある記録を残していくコツだと思います。
ですから、記録に必要な機材は、予めセットしておきましょう。カメラは固定で十分ですから、テレビの横にでもさりげなく置いておきます。最近のHDD記録型デジタルビデオカメラなどは驚くほど長時間の撮影が可能ですから、もう映画鑑賞中から流し撮りを開始してもいいですね。こうしておけば、仮に見終わった後の語らいが盛り上がらなくても、鑑賞中の会話がいい記録になっていきます。
また、感想というものは、最初はうまく言葉にできなかったりするものです。語らいが進むうちに考えがまとまってくることが多いですから、早々に話をまとめようとしないことも、ライブ感のある記録を残すためのコツと言えるでしょう。冗長な部分は、後で編集すればいいのです。
この編集のために注意しておきたいことは、子供がしゃべっている時に大人が声を重ねないこと。子供は他者の発言なんかお構いなしにしゃべってくるものですが、大人までがそれをやってしまうと、後で編集する時に、カット位置が決められなくなってしまうのです。子供がしゃべっている時は、大人は相槌に徹すること。これが子供の“生”の感想を引き出していくためにも、スムーズな編集のためにも、大切な心がけですね。
こうして自然な語らいの時間を記録したら、最後は締めくくりの意味も込めて、カメラを手持ち。一人一人に感想を語ってもらったり、「面白かったよ、イェ~イ」でも「泣くもんかと思っていたのにラストで泣いてしまいました」でも何でもいいですから、一人一人に言葉をもらってお開きとしましょう。きっと“いい絵”が撮れると思います。
とにかくそんな感じで、家族で映画を見るたびに、こうした感想を撮り貯めていきましょう。こうすることによって、お父さんもお母さんも、ボクもワタシも、より深く映画の世界に参加していくことが出来ると思うのです。良い映画を見る。その感動を語り、映像に記録する。これは新しい映画を撮ることに匹敵するくらいの、素晴らしい創造的価値ある取り組みになっていくことでしょう。
ちなみにこんなDVDが出ています。
日曜洋画劇場 40周年記念 淀川長治の名画解説 [DVD]
これは長く「日曜洋画劇場」の解説を務め、独特の語り口から「サヨナラおじさん」としても親しまれてきた淀川長治さんによる、同番組の解説コーナーをまとめたもの。映画そのものは収録されていないのに、映画界に燦然と輝く金字塔のような、ほんとに素晴らしいDVDなんですよ。
家族で、良い映画をたくさん見てください。そしてそれを家族共通の話題にして、たっぷり語り合ってください。その記録を後日DVDにまとめたり、文章に起こして「○○一家の映画の部屋」的な本にまとめても面白いですね。そうした積み重ねが織りなすライブラリは、映画を通して家族の肖像を描き出していく、素晴らしいドキュメンタリーともなっていくことでしょう。