「カラダを動かす」テーマでぜひご紹介してみたいのが、雪国の「雪踏み」(あるいは『道付け』)です。もし雪国以外の人が雪国に行くことがあったら、ぜひ体験してみてください。とてもいい運動になりますよ。そして貴重な体験が得られると思います。
雪踏み、道付け、地域によって呼び方は様々ですが、これは除雪車が入れない細い道の雪を踏み固めて歩きやすくする作業のことです。路地の雪はどける場所がありませんから、踏み固めてしまうんですね。必要な道具は「かんじき」です。これを長靴やスノーブーツに装着して雪を踏んでいきます。
・かんじきの一例
かんじきには横幅の狭い細身の物と、横幅の広い小判型があります。歩きやすいのは細身の物で、洋式のスノーシューはさらに細身の物が多いのですが、雪踏み作業には幅広の物が適します。なお、かんじきを装着するとアイスバーンでは滑りやすくなりますので、合わせる長靴やスノーブーツには、靴底にスパイクのある物が適しています。
ただし、子供の場合は体のサイズに合ったかんじきが手に入らないかもしれません。また前述のようにかんじきは凍結路面では滑って転びやすいので、小学生あるいはそれ以下の子供はかんじきを付けず、長靴やスノーブーツのまま、大人の後に続いて踏み残しを踏んでいくのがお勧めかと思います。
では雪踏みの実際です。まず踏んでいい道の確かめ方。道によって雪への対処方法が異なりますから、踏んでいい道かどうかを確かめる事が欠かせません。一番確実なのは、やはり地元の人に聞いてみることでしょう。見知らぬ人がこんなことを訊ねると、地元の人から「おや?」という顔をされるかもしれませんが、子供に雪国の暮らしを体験させたいと思いまして、などと説明すれば、きっと快く教えてくれると思います。
雪踏みが行われる道では、通りすがりの人も、後から通る人のために雪を踏み固めながら歩くのが雪国のマナー。逆に、小型除雪機や人力スノーダンプなどで除雪する道は、作業がしやすいよう、みだりには踏み固めないのがマナー。さらには、上から落ちてくる雪が危険なので、冬の間は通らないことにして、わざと足跡を付けないことで通れないことを示している道もあります。雪国の道も色々なのです。
踏み方ですが、これは先に踏まれている跡を正確にトレースしながら踏んでいってください。地元の人は、せり出した樹木の枝や斜面、家屋の屋根などから落ちてくる雪を避けながら道を付けていますので、そのルートを外さないことが大切です。また、踏まれていない所に新たな道を付けようとすると、ズボッと足が沈んで、膝くらいまでは平気で埋まってしまうことがあります。こうなると足を抜くのに一苦労ですから、既に踏み固められている道筋から外れないように踏んでいきましょう。
最初は、かんじきで大まかに踏んでいきます。歩幅はかんじきの踏み跡が連続するくらいでいいでしょう。子供はその後に続いて、かんじきでの踏み残しを潰すように踏んでいきます。
道の区切りの良い所まで踏み進んだら戻ります。かんじきの横幅4本分くらいの道を付ける場合は、往路の踏み跡の隣り復路の踏み跡を付けながら戻ります。かんじきの横幅3本分くらいで道を付ける場合は、往路で付けた左右の足跡の間を片足で踏みながら、もう片足で新雪を踏んでいきましょう。かんじきの横幅2本分くらいの場合は、復路はカニ歩きで、往路で付けた左右の足跡の間を踏みながら戻ります。子供も後をついて、踏みきれていない所を踏みながら歩きましょう。
続いて、もう一度往復して、さらにしっかり踏み固めていきます。一人で踏む場合は、一回目に踏んだ左右の足跡の間を踏んでいくことが多いのですが、子供が頑張ってくれていれば踏み残しはないかもしれません。その場合は一回目の足跡の上をさらに踏み固めつつ歩いていってください。ただし、二回目は歩幅を小刻みに。踏む足に体重をかけながら、しっかりと固めていきます。子供もがんばって、かんじきの踏み残しを潰していってください。子供は体重が軽いですが、かんじきを付けない足には重さが集中しますから、けっこうしっかり踏めると思います。だいたい二往復でしっかりした道が付くと思いますが、まだ足が沈むようならもう一往復しましょう。
この雪踏み作業はとてもいい運動になりますから、凍えるような日でも汗を掻きます。ですから、終わったらすぐに着替えられるようにしておくことが大切ですね。滞在場所から離れた所で行う場合は、予め肌着を含めた着替えの服と更衣場所を確保しておくことが必要です。まるでスポーツの後のようですが、雪踏みはそのくらいいい運動になるのです。
こういう雪踏み作業を、雪国の人達は毎日行います。最近は高齢化している地域も多いので、そのご苦労には大変なものがあると思います。一度やってみると、そのことが本当に実感出来ます。知らないマチではこういうことの出来る道がどこにあるのかも分かりませんし、もしかすると雪踏みの習慣がない地域もあるでしょうから、雪国に行けば必ず体験出来るとは限らないと思いますが、場所とチャンスに恵まれたら、ぜひやってみてください。特に子供にとっては、得難い体験になると思います。
「カラダを動かす」テーマでぜひご紹介してみたいのが、雪国の「雪踏み」(あるいは『道付け』)です。もし雪国以外の人が雪国に行くことがあったら、ぜひ体験してみてください。とてもいい運動になりますよ。そして貴重な体験が得られると思います。
雪踏み、道付け、地域によって呼び方は様々ですが、これは除雪車が入れない細い道の雪を踏み固めて歩きやすくする作業のことです。路地の雪はどける場所がありませんから、踏み固めてしまうんですね。必要な道具は「かんじき」です。これを長靴やスノーブーツに装着して雪を踏んでいきます。
・かんじきの一例
コンパル 雪国かんじき ワンタッチ式
かんじきには横幅の狭い細身の物と、横幅の広い小判型があります。歩きやすいのは細身の物で、洋式のスノーシューはさらに細身の物が多いのですが、雪踏み作業には幅広の物が適します。なお、かんじきを装着するとアイスバーンでは滑りやすくなりますので、合わせる長靴やスノーブーツには、靴底にスパイクのある物が適しています。
ただし、子供の場合は体のサイズに合ったかんじきが手に入らないかもしれません。また前述のようにかんじきは凍結路面では滑って転びやすいので、小学生あるいはそれ以下の子供はかんじきを付けず、長靴やスノーブーツのまま、大人の後に続いて踏み残しを踏んでいくのがお勧めかと思います。
では雪踏みの実際です。まず踏んでいい道の確かめ方。道によって雪への対処方法が異なりますから、踏んでいい道かどうかを確かめる事が欠かせません。一番確実なのは、やはり地元の人に聞いてみることでしょう。見知らぬ人がこんなことを訊ねると、地元の人から「おや?」という顔をされるかもしれませんが、子供に雪国の暮らしを体験させたいと思いまして、などと説明すれば、きっと快く教えてくれると思います。
雪踏みが行われる道では、通りすがりの人も、後から通る人のために雪を踏み固めながら歩くのが雪国のマナー。逆に、小型除雪機や人力スノーダンプなどで除雪する道は、作業がしやすいよう、みだりには踏み固めないのがマナー。さらには、上から落ちてくる雪が危険なので、冬の間は通らないことにして、わざと足跡を付けないことで通れないことを示している道もあります。雪国の道も色々なのです。
踏み方ですが、これは先に踏まれている跡を正確にトレースしながら踏んでいってください。地元の人は、せり出した樹木の枝や斜面、家屋の屋根などから落ちてくる雪を避けながら道を付けていますので、そのルートを外さないことが大切です。また、踏まれていない所に新たな道を付けようとすると、ズボッと足が沈んで、膝くらいまでは平気で埋まってしまうことがあります。こうなると足を抜くのに一苦労ですから、既に踏み固められている道筋から外れないように踏んでいきましょう。
最初は、かんじきで大まかに踏んでいきます。歩幅はかんじきの踏み跡が連続するくらいでいいでしょう。子供はその後に続いて、かんじきでの踏み残しを潰すように踏んでいきます。
道の区切りの良い所まで踏み進んだら戻ります。かんじきの横幅4本分くらいの道を付ける場合は、往路の踏み跡の隣り復路の踏み跡を付けながら戻ります。かんじきの横幅3本分くらいで道を付ける場合は、往路で付けた左右の足跡の間を片足で踏みながら、もう片足で新雪を踏んでいきましょう。かんじきの横幅2本分くらいの場合は、復路はカニ歩きで、往路で付けた左右の足跡の間を踏みながら戻ります。子供も後をついて、踏みきれていない所を踏みながら歩きましょう。
続いて、もう一度往復して、さらにしっかり踏み固めていきます。一人で踏む場合は、一回目に踏んだ左右の足跡の間を踏んでいくことが多いのですが、子供が頑張ってくれていれば踏み残しはないかもしれません。その場合は一回目の足跡の上をさらに踏み固めつつ歩いていってください。ただし、二回目は歩幅を小刻みに。踏む足に体重をかけながら、しっかりと固めていきます。子供もがんばって、かんじきの踏み残しを潰していってください。子供は体重が軽いですが、かんじきを付けない足には重さが集中しますから、けっこうしっかり踏めると思います。だいたい二往復でしっかりした道が付くと思いますが、まだ足が沈むようならもう一往復しましょう。
この雪踏み作業はとてもいい運動になりますから、凍えるような日でも汗を掻きます。ですから、終わったらすぐに着替えられるようにしておくことが大切ですね。滞在場所から離れた所で行う場合は、予め肌着を含めた着替えの服と更衣場所を確保しておくことが必要です。まるでスポーツの後のようですが、雪踏みはそのくらいいい運動になるのです。
こういう雪踏み作業を、雪国の人達は毎日行います。最近は高齢化している地域も多いので、そのご苦労には大変なものがあると思います。一度やってみると、そのことが本当に実感出来ます。知らないマチではこういうことの出来る道がどこにあるのかも分かりませんし、もしかすると雪踏みの習慣がない地域もあるでしょうから、雪国に行けば必ず体験出来るとは限らないと思いますが、場所とチャンスに恵まれたら、ぜひやってみてください。特に子供にとっては、得難い体験になると思います。