マチを歩いていると、時々カラスやハトの羽根が落ちていることがあります。鳥の羽根ってきれいですよね。カラスの羽根だって、ただの黒ではありません。角度を変えてみたり、空に透かしてみたりすると、今までわからなかった美しさが発見出来ます。
去年ハイキングに行った先で、茶色と黒のまだらの羽根も拾いました。裏は表の茶色の所が白くなっていて、黒い模様はほぼそのままです。何の鳥の羽根だろうと思っていると、付近にトンビが飛んでいました。きっとその羽根に違いありません。
夏、カルガモのいる水田を見に行ったら、そこでカルガモの羽根も見つけました。ちょうど換羽期に当たったので、近くの草地でたくさん見つかりました。カモの仲間は繁殖期とそうでない時期の境目が換羽期で、風切羽がごっそり抜け替わります。その期間は空を飛ぶことが出来ませんから、カルガモたちは外敵から身を隠しやすい草地で休みます。
以下、換羽期のカルガモたちの会話(想像上の…ですがw)。
◆
「三列風切が抜けたよ」(三列風切とは人間で言えば上腕に当たる所から生えている羽根です)
「もうそんな時期なんだねぇ、草地に行こうか」
「うん」
◆
「初列風切が抜けてきたよ~」(初列風切とは翼の端、人間で言えば手の平にあたる所から生えている羽です)
「うわぁ、ここは目立つからしばらく恥ずかしいね~」
「羽根を広げるとお肉屋さんの手羽先みたいだね」
「縁起でもないことを…」
◆
「いよいよ次列風切が抜けてきた」(三列と初列の間を埋めているのが次列風切です)
「そろそろ三列は生えそろってきた?」
「うーん、ぼちぼちでんなぁ」
「まだ当分、夜は草の陰にかくれんぼだね」
「ドキドキするね」
◆
こんな感じですから、換羽期のカルガモの根城が見つかると、色んな種類の羽根がごっそり見つかります。
このほか、インコを飼っているイエで羽根をもらったり、自治会の子供行事で仲良くなった子供が学校で飼っているニワトリの羽根をプレゼントしてくれたりして、色んな羽根がたくさん集まりました。
なぜ私が鳥の羽根を集めているかというと、ドリームキャッチャーを作るためでした。イエはてなで知って一つ作ってからというもの、これを作るのがちょっと趣味になっているんです。
ドリームキャッチャー、市販品の一例
色々な鳥の羽根が集まってきたので、「羽根標本」も作ってみました。これは羽根のボサボサした所をきれいに撫でつけて形を整えてから、大きさの合う適当な写真額に入れて飾るという物です。紙を背景にして額に納めてもいいですし、透明なアクリル板が2枚重ねになっているようなフレームに羽根だけを納めてもきれいです。
ぽわぽわの小さな羽根は、ちょっと大きめのフレームを用意して、空から舞い落ちてくるようにいくつも並べて納めたら、とてもきれいな額が作れました。単一の鳥の羽根だけで作ってもよし、複数の鳥の羽根を組み合わせても面白い物が出来ます。
いつかツルの羽根が手に入ったら、和服地の端切れを背景にして飾ってみたいと考えています。そう、鶴の恩返しの、鶴が折った反物のイメージですね。
なお、鳥の羽根が、気になる鳥インフルエンザを媒介する可能性については、一部のウイルス性の病気が鳥同士の間で羽毛塵を介して広がるという話がありますから、もしかすると感染力を保った鳥インフルエンザウイルスが羽根の中に潜んでいる可能性があるかもしれません。また、排泄物などが付着していると、そこにウイルスが混ざっているかもしれません。
しかしインフルエンザウイルは熱に弱く、鳥インフルエンザでも新型インフルエンザでも、中心温度摂氏75度、1分間の加熱でウイルスは感染力を失う(生物ではないので死滅とは言いませんが同じことです)とされています。ですから、鳥を飼っている人、学校などで鳥の飼育係になっている人、近所に養鶏場などがある人は、それらへの感染を防ぐために、採取した羽根を加熱消毒してください。加熱しすぎると羽根のタンパク質が変成してしまいますが、短時間なら大丈夫です。特に水鳥の場合、病原性の低い普通の鳥インフルエンザウイルスは普通に持っていますので、神経質になっておくにこしたことはありません。
鳥インフルエンザは鳥の病気で、人間に対してはまず感染する危険性はありませんが(鳥インフルエンザが人間の脅威となるのはウイルスが変質すればということで、まだ変質したというニュースはありません)、とにかく何ごとも念のためですから、消毒していない鳥の羽根に触ったら、石鹸で手をよく洗ってください。その後、70%以上の濃度のエタノール(消毒用アルコール)を使えば安心です。特に鳥を飼っている人の場合は、よく手洗い、そしてアルコールで消毒した後に鳥に触れることが大切ですね。
鳥インフルエンザに関しては過去のいわしにも詳しい書き込みがありますので参考にしてください。
http://q.hatena.ne.jp/1228279432/194707/#i194893
「鳥インフルエンザを正しく理解してください」 id:TomCatさん
最後がちょっと恐い話になってしまいましたが、衛生の基本さえ守っていれば、何も恐いことはありません。どこでどんな鳥の羽根に出会えるかを知ることは鳥の生態を学ぶことでもありますから、皆さんもぜひ鳥の羽根集めをやってみてくださいね。
マチを歩いていると、時々カラスやハトの羽根が落ちていることがあります。鳥の羽根ってきれいですよね。カラスの羽根だって、ただの黒ではありません。角度を変えてみたり、空に透かしてみたりすると、今までわからなかった美しさが発見出来ます。
去年ハイキングに行った先で、茶色と黒のまだらの羽根も拾いました。裏は表の茶色の所が白くなっていて、黒い模様はほぼそのままです。何の鳥の羽根だろうと思っていると、付近にトンビが飛んでいました。きっとその羽根に違いありません。
夏、カルガモのいる水田を見に行ったら、そこでカルガモの羽根も見つけました。ちょうど換羽期に当たったので、近くの草地でたくさん見つかりました。カモの仲間は繁殖期とそうでない時期の境目が換羽期で、風切羽がごっそり抜け替わります。その期間は空を飛ぶことが出来ませんから、カルガモたちは外敵から身を隠しやすい草地で休みます。
以下、換羽期のカルガモたちの会話(想像上の…ですがw)。
◆
「三列風切が抜けたよ」(三列風切とは人間で言えば上腕に当たる所から生えている羽根です)
「もうそんな時期なんだねぇ、草地に行こうか」
「うん」
◆
「初列風切が抜けてきたよ~」(初列風切とは翼の端、人間で言えば手の平にあたる所から生えている羽です)
「うわぁ、ここは目立つからしばらく恥ずかしいね~」
「羽根を広げるとお肉屋さんの手羽先みたいだね」
「縁起でもないことを…」
◆
「いよいよ次列風切が抜けてきた」(三列と初列の間を埋めているのが次列風切です)
「そろそろ三列は生えそろってきた?」
「うーん、ぼちぼちでんなぁ」
「まだ当分、夜は草の陰にかくれんぼだね」
「ドキドキするね」
◆
こんな感じですから、換羽期のカルガモの根城が見つかると、色んな種類の羽根がごっそり見つかります。
このほか、インコを飼っているイエで羽根をもらったり、自治会の子供行事で仲良くなった子供が学校で飼っているニワトリの羽根をプレゼントしてくれたりして、色んな羽根がたくさん集まりました。
なぜ私が鳥の羽根を集めているかというと、ドリームキャッチャーを作るためでした。イエはてなで知って一つ作ってからというもの、これを作るのがちょっと趣味になっているんです。
ドリームキャッチャー、市販品の一例
スパイラルドリームキャッチャー(ナチュラル)
色々な鳥の羽根が集まってきたので、「羽根標本」も作ってみました。これは羽根のボサボサした所をきれいに撫でつけて形を整えてから、大きさの合う適当な写真額に入れて飾るという物です。紙を背景にして額に納めてもいいですし、透明なアクリル板が2枚重ねになっているようなフレームに羽根だけを納めてもきれいです。
ぽわぽわの小さな羽根は、ちょっと大きめのフレームを用意して、空から舞い落ちてくるようにいくつも並べて納めたら、とてもきれいな額が作れました。単一の鳥の羽根だけで作ってもよし、複数の鳥の羽根を組み合わせても面白い物が出来ます。
いつかツルの羽根が手に入ったら、和服地の端切れを背景にして飾ってみたいと考えています。そう、鶴の恩返しの、鶴が折った反物のイメージですね。
なお、鳥の羽根が、気になる鳥インフルエンザを媒介する可能性については、一部のウイルス性の病気が鳥同士の間で羽毛塵を介して広がるという話がありますから、もしかすると感染力を保った鳥インフルエンザウイルスが羽根の中に潜んでいる可能性があるかもしれません。また、排泄物などが付着していると、そこにウイルスが混ざっているかもしれません。
しかしインフルエンザウイルは熱に弱く、鳥インフルエンザでも新型インフルエンザでも、中心温度摂氏75度、1分間の加熱でウイルスは感染力を失う(生物ではないので死滅とは言いませんが同じことです)とされています。ですから、鳥を飼っている人、学校などで鳥の飼育係になっている人、近所に養鶏場などがある人は、それらへの感染を防ぐために、採取した羽根を加熱消毒してください。加熱しすぎると羽根のタンパク質が変成してしまいますが、短時間なら大丈夫です。特に水鳥の場合、病原性の低い普通の鳥インフルエンザウイルスは普通に持っていますので、神経質になっておくにこしたことはありません。
鳥インフルエンザは鳥の病気で、人間に対してはまず感染する危険性はありませんが(鳥インフルエンザが人間の脅威となるのはウイルスが変質すればということで、まだ変質したというニュースはありません)、とにかく何ごとも念のためですから、消毒していない鳥の羽根に触ったら、石鹸で手をよく洗ってください。その後、70%以上の濃度のエタノール(消毒用アルコール)を使えば安心です。特に鳥を飼っている人の場合は、よく手洗い、そしてアルコールで消毒した後に鳥に触れることが大切ですね。
鳥インフルエンザに関しては過去のいわしにも詳しい書き込みがありますので参考にしてください。
http://q.hatena.ne.jp/1228279432/194707/#i194893
「鳥インフルエンザを正しく理解してください」 id:TomCatさん
最後がちょっと恐い話になってしまいましたが、衛生の基本さえ守っていれば、何も恐いことはありません。どこでどんな鳥の羽根に出会えるかを知ることは鳥の生態を学ぶことでもありますから、皆さんもぜひ鳥の羽根集めをやってみてくださいね。