http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110517/t10015928291000.html (リンク切れ)
米 債務上限達し異例の措置へ (NHKニュース・5月17日 6時58分)
アメリカ政府は16日、国の債務の総額が議会の定める上限に達したと発表し、当面、必要な財源を公務員年金の財源から事実上流用して賄う異例の措置を迫られることになりました。
アメリカでは国の債務の総額について議会が上限を設けていますが、財務省は16日、ガイトナー財務長官が議会に宛てた書簡を公開し、債務の総額が議会の定めた上限である14兆2940億ドル(日本円で1100兆円余り)に達したと発表しました。
この結果、アメリカは過去に発行した国債の償還のための資金を含め、必要な財源を新たな国債の発行によって賄うことができなくなりました。
このためガイトナー財務長官は、書簡の中で、ことしの8月2日までの間、公務員年金の財源を事実上流用する異例の措置をとることで、債務不履行といった最悪の事態を回避していく考えを示しました。
そのうえで、議会に対し「経済的に壊滅的な結果」を招くことがないよう連邦債務の上限の切り上げを速やかに認めるよう訴えています。
しかし、議会では、下院の多数派を占める野党・共和党が、オバマ政権が大幅な財政赤字の削減を約束しないかぎり、上限の引き上げには応じない姿勢を示しているため、政府・与党と野党の間の協議は容易には決着しない見通しで、アメリカ国債に対する信頼性が低下するおそれも出ています。
上記のニュース記事によると、アメリカ国債のデフォルト回避の期限を決めたのは5月16日という事の様です。
米財務省が今年5月16日付で公表した債務期限についてのFAQで、8月2日に期限を迎えるとしています。
http://www.treasury.gov/connect/blog/Documents/20110516%20CSRDF%20and%20G-FUND%20FAQ.pdf
4. What is the length of the "debt issuance suspension period"?
Under the statute that governs the CSRDF, the term "debt issuance suspension period" means the period of time that the Treasury Secretary determines that Treasury securities
cannot be issued without exceeding the debt limit. The determination of the length of the period is based on the facts as they exist at the time. The Secretary has determined that a debt issuance suspension period exists starting on May 16, 2011 and ending on August 2, 2011.
まあ簡単に言えば、
「法で定められた債務上限を超えて国債を発行することはできない。
国債を発行せずにあれこれ遣り繰り(すぐに支払う必要のないところから
流用するなど)して財源を確保できるのは(債務上限に達した)5月16日から
8月2日の期間で、これを過ぎると資金を調達する手段がなくなりますよ」
ということですね。
これに対して債務上限の引き上げに反対している共和党議員の言い分は
「財務省はウソを言ってるに違いない、ほんとはもっと算段できるはずだ」
というものです。
いざデフォルトに陥ったときに共和党がその犯人になることは避けたいので
適当なところで妥協したい古参議員と「民主党やオバマの言い分には
すべて反対」に凝り固まっている連中(ティーパーティー運動から出てきた
政治実績のない人たちが多い)とで共和党内は分裂しているようです。
ちなみにコメントで紹介されている、4月の段階で「7月8日」と言っていたというのは、「現時点での不確定要素を含む試算で、恐らくこのあたりだろう」というようなことでした。
ロイターの元記事では「would likely cause(恐らく引き起こすだろう)」という表現になってます。
http://www.reuters.com/article/2011/04/17/usa-budget-debt-idUSN1715179320110417
But failure to raise the debt by July 8 would likely cause the United States to begin defaulting on obligations such as Social Security payments and ultimately, interest payments on Treasury debt, Geithner warned.
米財務省の発表で「7月8日」という日付が明記された発表でも、「不確定要素を含んだ現時点での試算」ということはちゃんと断ったうえで「だいたい7月8日あたり」と言っている。
http://www.treasury.gov/connect/blog/Pages/letter-to-congress.aspx
Under Treasury's current projections, these extraordinary measures would be exhausted after approximately eight weeks, meaning no headroom to borrow within the limit would be available after about July 8, 2011. This estimate is dependent on a number of factors, such as the total amount of tax receipts, which cannot be known with certainty until they actually come in during the second half of April, and the fact that large payments like Social Security and interest payments on Treasury securities are made at certain times of the month.
(この発表は4月4日のものだけど、上記4月17日の記事でガイトナーが「7月8日」と言ったのは、恐らくこの試算に基づいたものでしょう)
コメント(2件)
債務上限引き上げ法案は、今回が初めてでも何でもなくもう何度も通っており、今回も通さざるを得ないのでこんなにこじれるとは予想されていなかっただけです。
(どうしてですかねぇ?EUがぐちゃぐちゃになったからかな?)
8/2という具体的な期限がアナウンスされたのはいつだか定かではありませんが、、
(それすら疑問視されている部分もあるし、、)
この時点では4月に上限に達すると言っていたが、個人税収が思いの他増えたはず。
http://jp.reuters.com/article/domesticEquities4/idJPnTK888453520110418
4/18 ここでは7/8が期限となっていますね。太鼓判押してたくせに。。