20年前、文字を美しく描くレタリングの技法は、デザインの必須技能のひとつでした。
しかし、DTPが主流の現在、わざわざ手で文字を描くレタリングについて学ぶ人はとても少ないでしょう。
PC隆盛時代の今、レタリングを学ぶメリットやデメリットを教えて下さい。
また、レタリングが今の時代に必要なのか不要なのかについての意見も求めます。
< 求めている回答 >
・今の時代にレタリングを学ぶメリット or デメリット。
・レタリングの習得は必要だ。という意見と理論。
・レタリングの習得は不要だ。と考える意見と理論。
・大学や専門学校等でのレタリングの扱われ方の情報。
・「レタリングができぬデザイナーはダメじゃっ!!」とか「今の時代、レタリング必要ないよねPCやってくれるから」みたいな話をするデザイナーのインタビューや書籍などの情報。
タイポグラフィを扱うグラフィック・デザインの場合、
レタリングの技術があると、機械でできる文字組み以外にも、
文字間などをカスタム調整したり、外字を作成したり、
出来合いの文字等からイラストレーター等でパスを色々いじって、
アウトライン取ってオリジナルのロゴを作成する際に、
手描きで覚えた様な一からのレタリングの技術があると、
他の書体の特徴を上手く正確に別のに組み合わせたり、
フレキシブルかつ、完成した正確なデザインが出来ますので、
レタリング技術があると非常に良いと思います。
また、英語や外国語環境で日本向けのデザインをする場合、
または日本国内でも昔のもう使われない漢字の名前などを
歴史文献向け等に組んでいて、良い漢字の外字フォントがなくて、
自分たちで外字を一から作成する必要がある時、
フォントメーカー等を使っても、いざとなれば手描きでも
レタリングができる人とできない人だと、大違いです。
昔の中国メーカー製の説明書で、中国語の漢字に加えて
お習字か記号みたいな外字の日本語のかなが混じった
「絵」みたいなバランスの悪い外字ができてしまいます。
最近はコンピューターで文字組できるので、
レタリングはタイポグラフィの基礎みたいで地味ですが、
堅実なベース以外にも応用もあるので、
知識としてあると良いと思います。
その他、手描きのイラストレーションもなさる場合、
手描きっぽいデザインをしたい時に、今でも本当の
手描き文字をスキャンして使うこともありますし、
手描きのレタリングで、一部はレタリング、
後の一部は崩してそのまま手描きのあたたかみのある
レトロな感じの水彩画などになっていても味がありますし、
下書きの鉛筆の線など、エミュレーターを使うのとは
ひと味違う奥行きが出ると思います。
今でも多くのグラフィックデザインのコースで
レタリングをやるのは、基礎的な字の構成の理解を
深めるためだけでなく、実用・応用も可能だからだと思います。
資格としてのレタリングでは、実用範囲として、
ロゴや、看板制作、新しい書体の開発、手書き文字で
量販店などの店頭を飾るPOPや手書きポスター、
DTPを挙げています。
手描きPOPは滅多に見なくなりましたが、
やはりたまに見ると目を引くものです。
http://www.literaturkitabevi.com/archives/519.html
海外でもデザインの基礎で、レタリングはあります。
英国では中学~高校のGCSEの頃も授業が選択式で、
自分のやりたい範囲を早期から選べる傾向があるので、
それにTypography & Letteringがあります。
ちなみに、英国では、日本で言うところのレタリングは、
別分野のカリグラフィーと少し混じっている部分があります。
(日本では書道とレタリングはまったく別物ですが。)
現代でも、有名英国大学のグラフィックデザインの学部では、
伝統的な凸版印刷の金型を使ったアルファベットの文字組み
(typesetting)を手でさせられるそうです。
http://en.wikipedia.org/wiki/Typesetting
機械で組んだ方がきれいなのでは…とかめんどくさいと言う一方、
印字に味があり、よく使われてすりへってる文字もあるので、
それらを一緒に組んで、インクをのせずにローラー印刷して
できあがる味のあるレトロなエンボス加工も一部では人気でした。
インクのかすれた部分は手描きで修正することもあるのですが、
これは別にレタリングの基礎ができてないとできません。
私も挑戦したことがありますが、へこんだスペース用の金属片を
何個つめて文字間をこう開けると美しいとか、細かい文字を
ピンセットでひろって詰めて行き、職人さん的な根気が要ります。
コンピューターで簡単に文字が組める現代に、なぜこの授業や
この設備が大学に必要なのか、そういう疑問もありますが、
現代でも基礎や歴史を理解するために行われています。
後々、Typesettingは、英語の論文の上製本の型押しタイトルの
印刷の時に設備のある印刷屋さんがあったので、役立ちました。
最近は機械で組むものなのですが、アルファベットなら、
版を特注しなくても、すでに金型があったので、手作業を申し出て、
即日で組んですぐ印刷サンプルが仕上がり、安上がりでした。
アンティークに価値を見いだす英国では、少しへこんでツヤがあり、
味のあるTypesettingの印刷は高級感があるので人気があり、。
特に修士論文の表紙だと重厚感があり目を引くので、
多くの名門大の学生達が、今でも伝統的なハードカバー製本と
Typesettingのタイトル印刷を注文します。
(本文の方はほとんど普通のオンデマンド印刷なのですが、
他にも名刺印刷などでもよく使われます。)
一方、日本語は文字数が多いので、凸版は滅多にやりませんが、
日本独特の伝統的な手描きのレタリング技術があります。
グラフィクデザインの歴史を理解する上で役立ちます。
何年か前に日本のデザイン科に行った友人もやったそうです。
日本のグラフィックデザイン事務所の就職の作品審査って、
いまだにポスター制作が王道にあるようなので、
就職の時に結構役立ったようですよ。
デザインの基礎や歴史を理解し、こういった職人技の様な
伝統を、後世に伝えることも良い事なのではと思います。
コンピューター主流のデザインの普及で、今では珍しい
手描きのものが希少価値を持ち、温かい感じがして目を引くので、
広告に採用したいと言うクライアントもいるのではと思います。
「文字デザイン」という意味でのレタリングなら、今日、単独で仕事のオーダーが入るような性質のものではなくなっています。
しかし、もう少し視野を広げ、商品名や社名、催事名などの文字を、一つのまとまりとしてデザインするロゴタイプ・デザインの仕事は今も手作業です。文字デザイン技術に加え、トータルなデザインセンスを問われます。
「レタリング=手書き作業」と連想してしまいがちですが、
「レタリング=文字デザインの基礎」となるため必須条件としたい
ただし、デザイン分野においては、
粗野にして自由なほうが新しい何かを生み出す可能性も高く
あくまでも「したい」にとどまる
ただし、手書き作業部分については、
DTPソフトというツールの利用で補うことも可能なため必須ではないとする
(うちのかみさんは手書きは出来るがDTPソフトの扱いは苦手・・・私はどっちも苦手)
技能検定
http://www.mdn.ne.jp/%7Elettering/kentei/moji/index.htm
http://www.kentei.or.jp/lettering.kentei/index.html
工業高校デザイン科には今でも入ってますね
http://www.kentei.or.jp/lettering.kentei/guide_l.html
タイポグラフィを扱うグラフィック・デザインの場合、
レタリングの技術があると、機械でできる文字組み以外にも、
文字間などをカスタム調整したり、外字を作成したり、
出来合いの文字等からイラストレーター等でパスを色々いじって、
アウトライン取ってオリジナルのロゴを作成する際に、
手描きで覚えた様な一からのレタリングの技術があると、
他の書体の特徴を上手く正確に別のに組み合わせたり、
フレキシブルかつ、完成した正確なデザインが出来ますので、
レタリング技術があると非常に良いと思います。
また、英語や外国語環境で日本向けのデザインをする場合、
または日本国内でも昔のもう使われない漢字の名前などを
歴史文献向け等に組んでいて、良い漢字の外字フォントがなくて、
自分たちで外字を一から作成する必要がある時、
フォントメーカー等を使っても、いざとなれば手描きでも
レタリングができる人とできない人だと、大違いです。
昔の中国メーカー製の説明書で、中国語の漢字に加えて
お習字か記号みたいな外字の日本語のかなが混じった
「絵」みたいなバランスの悪い外字ができてしまいます。
最近はコンピューターで文字組できるので、
レタリングはタイポグラフィの基礎みたいで地味ですが、
堅実なベース以外にも応用もあるので、
知識としてあると良いと思います。
その他、手描きのイラストレーションもなさる場合、
手描きっぽいデザインをしたい時に、今でも本当の
手描き文字をスキャンして使うこともありますし、
手描きのレタリングで、一部はレタリング、
後の一部は崩してそのまま手描きのあたたかみのある
レトロな感じの水彩画などになっていても味がありますし、
下書きの鉛筆の線など、エミュレーターを使うのとは
ひと味違う奥行きが出ると思います。
今でも多くのグラフィックデザインのコースで
レタリングをやるのは、基礎的な字の構成の理解を
深めるためだけでなく、実用・応用も可能だからだと思います。
資格としてのレタリングでは、実用範囲として、
ロゴや、看板制作、新しい書体の開発、手書き文字で
量販店などの店頭を飾るPOPや手書きポスター、
DTPを挙げています。
手描きPOPは滅多に見なくなりましたが、
やはりたまに見ると目を引くものです。
http://www.literaturkitabevi.com/archives/519.html
海外でもデザインの基礎で、レタリングはあります。
英国では中学~高校のGCSEの頃も授業が選択式で、
自分のやりたい範囲を早期から選べる傾向があるので、
それにTypography & Letteringがあります。
ちなみに、英国では、日本で言うところのレタリングは、
別分野のカリグラフィーと少し混じっている部分があります。
(日本では書道とレタリングはまったく別物ですが。)
現代でも、有名英国大学のグラフィックデザインの学部では、
伝統的な凸版印刷の金型を使ったアルファベットの文字組み
(typesetting)を手でさせられるそうです。
http://en.wikipedia.org/wiki/Typesetting
機械で組んだ方がきれいなのでは…とかめんどくさいと言う一方、
印字に味があり、よく使われてすりへってる文字もあるので、
それらを一緒に組んで、インクをのせずにローラー印刷して
できあがる味のあるレトロなエンボス加工も一部では人気でした。
インクのかすれた部分は手描きで修正することもあるのですが、
これは別にレタリングの基礎ができてないとできません。
私も挑戦したことがありますが、へこんだスペース用の金属片を
何個つめて文字間をこう開けると美しいとか、細かい文字を
ピンセットでひろって詰めて行き、職人さん的な根気が要ります。
コンピューターで簡単に文字が組める現代に、なぜこの授業や
この設備が大学に必要なのか、そういう疑問もありますが、
現代でも基礎や歴史を理解するために行われています。
後々、Typesettingは、英語の論文の上製本の型押しタイトルの
印刷の時に設備のある印刷屋さんがあったので、役立ちました。
最近は機械で組むものなのですが、アルファベットなら、
版を特注しなくても、すでに金型があったので、手作業を申し出て、
即日で組んですぐ印刷サンプルが仕上がり、安上がりでした。
アンティークに価値を見いだす英国では、少しへこんでツヤがあり、
味のあるTypesettingの印刷は高級感があるので人気があり、。
特に修士論文の表紙だと重厚感があり目を引くので、
多くの名門大の学生達が、今でも伝統的なハードカバー製本と
Typesettingのタイトル印刷を注文します。
(本文の方はほとんど普通のオンデマンド印刷なのですが、
他にも名刺印刷などでもよく使われます。)
一方、日本語は文字数が多いので、凸版は滅多にやりませんが、
日本独特の伝統的な手描きのレタリング技術があります。
グラフィクデザインの歴史を理解する上で役立ちます。
何年か前に日本のデザイン科に行った友人もやったそうです。
日本のグラフィックデザイン事務所の就職の作品審査って、
いまだにポスター制作が王道にあるようなので、
就職の時に結構役立ったようですよ。
デザインの基礎や歴史を理解し、こういった職人技の様な
伝統を、後世に伝えることも良い事なのではと思います。
コンピューター主流のデザインの普及で、今では珍しい
手描きのものが希少価値を持ち、温かい感じがして目を引くので、
広告に採用したいと言うクライアントもいるのではと思います。
コメント(2件)
私の主張への反論や、賛同、異なる視点からの論説を求めます。
どの回答も良い内容で、それぞれ勉強になる部分がありましたので
ポイントは均等に配布させて頂きました。
ベストアンサーは一番詳細な内容を記載して頂いた、id:NazeNaniさんにお送りします。
ご回答、ありがとうございました。