引用を行う際には著作者人格権に気をつける事、と指導を受けているのですが、
引用内容に改ざんや誤りが無い事、著作者の名義を明示する事、
自己の論文と引用内容との区別を付ける事、自らの論文が主であって引用は従である事、
ここまでに問題が無い場合で、
引用内容を論文内で「批判」した場合、
「原著作者の名誉や声望を傷つけた」事になりますでしょうか。
また、原著作者に「批判を受けた」と言う理由で引用を拒否されてしまうのでしょうか。
また、参考になる様な事例判例のご紹介も頂けると、加えて助かります。(ご回答に必須ではありません)
……宜しくお願い致します。
批評のための文章の引用はこれまで比較的自由に行われており、主となる著述に独創性があれば(つまりそれ単体で著作物としての体をなしていれば)、問題になることはありません。
もちろん、引用の範囲を逸脱して、その人物の人となりを中傷する内容であってはなりません。
過去の判例については「引用の適法要件」(http://www.j.u-tokyo.ac.jp/sl-lr/01/papers/part8.pdf)が詳しいです。
また以下の書籍も参考になるでしょう。
批評のための文章の引用はこれまで比較的自由に行われており、主となる著述に独創性があれば(つまりそれ単体で著作物としての体をなしていれば)、問題になることはありません。
もちろん、引用の範囲を逸脱して、その人物の人となりを中傷する内容であってはなりません。
過去の判例については「引用の適法要件」(http://www.j.u-tokyo.ac.jp/sl-lr/01/papers/part8.pdf)が詳しいです。
また以下の書籍も参考になるでしょう。
pdfを拝見させていただきました。大変参考になりました。
参考にさせて頂きました。
科学論文でしょうか?
以下は、科学論文についてなので、社会学等の場合は当てはまらないかもしれません。
その点だけ、ご注意ください。
>原著作者に「批判を受けた」と言う理由で引用を拒否されてしまうのでしょうか。
引用されるのは論文の宿命なので、拒否することは出来ないでしょう。
>引用内容を論文内で「批判」した場合、
自らの論文は、事実を報告すること、そしてその事実を元に考察することです。
他者の論文は、自己の論文の事実以外に既にわかっている事実や、自己の実験の元になった事実、考察のために必要な事実を示すために引用するだけです。
他者の文献を批判するということは、論文の趣旨に外れていますので、行うべきではありません。
批判ではなく、引用文献の結論(仮定を含む考察)が間違っていると考える場合には、自己の実験の元になった文献として紹介して、新たな結論を導き出すために、引用文献とは異なる様々な実験を行ったことをデータとともに記し、最終的に自分の新たな仮説を立てるということはあります。
引用文献と全く逆の実験データが示されるような場合には、相手の実験を真っ向から否定することになるので、引用文献としての引用を止める場合が多いです。
この場合には、他のグループの研究者が、両者の文献を取り上げて、再実験をして確かめてくれるのを待つしかありません。
ご参考まで。
こちらの質問に言葉が足りなかった点、大変申し訳ありませんでした。
私の専門は人文学(民俗学・考古学)です。(で、その卒論です^^;)
「批判」と言う言葉も、「引用内容を否定する、内容に反論する」と言う意味で
使わせて頂きました
自然科学の論文での考え方について、大変参考になりました。
まず、訴訟を起こされない保証はありませんのでその点は覚悟してください。
具体的な判例としては、脱ゴーマニズム宣言事件と月刊雑誌『諸君!』評論事件が参考になると考えます。
以下、月刊雑誌『諸君!』評論事件を中心に解説をしますと、焼身自殺をしたカップルは心中だったと本に書いているけれど、あれはベトナム政府の宗教政策に抗議した焼身自殺だ。一方の言い分だけを鵜呑みにして本を書いていると批判した月刊誌と書評家を著者が訴え、最高裁まで争ったものの敗訴した事件です。
この事件では評論の中で著者の取材姿勢に対する批評が名誉毀損に当たるかが争われました。最終的に原告は敗訴していますが、書き方が気に食わないといって訴えられないとは限りません。他人に批評を加える場合は表現にも注意してください。
他の方々の意見を鑑みましても、「これなら安全な引用だ」という物が
なかなか決めにくい、という事を理解いたしました。
引用内容を論文内で「批判」したほうが教授からの点数が、概してよくなる!
これは大学の論文であって、学術論文ではないですよね(藁)
だったらドンドン忌憚なく批判するべしです。
批判できるのは理解が深い証拠・・・と評価されます。
私の場合は教授に伺えばそれで良いのですが、一般にはどうなのかなぁ、と
疑問に思いましたもので。失礼いたしました。。
大学の論文?でしょうか?
>また、原著作者に「批判を受けた」と言う理由で引用を拒否されてしまうのでしょうか。
拒否できない。引用する権利は認められてます。
>引用内容を論文内で「批判」した場合、
>「原著作者の名誉や声望を傷つけた」事になりますでしょうか。
ちょっとぐらい批判しても大丈夫なぐらい名誉や声望を選ぶべきでは?
明らかに、トンデモ的な論文を引用しても、仕方が無いと思うし
そういうのを引用したい場合だけ、考えるべき問題だと思う。
批判と違って
見解の相違や立場の違いなど、表現方法にもいろいろあるので
論文の性質にもよると思いますが・・。
あくまで論文ですよね?
そもそも、名誉毀損とかに発展する内容や公開するようなものなのでしょうか?
こちらも同様に言葉が足りませんでした。すみません。
あくまで「引用の内容を否定する・内容に反論する」という場合を想定していました。
それが「名誉毀損」に当たるかどうかというのは、
皆様のご回答を拝見した今でも、なかなか迷う所です……。
pdfを拝見させていただきました。大変参考になりました。
2012/02/14 17:08:10