wikipediaには、
>磁力(じりょく)とは、磁石や電流が発生させる磁場により、磁石や電流が流れている導体どうし、あるいはそれらと強磁性体の間に発生する力である。
とありますが、なぜそのような力が発生するのでしょうか?たとえば、原子レベルで何かが起きているのでしょうか?
この本を読めばわかるよ、という本があれば、それを紹介していただくだけでも結構です。
磁力の発生の原因は電荷をもった粒子の運動です。
電流は電子の流れであり、それゆえ電線の周りには円形の磁場が発生します。
磁石の場合は電子が持つ角運動量が原因となります。角運動量は回転の強さを表す物理量で、自転角運動量と公転角運動量があります。前者は電子のスピンと呼ばれるもので、後者は電子が原子核の周りを回るという解釈で構いません。
これが磁気(磁荷)の正体です。
次に、この磁気がどうやって離れた場所に力を及ぼすのかという疑問が残りますが、磁荷を持つものが空間中に存在すると、磁場を発生させます。場とは、ある特定の粒子(「チャージ」を持った粒子)に力を及ぼす空間の性質のことで重力や静電気力にも同様のことが起こります。重力では「質量」というチャージ、静電気力では「電荷」というチャージを持ったものがそれぞれ重力場、電場の影響で力を受けますね。磁場の場合は「磁荷」というチャージを持った粒子が力を受けるのです。
このことにより、磁石から発せられる磁場がもう一つの磁石の磁荷に影響を及ぼして力を受けるという説明ができるようになります。
現代的な解釈では場はゲージ粒子という力を伝える粒子で説明ができます。静電気力、磁力を伝えるゲージ粒子は同じ粒子で光子であるとされています。光子は光の粒子で、私たちが光を感知できるのは網膜でおこっている電磁気力が化学反応を誘発するということからもわかります。電波の情報が電気に変換されるのも同じですね。
ちなみに、重力のゲージ粒子は重力子で、他にもゲージ粒子はグルーオン、ウィークボソンがあります。この4つの粒子を統一的に説明する理論を構築するのが現代物理学の大きな課題となっています。
電磁気力と呼ばれているとおり、電流と磁力は電子の動きに由来します。
電流は電子が動くことで発生しますが、磁力は電子が回転(スピン)することによって発生します。
端的な回答有り難うございます。
回答としてはこれで十分でした。
磁力の発生の原因は電荷をもった粒子の運動です。
電流は電子の流れであり、それゆえ電線の周りには円形の磁場が発生します。
磁石の場合は電子が持つ角運動量が原因となります。角運動量は回転の強さを表す物理量で、自転角運動量と公転角運動量があります。前者は電子のスピンと呼ばれるもので、後者は電子が原子核の周りを回るという解釈で構いません。
これが磁気(磁荷)の正体です。
次に、この磁気がどうやって離れた場所に力を及ぼすのかという疑問が残りますが、磁荷を持つものが空間中に存在すると、磁場を発生させます。場とは、ある特定の粒子(「チャージ」を持った粒子)に力を及ぼす空間の性質のことで重力や静電気力にも同様のことが起こります。重力では「質量」というチャージ、静電気力では「電荷」というチャージを持ったものがそれぞれ重力場、電場の影響で力を受けますね。磁場の場合は「磁荷」というチャージを持った粒子が力を受けるのです。
このことにより、磁石から発せられる磁場がもう一つの磁石の磁荷に影響を及ぼして力を受けるという説明ができるようになります。
現代的な解釈では場はゲージ粒子という力を伝える粒子で説明ができます。静電気力、磁力を伝えるゲージ粒子は同じ粒子で光子であるとされています。光子は光の粒子で、私たちが光を感知できるのは網膜でおこっている電磁気力が化学反応を誘発するということからもわかります。電波の情報が電気に変換されるのも同じですね。
ちなみに、重力のゲージ粒子は重力子で、他にもゲージ粒子はグルーオン、ウィークボソンがあります。この4つの粒子を統一的に説明する理論を構築するのが現代物理学の大きな課題となっています。
わかりやすい説明、ありがとうございました。
>円形の磁場が発生します
右手の法則ですね。
>角運動量は回転の強さを表す物理量で、自転角運動量と公転角運動量があります。
地球のように例えるのですね。太陽が陽子、地球が電子とすると、自転が電子スピンですね。
>場とは、ある特定の粒子に力を及ぼす空間の性質のこと
なるほど。
>静電気力、磁力を伝えるゲージ粒子は同じ粒子で光子であるとされています。
確かに、太陽電池というのがあるくらいですものね。
光電効果という部分のwikipediaを見ると、物質が光を吸収した際に物質内部の電子が励起されるとあります。何か関係があるのでしょう。
ただ、「されています」ということは、まだはっきりしないのか、あるいは、あとの説明にあるように統一的な説明がされるまで留保されているということなのでしょうか?
返信遅れてすみません。
まず、光子についてですが、「されています」というあいまいな表現をしたのはただの気まぐれです。誤解を招くような表現をしてしまい申し訳ありませんでした。
二つ目ですが、実をいうと光電効果は電磁気学だけでは説明がつかない現象の一つなのです。
電磁気学のみを考慮すると、電磁波の照射によって飛び出す電子一個当たりのエネルギーは電磁波強度を強くすると大きくなるはずです。これは電磁波による電磁気力の振幅が大きくなって電子が強く揺さぶられてしまうからです。
しかし、実験では電磁波の強度が強くなっても電子数が多くなるだけで一個当たりのエネルギーはそのままです。しかも、電子一個当たりのエネルギーは波長が短ければ短いほど大きくなり、波長が一定以下になると電子の放出は起こりません。
ここでアインシュタインが提唱したのが光量子仮説で、電磁気学では単なる波だった電磁波が量子化された形の光子という粒子とみなせるという大胆な仮説です。これが量子力学の始まりとも言えます。波と粒子の二重性というのはここからきているんです。
磁力の根本になる電子スピンとはなにか
http://www.geocities.jp/hiroyuki0620785/k2jiki/magspin.htm
科学においての「なぜ」という問題は難しいものです。
端的に答えると上記のURLのように「電子スピン」によるものと答えることは可能です。
それでも質問内容から見る限りでは「なぜ」という問いかけが続くかと思います。
磁性の電子論 ((マグネティクス・ライブラリー2))
佐久間 昭正 日本磁気学会
磁力に関しては、上記の本を読めばある程度の答えを提供はしてくれます。
意外と磁力系の話は、簡単ではないです。
ありがとうございます。
読んでみます。
わかりやすい説明、ありがとうございました。
2013/01/19 16:08:52>円形の磁場が発生します
右手の法則ですね。
>角運動量は回転の強さを表す物理量で、自転角運動量と公転角運動量があります。
地球のように例えるのですね。太陽が陽子、地球が電子とすると、自転が電子スピンですね。
>場とは、ある特定の粒子に力を及ぼす空間の性質のこと
なるほど。
>静電気力、磁力を伝えるゲージ粒子は同じ粒子で光子であるとされています。
確かに、太陽電池というのがあるくらいですものね。
光電効果という部分のwikipediaを見ると、物質が光を吸収した際に物質内部の電子が励起されるとあります。何か関係があるのでしょう。
ただ、「されています」ということは、まだはっきりしないのか、あるいは、あとの説明にあるように統一的な説明がされるまで留保されているということなのでしょうか?
返信遅れてすみません。
2013/01/22 00:32:49まず、光子についてですが、「されています」というあいまいな表現をしたのはただの気まぐれです。誤解を招くような表現をしてしまい申し訳ありませんでした。
二つ目ですが、実をいうと光電効果は電磁気学だけでは説明がつかない現象の一つなのです。
電磁気学のみを考慮すると、電磁波の照射によって飛び出す電子一個当たりのエネルギーは電磁波強度を強くすると大きくなるはずです。これは電磁波による電磁気力の振幅が大きくなって電子が強く揺さぶられてしまうからです。
しかし、実験では電磁波の強度が強くなっても電子数が多くなるだけで一個当たりのエネルギーはそのままです。しかも、電子一個当たりのエネルギーは波長が短ければ短いほど大きくなり、波長が一定以下になると電子の放出は起こりません。
ここでアインシュタインが提唱したのが光量子仮説で、電磁気学では単なる波だった電磁波が量子化された形の光子という粒子とみなせるという大胆な仮説です。これが量子力学の始まりとも言えます。波と粒子の二重性というのはここからきているんです。