光（電磁波）は、電気と磁場に分解できますか？

そりゃもちろん、「磁場の変化→電場の変化→…」なんですから、別の磁界や電界があれば伝わり方が変わるのは当然ですよ。他にも、「どのくらい磁場が変化した時にどのくらい電場が変化するか」という量はそこにある物質の透磁率や誘電率によって異なるので、経路にある物体によっても伝わり方が変わります。それぞれの影響は電界成分、磁界成分でわけて計算できますが、それを指して「分解」と言うなら、分解できます。

ただし、電磁波の本質が電場と磁場の相互作用である以上、「電場だけの電磁波」「磁場だけの電磁波」というものは存在しない、ということです。

電場や磁場は線形の重ね合わせになるだけなので、(電磁波の振動に比べて)静的な電場や磁場をかけたところで元の電磁波の向きが変わるわけではありません。元の電磁波と同じ周期で変化する磁場や電場があれば、波の重ね合わせにより強度や方向が変化し得ます。でも変化する磁場や電場はそれ自体が電磁波のもとになるので、要は光同士を干渉させてるってことになりますね。同じ周期の波を位相が合うように重ねれば明るくなりますし、180度ずらして重ねれば消えちゃいます。

光の領域では入射光の振動に合うような信号を独立して作り出すのは難しいので、光スイッチは光の経路をいじって入射光自身と干渉させたり、あるいは制御光によって屈折率が変化するようなデバイスを通すことによって方向を制御していると思います。

最後の質問ですが、電磁誘導の法則により、「変化する磁場」を発生させればそれが自動的に「変化する電場」を生んでしまいます。それで生まれた変化する電場はついで変化する磁場を生み…という具合に、合成するまでもなくどっちかがあれば勝手に電磁波になっちゃうんです。もちろん、その波に対して強め合ったり打ち消しあう別の波を合成してやることはできます。

放送や通信に使われる電磁波と可視光とでは周波数が5-8桁違いますから、同じ電磁波とはいえ物質との相互作用は大きく異なりますね。