盗取され又は不法に輸出された文化財に関する条約(UNIDROIT条約)に

日本が、未批准の理由として2点

1.対象となる文化財の範囲が非常にあいまいである
2.原保有国の返還請求権の権利行使の期間が非常に長い

とありますが、具体的な例としてのデメリットは、どのようなものがありますでしょうか?

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  • 終了:2016/07/14 21:43:37

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id:a-kuma3 No.2

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http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/154/0059/15406110059021.pdf
平成14年(2002年)6月1日の参議院外交防衛委員会会議録です。
8ページ目の終わりから、質問に書かれている答弁を含むやり取りが書かれています。

遠山議員の質問にある

日本の国内では盗まれた文化財がブラックマーケットを通じて日本のコレクターや博物館等に入ってまいりまして、日本はある新聞の見出しによれば盗難文化財天国というような汚名を着せられてきたという側面もございます。

というところが大きかったのではないでしょうか。

UNIDROIT 条約が採択されたのが 1995年。
バブル景気が崩壊した後になります。
金に物を言わせて買い漁った美術品がならべられている私立美術館。
ならべられている美術品は、実は、盗品だった。
というような。

http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/154/0096/15406050096013.pdf
こちらは、平成14年(2002年)6月5日の衆議院文部科学委員会会議録です。
3ページ目の 3段目から始まっています。

あの条約を本当に実行しようとしますと、それは、日本の国内に流入してくるときに、それが本当に価値のある文化財であるのかどうかということを見分けることも必要でございますし、先ほど申しましたように、輸入規制において盗難文化財をどのように判別するか、では、それに対してどのような実効措置をとるかということについては、これはなかなか難しい問題がございます。あるいは、流入した外国文化財の返還措置というのはどういうふうにやったらいいかということについての困難さがあったわけでございます。

「あの条約」は、ユネスコの方の話ですが、どうやって見分けるかが難しいというところは三つの条約について同じ課題です。
それに続けて、見分けるのが難しいところに加えて、UNIDROIT は「文化財の対象があいまい」という難しさが加わっている。
美術品のようなものは明らかだとしても、掘り出した石ころを貴重な文化財だと難癖をつけられるような可能性もあると(悪い方に考えれば)。



調べる前にちょっと思ったのは、先の大戦で朝鮮が日本に統治されていた時代に、朝鮮から流出したと言われている文化財の話もあるのかな、ということだったですが、UNIDROIT 条約では盗難から50年で、条約が採択されたのが 1995 年ということを考えると、1945年までだった日本統治時代の話は関係なさそうです。


国会の議事録は画像の PDF なので、文字検索するような読み方であれば、こちらのテキストの方が良いかもしれません。

id:tukiyominomikoto

具体的にわかりやすくご説明いただきありがとうございます。

2016/07/14 21:44:36

その他の回答1件)

id:NAPORIN No.1

回答回数4907ベストアンサー獲得回数910

日本は政府が割合安定して、治安も良い国ですが、
外国は政権不安定な国も多いです。
お金持ちが買い取ったあとの外国の仏像やキリスト教イコン・マリア像とか
きっちりお寺としての手続きを踏んで分骨されている超有名法師さまのお骨とか日本国内にありますよね。日本人信者から信仰を受けていたり、信仰ではないですがモッタイナイ精神でものを大切にする国民なので、価値のあるものを粗雑に扱うことはあまり考えられません。
もし価値があるのに日本国内では非常に粗雑にあつかわれたり骨董店で安くたたきうられている場合は、元の国の人が見つけ次第に適価で買い戻すことも簡単ですが、それは条約の対象外でしょう。
 
ここで、もしも、もともとの所有国の治安が悪化したり、
新政府ができてそこは独自路線だったりした場合、
言いがかり的なことを言ってきますよ。
「やっぱりあれは不法にあたるから返して・・
政府にお金がないから財産を得たい。
取り返したらまた別の国の金持ちにうって政府運営資金にするつもりだ・・・」
っていわれたら?
やっぱり返さないといけないですか??
それは財産そのものの後世への保存という観点からみてあまりいいことではないのでは?
それって人質ならぬ、モノジチですよね。
しかも、今の世の中はテロ政府って本当に存在するんですよ・・。
テロ政府に財産をあたえても武器しか購入しない・・。
もちろん国連に加入するにはいろいろ障壁があるでしょうけど。
じゃあ、とあまり批准する必要を感じないのではないでしょうか。

id:tukiyominomikoto

とても理解が深まりましたありがとうございます。

2016/07/14 21:45:17
id:a-kuma3 No.2

回答回数4974ベストアンサー獲得回数2154ここでベストアンサー

http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/154/0059/15406110059021.pdf
平成14年(2002年)6月1日の参議院外交防衛委員会会議録です。
8ページ目の終わりから、質問に書かれている答弁を含むやり取りが書かれています。

遠山議員の質問にある

日本の国内では盗まれた文化財がブラックマーケットを通じて日本のコレクターや博物館等に入ってまいりまして、日本はある新聞の見出しによれば盗難文化財天国というような汚名を着せられてきたという側面もございます。

というところが大きかったのではないでしょうか。

UNIDROIT 条約が採択されたのが 1995年。
バブル景気が崩壊した後になります。
金に物を言わせて買い漁った美術品がならべられている私立美術館。
ならべられている美術品は、実は、盗品だった。
というような。

http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/154/0096/15406050096013.pdf
こちらは、平成14年(2002年)6月5日の衆議院文部科学委員会会議録です。
3ページ目の 3段目から始まっています。

あの条約を本当に実行しようとしますと、それは、日本の国内に流入してくるときに、それが本当に価値のある文化財であるのかどうかということを見分けることも必要でございますし、先ほど申しましたように、輸入規制において盗難文化財をどのように判別するか、では、それに対してどのような実効措置をとるかということについては、これはなかなか難しい問題がございます。あるいは、流入した外国文化財の返還措置というのはどういうふうにやったらいいかということについての困難さがあったわけでございます。

「あの条約」は、ユネスコの方の話ですが、どうやって見分けるかが難しいというところは三つの条約について同じ課題です。
それに続けて、見分けるのが難しいところに加えて、UNIDROIT は「文化財の対象があいまい」という難しさが加わっている。
美術品のようなものは明らかだとしても、掘り出した石ころを貴重な文化財だと難癖をつけられるような可能性もあると(悪い方に考えれば)。



調べる前にちょっと思ったのは、先の大戦で朝鮮が日本に統治されていた時代に、朝鮮から流出したと言われている文化財の話もあるのかな、ということだったですが、UNIDROIT 条約では盗難から50年で、条約が採択されたのが 1995 年ということを考えると、1945年までだった日本統治時代の話は関係なさそうです。


国会の議事録は画像の PDF なので、文字検索するような読み方であれば、こちらのテキストの方が良いかもしれません。

id:tukiyominomikoto

具体的にわかりやすくご説明いただきありがとうございます。

2016/07/14 21:44:36

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