映画で、上流階級の田中夫妻がいたとして、妻が訪ねてきた人に、
「田中がいつもお世話になっています」
と述べる、そんな場面がありました。
次のように思いました。
苗字がある、公に苗字を使う。ということは武士階級(あるいは武士階級に似たような)での会話かな、と思われます。
妻から見て、夫は「田中太郎」。しかし、自分は田中ではない、佐藤氏の娘である。
だから、「田中」というのは、夫のことを指す、と思われます。現代のような夫婦が同一の苗字(氏)を称することになっては、田中って自分も田中だろ、という突っ込みが起きます。よって、夫婦が同じ氏という制度が始まる前の日本。
江戸時代の江戸や大坂京都や地方都市では、武士の婦人はどんな会話であったのでしょう。夫の同僚や上司が訪ねてきたとき、「田中がいつもお世話になっております。あいにく、田中は留守です」などと答えたのでしょうか?と推理しました。
よって、
娘が応対する場合や、息子が応対する場合は、「田中は」とは言わない筈と思いました。
コメント(3件)
例外は北条政子ぐらい?
○○氏と呼ばれてる女性は結構いたかと。
氏を略したものだと清少納言や藤式部なんかもそう。
>細川ガラシャ
これは近代になってから、キリスト教関係者が呼ぶようになったので。
>北条政子
これも後世の呼び方。
当時は公式には平政子と表記。
実際の呼び名は別にあったかと。