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松永英明@ことのは ベストアンサー |
数学記号のルールは世界の地域によって異なります。たとえば「÷」を「/」とか「:」とか書く地域も多数あります。
日本におけるルールは基本的に学校教育で教えられているものが基準となると思われますが、それを定めているのは文科省の学習指導要領です。したがって、「数学の決まりを定めている機関」は日本の場合文科省ということになります。
特に小中の学習指導要領で教える記号が指定されていますので、日本の学校では「÷」は「/」や「:」を使わないということになります。一方、世界標準に合わせたりする大学以上の研究機関では必ずしも文科省の方針に従うわけではありませんので、記号の使い方が変わる場合が多々あります。
なお、例に挙げられた問題は、問題自体が不十分と言えます。問題文をa÷b(c+d)と置き換えた場合、a÷b×(c+d)とは意味が変わってくるからです。×を・や省略で示す場合の係数は優先度が高くなってきます。
この件についてよく参照されている論文から一部引用します。
乗除混合演算式についての理解と指導に関する研究 :A÷B×CとA÷BCのタイプの式に焦点を当てて
計算式A÷ (B× C)については,中2「式の計算」に
おいて,単項式どうしの除法で扱っている。たとえば次のような計算式が登場する。.
12ab÷ 4b(A社・例)
これは,12ab÷ 4× b ではなく,12ab÷ (4× b)の計算である。
(50ページ)
実は,かけ算記号の省略については,中1の「文字と式」で扱うが,
「かけ算記号が省略された部分については,優先して計算を行う」¨・★
ことについて,きちんと指導している教科書は一社もない。もちろん,中2の「式と計算」でも同様である。
(51ページ)
したがって、当初の問題文をa÷b(c+d)と解釈するなら1が正解、a÷b×(c+d)と解釈するなら9が正解ということになります。これを「乗算記号が省略されただけだから前から計算するのが当然」と言い切ってしまう方が間違いといえます。
この論文は見たことがありませんでした!
いくつものサイトで「問題が悪い」という主張も結構あって、そうなのかなとも思っていたのですがやはりそのようですね。
自分なりに納得することができました。回答者様とコメントをくださったみなさま、ありがとうございました。