フリーター家を買うがいいと思います
これはちがうけど山田悠介もおもしろいよ
初めまして。
主題:村上春樹の短編「蛍」に書き足して軸に長編に仕上げたものが「ノルウェイの森」ではないかである、と村上春樹本人が書いている
(「ノルウェイの森」は上下巻であるのと有名なので書影は載せないことにしました)
--
小生は「ノルウェイの森」を読んだ後に短編「蛍」を読みましたが、「『蛍』は『ノルウェイの森』を書くための習作ではないか」と思いました。「ノルウェイの森」の一章節分の内容とほとんど同じだったからです。
ちょっと検索してみたところ、こんな話がありました。http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1064254250
小生の感想では「『蛍』の方がスケッチ風でいい」「『ノルウェイの森』は書きすぎだ。上下巻じゃなくて一巻にまとまるぐらいにした方が切れが良かったんじゃないか」と思います。
もっとも「『蛍』だけでは何が何だかわからない」という意見もあるようで、確かに「ノルウェイの森」→「蛍」という順番で読んで初めて「蛍」の背景がわかって味わいが増すのかも知れません。
--
こんな感じで、お役に立ちますかどうか。
追記:不確定な書き方ですみませんでした。「ノルウェイの森」のハードカバーには珍しく後書きがあり、そこから抜粋すると
まず第一に、この小説は五年ほど前に僕が書いた『蛍』という短編小説(『蛍・納屋を焼く・その他の短編』に収録されている)が軸になっている
僕はこの短編をベースにして四百字詰三百枚ぐらいのさらりとした恋愛小説を書いてみたいとずっと考えていて、『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』の次の長編に取りかかる前のいわば気分転換にやってみようというくらいの軽い気持ちで取りかかったのだが、結果的には九百枚に近い、あまり「軽い」とは言いがたい小説になってしまった
とのことです。
うーん、確かに。書かれなかった「さらりとした恋愛小説」も読んでみたかったですね(笑)。ただ
たぶんこの小説は僕が思っていた以上に書かれることを求めていたのだろうと思う。
ともあります。きっと、村上春樹自身の心の棚卸しの意味があったのでしょう。その意味では長いのも頷けます。
▽3
●
eakum ●12ポイント ベストアンサー |
シオドア・スタージョンの『人間以上』は、はじめ第二部の「赤ん坊は三つ」が中編として発表され、第一部・第三部を追加して長編にしたものですね。
三部ともに完成度が高く、描かれる時期もヴュー・ポイント・キャラクターも違う、それでいてひとつの物語を語る長編として完成されている、というものなので長編で読まないことは考えられない作品です。
オースン・スコット・カードの『エンダーのゲーム』も、同タイトルの短篇を長編化したものです。こちらは短篇集のほうで短篇が読めるので読み比べができますね。私は長編を先に読んでいたクチなので、やはり物足りなさを感じて短篇のほうを特に評価するということはできませんでしたが。
田中芳樹の「銀河英雄伝説」は元々「銀河のチェスゲーム」という話を出版する予定が出版社側の事情でなくなってしまったものの、原稿を読んだ編集者からこの話の数世代前を…との話で書き下ろされたモノでした。
銀河英雄伝説 ON THE WEB - インタビュー 第1回 田中芳樹
既に出版された他の作品の売り上げが悪かったためシリーズ化は想定していなかったので、初版は第一巻の表記がありません。
この「銀河のチェスゲーム」は出版されておらず、
作者も「銀河英雄伝説」は完結した話で今後書くのは外伝(本編と同じ年代のみ)とおっしゃっているのでファンの間では伝説の話です。
「銀河英雄伝説」からすると「銀河のチェスゲーム」は数世代後の話なので出版されることはないということになります。
---------------------------------
「蛍」を改稿したものが「ノルウェイの森」であることは既に回答されていますね。
太宰治の最初の作品集「晩年」の中に「道化の華」という作品があり、後に発表された「人間失格」とほぼ同じプロフィールと名前(ともに大庭葉藏)なので「道化の華」を習作に「人間失格」が作られた可能性があります。
「人間失格」は玉川上水での心中の年に書かれたこともあり遺書という位置づけで読む方もおられますが、死後親族が草稿を発見したことで勢い任せではないことが分かりました。
また「人間失格」の最後で主人公は25から28歳位で、これは薬物依存治療のためだまされるような形で武蔵野病院へ太宰が入院した時期と重なりますが、退院の後に結婚し子ももうけ戦火をくぐり抜けて死ぬ直前まで執筆していたことからすると遺書にしては妙であることからも勢いで書かれた物ではないし、「道化の華」を習作として書きなおしたというのは無理な見方ではないと思います。
「人間失格」だと人間全般とくに父の影におびえて道化を演じているのが妙に納得できなかったのですが、後に「道化の華」を読んで兄という父の期待に沿った存在が出てくるので対比として納得できました。
しかしながらちょうど中2の時に「人間失格」を初めて読んだのですが、
その時の衝撃は本当に"厨2病"(当時こういう言葉はまだありませんでした)発症の一因ともなりました。
「人間失格」も読むたびに印象が変わってくる小説のひとつで、
あるときは「主人公はうつ病の気質がある」と思い、
またあるときは「主人公は絶望しているのに妙にへらへらした語り口」に太宰治のペンの力を感じました。
ちなみに漫画でもよければ萩尾望都の「11月のギムナジウム」を元にして
「トーマの心臓」とスピンオフとして「訪問者」が書かれたのもご参考まで。
"NOVELETTE later expanded" "NOVELLA later expanded"でググると色々出てきますね。
R.J.ソウヤー『ゴールデンフリース』
P.J.ファーマー『恋人たち』
フリッツ・ライバー『銀の知識人たち』
ブラッドベリ『華氏451』
ポール・アンダーソン”Three Hearts & Three Lions”
アシモフ『アンドリューNDR114』
ナンシー・クレス『ベガーズ・イン・スペイン』
両方読んでるのはないな^^;
あとは『人間以上』パターンで中篇が長編のうちの一章になるのは
イーガンの『ワンの絨毯』ですね。
中篇を後で読んだので、「これいきなり読んで世界設定分かるのかな」と思いましたが
中篇がSFMに出た時は評判よかったようですね。