視聴者から投稿を受け付けるスタイルのラジオ番組は、1960年代からはじまっていて、当初は局アナがDJで音楽リクエストに加えてリスナーからのメッセージも受け付けるようなスタイルだったのが、芸人やミュージシャンがDJを担当する番組が増え、リスナーの面白ネタ披露の場になってきたという流れで、今に至ります。
1970年の時点では、リスナー参加型の人気番組である、オールナイトニッポン、MBSヤングタウン、セイ!ヤング、といった番組はすでに始まっていました。これらの番組の歴代パーソナリティの顔ぶれを見ると、時代の変遷がおぼろげにわかります。
谷村新司は関東のセイ!ヤングと関西のMBSヤングタウン、両方にレギュラー枠を持つ人気DJでしたが、彼がリスナーからネタを募集するスタイルを考案したわけではありません。
一方「欽ドン」は 1960年代にテレビの覇者だったコント55号が落ち目になり、テレビでの芸に限界を感じた萩本欽一が、当時流行り始めたラジオにブレイクスルーを求めたものです。テレビでは司会者として素人をいじり、ラジオでは素人のネタをうまく料理して笑いにつなげる、これが80年代の再ブレイクにつながったのかとも思います。
どちらが先という話ではなく、それまでにすでに下地があって、その上でそれぞれに花開いたののではないでしょうか。
ちなみに「天才秀才バカ」と「良い子悪い子普通の子」は似ているようですが、後者は80年になって始まったテレビの欽ドンのネタなので時系列的にはズレがあります。ついでにいうと「天才秀才バカ」も、リスナーの投稿から自然発生したスタイルらしいです。
2について、海外の事情はよくわからないので割愛します。
ただ、日本においてミュージシャンがラジオ番組をやるのは、本業を離れるというよりは、本業の延長として捉えられているように思います。ライブのMC同様にファンサービスという側面もありますし、本人の曲をかけたり、ライブの告知などプロモーションの場でもありますよね。