先ほど申し上げました、種の多様性のある熱帯のホットスポットで行われていることは、日本やアメリカ、欧米諸国の製薬会社が遺伝子の海賊行為を行う(バイオピラシー)ということで大変な批判があります。
企業が有用な原種を持ち出し、その遺伝子を解析して新たに特許を取る。例としては、タイの”ジャスミンライス”という香りの良い、おいしい高級米があるのですが、特許を取り商標まで奪い、タイの農民がそれを輸出できなくしてしまいました。
原種というのは、たまたまそこにあるということではなく、何世代にも渡って農民が選抜し、守り育ててきたことにより存在しているわけです。
「生物多様性条約」はこのことを認め、原産国の農民にその利益を還元しようという内容なのですが、アメリカはこの条約をいまだに批准していません。それどころか、バイオピラシーをやり続けているということがあるわけです