30代後半の男性です。今、パートナーと同居生活をしています。
私の若い頃の考えでは、
・これからの世の中は悪くなるだろう、
・私の遺伝子はかなり厄介で、そんなものを受け継がせて、子供に苦労をさせたくない、
などといったことから、子供を作らない方がいいなあ、と考えておりました。
しかし、考えてみれば、世の中のことのあらかたは、どうするかをいかに選択しても、どんな道にもプラスとマイナスの面があるわけでして、
子供を作れば金銭的余裕がなくなる、子供に神経を取られる、愛するあまりの苦痛が生じる、出来が悪い・障害を持っているとなれば、それ相応の苦労が生じる、などなどのリスクがあります。
が、子供をつくれば、楽しいこともある、子供のいない時には想像もできない経験が積める、いわゆる一般人の気持ちが理解しやすくなる、成長を見ていくのが楽しい、自分の分身ができたようで心が安定する、大人になる、親身になって話せる特別な存在ができる、人生が充実する、などなどのメリットもあります。
つまりは、どっちもどっちなわけです。
が、私の場合、以上のような理由で、マイナスの方が大きいのではないかと思っております。しかし、それを補って余り有る「充実」もあるだろう、とも、ここ十年ほどは考えているわけです。
どっちもどっち。
この問題については、自分たちの努力のみならず、多分に運が左右することであり、私たちの思いや考えを超越していますから、考えても仕方がないと思うに至りました。
よって私個人は、パートナーが「生みたい」と望み、それを可能にするだけの状況にあるならば、子供をつくろうと考えています。パートナーがいらないと言うならば、このまま、二人の生活を充実させていきます。
現在、私のお相手は、子宮筋腫ということもありますが、子供をつくるということに過重な負担を感じているようで、子供はいらないと言っています。神経的に耐えられないようです。
なので、結婚してからも同じ考えならば、子供を作らずに過ごすでしょう。それはそれで、一つの生き方であり、国や世界にとってどうだ、ということは関係なく、私たちの選んだ生き方となります。十分、その方法でも人生を充実させ楽しむことはできるでしょう。
ただ思うのは、後々、歳をとって、やはり子供をつくる、子供がいるというのは特別なことですから、「やっぱり子供がいた方がよかったかなあ」などと後悔したくないな、ということです。
話し相手、親友などは、どうしても疎遠になりがちですし、同じように歳をとっていき、そして相手に先立たれなどします。
しかし普通の場合、子供は、自分たちより長生きし、成長していきます。自分にとって特別な存在がそのように「いる」ということは、やはり人生にとって大きな要素であることは確かです。親友や恋人の代わりはいるけれど、子供の代わりはいない、ということですね。ただ、それゆえに、親子仲がうまくいかない、子供に先立たされる、などすると、耐え難い苦痛を伴うのでしょうが。
といったことで、なんにせよ、どっちもどっち。しかし「子供を作らない」と決めてかかることは、誤りだと思う次第です。臨機応変、運任せ、って感じでいいと思っています。
以上のような考えでおりますが、「子供を持とうという動機」という点につきましては、すでに書いたことで基本的には示したと思います。
「自分の存在を証明する」「本能的に欲しいと思う」「特別な“仲間”が欲しい」「遺伝子を残したい」「自分の血を絶やしたくない」などなど、一般的な理由はいくらでも考えられるでしょうが、それらは個人個人が感じることで、他人の参考になるとは限らないように思います。上のように思う人は「子供を欲しがる」訳で、そう思わない人にとって「子供をつくろうかどうしようか」が問題になるのですから。(子供は欲しいが状況が許さない、というのは別にして)
実際に、自分がつくるかつくらないか、との現実的な観点に立ちますと、私は以上のような考えです。
本能的には、私も多分あなたと同じように、子供のいる人生が、ちょっと想像できない(正確に言うと、重視していない)人間で、動物的な本能が弱いのかとも思います。
が、それは「人間」という不自然な生き物に生まれてしまった以上、そしてそういう人間が自分である以上、仕方のないことと思っています。
そこで「子供をつくるかつくらないか」という課題に対しては、私は以上のように考えて、無駄に悩むことを逃れている、という感じでしょうか。
20代前半と30代後半では大分条件が違いますが、
少しでもご参考になれば幸いです。