たとえば、『ガリバー旅行記』のリリパット国の描写が当時のイギリスの政党間の争いの風刺であるとか、徳富蘆花『不如帰』のヒロインのモデルが時の大山巌元帥の娘信子さんであったこととか(これは事実に反する部分もあってモデルにされた大山家は迷惑したらしいですが)。
現在、流通している本のISBNと、必要な「時代背景」あるいは「モデル人物」を紹介したURLの組み合わせで御回答ねがいます。
ただし、私小説についてはパスさせてください。風刺小説、モデル小説のオススメを御願いします。
http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi/40014d79637420...
オンライン書店ビーケーワン:1984年 ハヤカワ文庫 NV 8
オーウェルの『1984年』は冷戦初期で、ビッグブラザーはスターリンで、イギリスも労働党が政権を握って、社会主義化が一気に進んだんですよね。
以下はその点を論じたURLです。bk1では『1984年』の書影が出ないです。
KHR/orwell/orwellandus.html
ちょっと有名すぎる感じもするけど、冷戦終了で、ビッグブラザーの危険はない、と思い込んでいるふしはありますね。
こんな調子で、以後の回答者の方もよろしく。
なるほど。これは知っている方には常識なのかもしれませんが、私は知りませんでした。
ありがとうございます。
http://d.hatena.ne.jp/asin/4048837788
真説 光クラブ事件 ―東大生はなぜヤミ金融屋になったのか― - はてなキーワード
三島・高木と純文学と娯楽小説の2つをノンフィクションでおさえてみました。
「光クラブ事件」の東大生・山崎某がモデルです。
三島は多いですね、モデル小説。
「青の時代」三島由紀夫ISBN4101050201 は無効なISBNです。
「白昼の死角」高木彬光
ISBN4041338255 は無効なISBNです。
うーん、これも当時の「光クラブ事件」のインパクトの大きさは今では実感できないのでしょうね。
ありがとうございます。
あはは、やられた。でも、これは当時の漱石の交友関係を知っていると、さらに深い楽しみかたができますよね。
ありがとうございます。
これは、両者ともモデル小説の域を超えてますよね。もちろん、モデルとなった僧についての知識があると、さらに楽しめるでしょう。
ありがとうございます。
最近、裕次郎氏の遊び友達で主人公のモデルと言われていた方が亡くなった、というニュースもありましたね。
http://news.fs.biglobe.ne.jp/entertain/fj050108-320050108025...
いずれにしても、小説家としての石原慎太郎は弟とその友人たちに多くを負っていますよね。
プライマリー・カラーズ―小説アメリカ大統領選〈上〉 (ハヤカワ文庫NV)
「ブラック・ダリア」ジェイムズ・エルロイ著
時代背景:1950年代・アメリカ(ハリウッド)
モデル人物:エリザベス・ショート
http://c-cross.cside2.com/html/b00hu001.htm
+++ブラック・ダリアと擬似記憶シンドローム+++
(モデル人物のインパクトが弱すぎるかなあ・・・・・・。)
ひとこと:ジェイムス・エルロイって作品自体(全作品通して)にジニーヴァ・ヒリカー・エルロイ(母親)の影が見え隠れしているような・・・・・・。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4167651378/hatena-qsp-22
Amazon.co.jp: わが母なる暗黒 (文春文庫): ジェイムズ・エルロイ, 佐々田 雅子: 本
(ノンフィクションは質問に該当しないのでしょうけど、マイケル・ギルモアが、殺人を犯して死刑になった兄のゲイリーのことを書いた「心臓を貫かれて」もお勧めです。時間的には1976年の死刑執行を軸にしていますが、ユタ州とそこに根付いたアメリカ人家族を中心にしたアメリカ史のように見えます。)
「プライマリー・カラーズ」(アノニマス)著
時代背景:1950年代・アメリカ
モデル人物:ビル・クリントン、ヒラリー・クリントン(と一般的には言われている)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%93%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%A...
ビル・クリントン - Wikipedia
ひとこと:過去の流行モノです。「後世」というには中途半端かも。(新し過ぎますか?)
「監督」海老沢康久著
時代背景:1981年・日本
モデル人物:広岡達朗
ひとこと:ちなみに向井敏著「文章読本」第9章「文章の効率」で良文として挙げられているのみならず、賛辞を送られています。
有名な本で出版当時はベストセラーにもなったと思いますが、20年以上前の本なので、忘れられているかも、と思って・・・・・・。
ジェームズ・エルロイの母の死に方は異常で、作家に大きな影響を与えているのはたしかですよね。
プライマリー・カラーズは政争の道具として使われる典型かな?こうしたことも数十年後には忘れられてしまうのかもしれません。
広岡さんも、みごとに忘れられた人物ですね〜。ミスター・ジャイアンツ、王監督、野村氏に比べると、広岡・森といったあたりは、今は何しているんでしょう?
また2度目です。(不愉快だったら却下してください。)
サマセット・モームの短編集(フィクション)「コスモポリタンズ」は随分前に読んだ本なので良く覚えていないのですが、後書きに「モーム自身の体験(スパイ活動)をもとに書かれた」とあったと記憶しています。本人がモデルですが私小説ではないです。
時代的には20世紀初頭、第2次世界大戦前夜、という感じです。舞台は権謀術数の世界なので世界を股にかけていますが、主にヨーロッパです。
サマセット・モーム
モームの作品ではゴーギャンをモデルにした「月と六ペンス」もあります。
有名すぎてご希望に沿っていないかもしれませんが、ISBNを一応挙げておきます。
モデル人物の関係上、時代背景が浮かび上がる、という感じではないですが、時代的には19世紀後半で、所はフランス(タヒチも?これもかなり前に読んだので忘却)が中心です。
ゴーギャン
http://www.ffortune.net/social/people/seiyo-kin/gauguin.htm
ゴーギャン(1848-1903)
あと、私がよくモームと混同する(ナゼ?)のグレアム・グリーンの作品も、主人公のモデルが「本人なのでは?」と思わせるものが結構あります。特に「情事の終わり」。
・・・・・・と思ったら同じことを感じた人もいるようです。
「情事の終わり」は第2次世界大戦中のロンドンを背景に、カトリック信仰を中心に据えたラブ・ストーリーです。
グレアム・グリーン
ところで「1984年」のオーウェルが書いた
「動物農場」は「豚のナポレオン=スターリン」という通説のようですが、これも有名すぎてボツでしょうか?
ISBN: 4042334016
いえいえ、「bk1はてな」は「人力検索サイト」とは性格が違うと思いますので、こういう読書クラブ的な使い方もいいと思ってます。
『動物農場』は現代にも通じるこわさがあって、『1984年』よりこわいと思います。昔々、石ノ森章太郎氏が漫画化して、豚のナポレオンがラストシーンで葉巻を咥えてトランプをしながら、次第に顔がスターリンに変わっていく描写が視覚的に印象深かったのを覚えてます。
サマセット・モームの小説は、彼の仕事を理解していた方が理解が深まりますよね。『月と六ペンス』もいいと思います。ゴッホに比べて忘れられた画家になりつつあるゴーギャンは、もっと見直されていいでしょう。
グレアム・グリーンに限らず、英米の小説はキリスト教の知識がないと読み誤まるものが多いですよね。ここに、ユダヤ教も入ってくるから、ややこしいですが。
サリンジャーなんかも、保守的アメリカ人にとってはトンデモナイ作家らしいですよね。
さすが、戦後は裁判になりますよね。『不如帰』では、冷たい継母として描かれていた大山巌夫人の捨松(事実とはかなり違うらしい)が、心を痛めていたことが、久野明子『鹿鳴館の貴婦人 大山捨松』に書かれています。
ISBNがBK1にありませんので、版元である岩波のURLを入れておきます。
ニェムツォヴァというチェコの女流文学者の作品ですが、主人公のモデルは作者本人のおばあさんであり、作者自身も作中にバルンカと言う孫として登場します。
その他、彼女の両親、兄弟、近所の人々もそれぞれに本人か、近い立場の人がモデルになっているようです。
一見、チェコの山間の平和な村で暮らす人々の素朴な物語です。四季が美しい田園で、昔気質のおばあさんが孫や近所の人たちと心を通わせて暮らしてゆく様子を描写しているだけで、辛いエピソードもいくつかありますが、全体的にとてもほのぼのとしていて癒されるような感じなのですね。
けれど、当時(19世紀半ば)チェコを支配していたオーストリア帝国の軍隊に対して村の立場が弱かったり、言葉もあまり通じないドイツ人と、同じ被支配者としてわりとすんなり共存していたり(おばあさんの娘婿、作者の投影であるバルンカの父はドイツ人)というのはその社会背景が解っていた方がより楽しめると思います。
作中の歴史背景の他、実際にこれが発表された時期はチェコの独立運動の気運が高まっていた頃でした。
作中では特にチェコの民族主義が声高に語られるわけでもなんでもなく、風習や田園らしい親密さが丹念に描かれているだけ、おばあさんが理想的なチェコ人気質をもつチェコ人として書かれているだけなのですが、それがとても熱狂的に支持されたようです。
作者本人は、時の政府から愛国主義の思想を持つ人物として圧力をかけられ、ほとんど現金収入がない貧困生活の中で病を得てはこの作品を出版する準備をしている途中で亡くなっています。
これは、面白そう。カフカやチャペックを生んだチェコという国も興味深いですし、歴史的に東欧・ロシア圏は「風刺文学」でないと小説家の良心を満足させる作品が書けない時代がありましたからね。
ぜひぜひ、他にも面白そうなものがあれば、よろしく(1回目ですよね?)
連続ですみません!
先程の回答を撤回したいのでポイントは結構です。
先年、この作品は岩波の復刊フェアで出ていたと思ったのですが、その復刊分ももう流通していないのですね……
「現在流通している」という条件にそぐっていないので、重ねてポイントご辞退申し上げます。
失礼致しました。
いや、古書サイトをサーチしていたら、結構出てますよ。中には400円、なんて破格の値段もあったりしてーこのお店で買いました(あまり本の状態にはこだわらない方なので)。
三島由紀夫の「宴のあと」はだされてしまったので、
有名な話ですが、森鴎外の「舞姫」。作者がドイツであったときの事をもとにしている話らしいですね。
(その後、恋人が日本までおしかけてきて鴎外の家族がその事実を隠そうとしたのだけど、スクープとしてすっぱぬかれちゃったんですよね。)
あとは、H・G・ウェルズの「タイムマシン」でしょうか。(一番最近ので2001年ガイ・ピアーズ主演で映画化。私は見てませんが。)
この話は書かれた当時(1895年)イギリス(作者はイギリス人)は産業革命後で資本家と労働者階級の二層に分かれていました。作中に出てくる「地上人」と「地下人」はそんな当時の英国の階級がもとになっています。(ってあとがきにありました。)
知らないでそのまま読んでも私は面白いと思いましたが、知っていた方がより面白いと思います。
http://cruel.org/books/timemachine/timemachinej.html
The Time Machine: Japanese
ここで読めるようです。
『タイムマシン』は盲点でした。そういう意味では、ウェルズはベルヌと違って、時代を風刺した作品は多いですね。
『舞姫』は、この一作だけで、山のように注釈書のあるモデル小説の原点みたいなー鴎外本人の体験に基づくのに私小説ではないし、こんな本を書いたら、普通なら罷免されて破滅ですよね。『舞姫』を書いたときの森林太郎の心境、ちょっと諮り知れないものがあります。
http://aktsh.cocolog-nifty.com/_kaimono/2004/12/post_20.html
かいものろぐCE: ドリトル先生の英国(南條竹則)
『ドリトル先生』、児童文学として有名なシリーズですが、初期の作品と後期の作品ではずいぶん雰囲気が違います。
一冊目の『アフリカ行き』が最初の作品、2冊目の『秘密の湖』は後期の作品で、この時代のロフティングの怒りや苦しみが垣間見える作品です。
このシリーズを、そんな背景にも触れて読み解いているのが『ドリトル先生の英国』です。URLはこの本に関して。
http://d.hatena.ne.jp/few01/200306
飛行船通信2000-2008
検索してたらはてなダイアリのページを発見!
他に、『ドリトル先生』シリーズは差別表現のことで問題があって、それを塗り替えてしまうか、その時代の事実として保存するかというところでは賛否両論あります。私は誤魔化したり隠したりするよりも事実は受け止めた上で考えて行く方が好きです。2件参考に。
http://ps-j.com/coke/diary/200308.html#20030820
Diary | Mutter to oneself (03/08)
いやー、さすがです。
「ドリトル先生シリーズ」は私も子どもの頃ハマってましたので、懐かしいのと、背景まではさすがに読めなかったな、という思いと。
『ドリトル先生と秘密の湖』はたしかに、どこか暗いトーンがありましたよね。
「差別表現の問題」−これは『ちびくろさんぼ』の問題の時に、対応の拙さをさらけだしてしまいましたよね。最後には『ちびくろ、さんぽ』なんて、小さな黒い犬に置き換えたりして。
さいわいに、原点に沿った『ちびくろさんぼのおはなし』という形で復刊されたようなので、ひとつ進んだ感じですが。
「〜〜により削除しました」という対応で議論を逃げることだけはしたくないものです。
戯曲は予想しなかったですが、「仮名手本」忠臣「蔵」は別の意味で面白いですよね。
過去の「いろは歌」の質問の回答にもありましたが、
「江戸期の人々にも,「いろは歌」を折り句にした時の暗号が広く知られていた節があると推理されています.その証拠のひとつが,お芝居の「仮名手本忠臣蔵」だと言います.有名な赤穂47士の討ち入りの話ですが,歌舞伎の題名が一風変わっています.
「仮名手本忠臣蔵」という題名は,一種の暗号だと言うのです.
「蔵」が大石蔵之助を指していることは容易に分かります.
では「仮名手本」とは何でしょうか.江戸時代,仮名のお手本は「いろは歌」以外にありません.
「いろは歌」がどうして仇討ちになるのでしょうか?そこに,上記の折り句での沓があって「咎無くて死す」がすでに公認の符丁であったと知られる分けです.
47士が, 全員切腹を命じられたのは「咎無くて死す」だと暗号で示しているのです.
討ち入りの人数を47人にしたのは「ん」を除く「いろは47文字」を意識したものでしょう.
また, ストーリーの中に寺子屋のシーンを入れたりして暗号をカモフラージュしています.
もとより江戸幕府の5 代将軍綱吉を正面切って批判することなど, 到底出来る相談ではありません.時代を鎌倉に設定し, 名前を替えて, お芝居は作られています.
淨瑠璃の題名「菅原伝授手習鑑」も 同じく, 手習いの鑑」つまり「いろは歌」を示唆しています. 」
これは、当時の時代背景を読まないと、題名も解釈できないという好例ですね。
ありがとうございます。
『赤毛のアン』は子供の頃に読んだきりですが、けっこう奥が深かったのだなあと思います。詳しくは「松本侑子ホームページ」中の「赤毛のアン電子図書館」をどうぞ。
あと、流通していませんが、舟橋聖一の『花の素顔』は、当時、マダム・マサコと佐野繁次郎がモデルであるとして話題になったそうです。海月書林のサイト内に記事がありました。(http:/www.kurageshorin.com/masa.html)
新しいところでは『極東セレナーデ』(小林信彦/著 普通の女の子が人気アイドルになる話)は、「おにゃん子クラブ」なんかがはやっていた当時の雰囲気がよくでていましたが、あの頃を知らない人にはぴんとこないかな〜と思います。そういえば、のちに裕木奈江主演でテレビドラマ化されてあまりの出来の悪さ&ミスキャストに愕然となったものです。
>『赤毛のアン』は子供の頃に読んだきりですが、けっこう奥が深かったのだなあと思います。
そうですね。時代背景も大恐慌で銀行が潰れてマシューが急死して、進学をあきらめるアンにギルバートが奨学金を譲ったり。
カナダの人が読むと、いちいちうなずきながら読むんだろうな〜。
>マダム・マサコと佐野繁次郎がモデル
これはまたコアというか、誰だかわかんないす(^^;;
>あの頃を知らない人にはぴんとこないかな〜
おにゃん子クラブ、キャンディーズ、8時だよ全員集合も「歴史の1ページ」になった感はありますよね〜。
http://www.uzo.net/notice/quo/quote_23.htm
Yuzo's Photo World Quote Page 高野 悦子
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「まさに彼女が生きた70年代の学園紛争の、その時代だったからこそ、このような結末になったのであろう」ほとんどリアルタイムで読みました
http://forum.nifty.com/fsky/fskyw/topics/age20/age205.htm
@nifty:フォーラム@nifty
これは映画です
これは、時代背景を考えないと理解できない部分と、時代を超えて訴えかけるものを併せ持つ稀有な書物ですよね。
原口統三の『二十歳のエチュード』と似たところがある気がします。
参考:http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4895421864/qid=1105...
ありがとうございます。
はてなの「質問」「回答」も単純に表面だけ見るのではなく、背景とかコンテキストを推測しながら、やりとりしたいものです。
ポイントは均等配分にしますが、2回目の回答の方は、やや低めになりますので、よろしく。
それでは、これにて終わります。
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