[潜入ノンフィクション] レバークーゼン 化学と白ビール。 - goo スポーツ:NumberWeb -
まず、このナンバーの記事をご覧ください。記事中に、
【レバークーゼンの親会社であるバイエル社は、もともと染料会社として1863年にスタートした。当時、市場には自然の染料しかなかったことに目をつけ、フリードリッヒ・バイエルがいちはやく化学染料の開発に成功して、“バイエルの赤”が爆発的なヒット商品になったのだった。親会社の理系的な好奇心と探究心は、現在のレバークーゼンにもしっかりと息づいている】
という部分が出てきます。この“バイエルの赤”のことではないでしょうか。そこで調べてみました。もうすでに無効リンクになっていますが、Google のクロールに次のリンクが残っていました。
からむこらむ
〜その67:人工染料の夜明け〜
クロールが消えてしまっても意味が通じるように要点を長めに引用します。
【赤色の染料に「アリザリン」という染料があります。ま、理化学辞典なんて引いてみればその色を「美麗な紅色色素」と表記していますが........ このアリザリンは古代から知られており、エジプト人がミイラを包む布の染色にこれを使っていた、と言われています。つまり、それほど古くから知られている物、と言えます】
【このアリザリンは世界中に分布しているアカネ科の植物の根から得られる、という事で結構世界的にポピュラーだった物なのかも知れません。 あ、日本でも昔からアカネ科から赤色の染料を取っています。】
【さて、時は1868年。当時ベルリンにはアドルフ・フォン・バイヤー(Johann Friedrich Willhelm Adolf Von Baeyer:バイエルとも)という、ブンゼンとケクレに学んだ高名な有機化学者がいました。ま、色々と業績を残している学者なのですが.......... 当時不明であった天然染料であるアリザリンの化学組成を彼は研究室でテーマとしました。】
(……いろいろ研究上での模索の記述が続いて……)
【ま、ともかくもこの合成アリザリン。ドイツとイギリスの両国で1871年に市販を開始。 それまでの天然アリザリンの市場を駆逐してしまいました。】
と。バイエル社の創業に近い時期のことだったんですね。最初に挙げたナンバーの記述を読み返してみると【もともと染料会社として1863年にスタートした。当時、市場には自然の染料しかなかったことに目をつけ……】と創業間もない時期だったことを示唆しています。
つまりバイエル・レッドという名称は、合成アリザリンの愛称というべきものでしょう。染料はさまざまな方法を用いてその色合いを変えることができますから、DICやPANTONEは定められないのでは。天然のアリザリンは茜(アカネ科の植物)からとっていますから、合成アリザリンも似たような「美麗な紅色」ではないかと思います。
恐らくバイエル・レッドという言葉は、バイエル社の創業精神を示す象徴的な意味で用いられたのだと思います。
ちなみに、”bayer-red”で検索してみましたらトップに……、
Woman’s Day Magazine(全3ページ)
こんなものが出てきました。バイエル社がスポンサーになっています。