■良薬口に苦し■
古代では、病気は悪霊が身体に取りついたと考えられており、取りついた悪霊を追い出すために 、吐き気を誘うハーブ(薬草)が使われていました。同様に病気も罪と関係づけられ、吐き気を催させるハーブを飲むことは、罪滅ぼしの難行苦行に相当し、神々をなだめることになると考えられていました。
今日でも薬がよく効くためには、苦い味でなければならないという、本能的な感覚が根強く残っていて、まさしく「良薬口に苦し」の格言の起こりではないかと思われます。実際に、苦味成分は胃や腸の消化液や酵素、肝臓からの胆汁の分泌を助けます。また、リラックス効果や消炎作用にも優れています。
ちなみに今年の春、ピラミッドの周りに咲きみだれた、かわいいカモミールの花の成分でもある・アズレン・は、現在ではよく胃薬に使われています。
また柿渋エキスは、古来民間医療薬として広く用いられていたもので、良薬は口に苦しの語源となったものとも言われています。酔いの分解や二日酔い抑止にとどまらず、酒飲みに多い高血圧の抑止や、酒臭さ・おやじ臭さの緩和といった効果もあります。