どちらも政治家ですから似たような物に見えますが、
内閣総理大臣は国家三権のうちの「行政」の長、
国会議員は「立法」の任務を担います。
地方公共団体における首長と議員の関係も同じです。
たとえば地方公共団体の場合、議会は行政の長たる首長が招集します。
議員が議会の開催を求める場合も、首長にそれを請求し、
首長がこれを招集します。
議会の任務は、法律(条例)の制定のほか、
行政の行う予算・決算の承認や
執行機関の行う事務や事業などのチェック、
有権者から出された請願などの審議・採択と
その採択結果を関係先に送付したり
処理状況の報告を請求したりすることにあります。
これらに対し、首長は法律に署名したり条例を公布したりする側、
予算や決算の承認を求める側、
議会から請願を送付されたり処理状況を求められたりする側の長、
という位置づけになります。
分かりやすく言えば、政治の場において、
首長は行政の側の最前線に立ち、
議員は国民・住民の側の最前線に立って
それぞれの立場を代表していく、ということになります。
> 法律を作ることと、いわゆる”チェック機能”としての役割と、どちらが議員の仕事として重要なのでしょうか?
については、課題の多さという面から考えると、
議員には圧倒的に「チェック機能」の充実が求められるでしょう。
立法実務の多くは行政の側から出される法案・条例案の審議であり、
議員提出の法案や条例案は、特に少数会派や無所属では
不可能なこともありますから、こうなってくると、
とりわけ少数会派や無所属議員の場合、
いかに行政に対するチェック機能を発揮させていくか、
また有権者からの請願や陳情をどれだけ議会に持って行けるか、
といった「有権者側の代表」としての任務が
重視されてくることになります。